「芸能人だからって信頼して連泊させてしまったホテル側も脇が甘いのかもしれませんが、それにしても悪質すぎますよ」(地元の旅館関係者)
昨年9月、元マネージャーの自宅へ脅迫状と包丁、犬のフンを送りつけたとして刑事告訴された泰葉。それだけでなく、数々の金銭トラブルを起こしていることを週刊女性はこれまで報じてきた。
「CD制作費の600万円が未払いで、クレジットカードの代金や事務所家賃、車のリース代に税金関係などの借金が膨らんでいる。現在、ブログの収入が月30万円ほどあるようですが、“焼け石に水”状態みたいですね」(スポーツ紙記者)
過去に泰葉は、返済していない借金が2000万円から3000万円あると週刊女性に明かしている。また、CD制作のために集めたクラウドファンディングの資金を、生活費として使ったことも、悪びれる様子もなく話していた。
さすがに巨額な借金を背負っているからか、ブログではホームレス生活を告白。
例えば5月1日付のブログでは『自分のお家』と題し、
《ホームレスは辛いよ。自分のお家で過ごしたい。自分のお風呂に入りたい。いいなぁお家がある人は》
と、自身の不遇を嘆いていた。
ホームレス生活のはずが……
だが、このとき泰葉はホームレス生活とは真逆の場所で目撃されていた。
「確か彼女は4月25日から5月4日までの9泊10日で、神奈川県箱根にある超高級ホテル『ハイアットリージェンシー箱根』に滞在していました。1泊10万円以上すると言われているペット同伴OKの部屋に泊まり、愛犬と一緒に楽しそうに散歩していましたよ」(居合わせた宿泊客)
“ハイアット”といえば、世界に500軒以上ある高級ホテルグループ。その豪華さについて、ホテル評論家の瀧澤信秋氏はこう評価する。
「ハイアットリージェンシー箱根は'06年にオープンし、箱根に外資系ホテルが進出した先駆け的な存在です。ブランドイメージが強く、訪日外国人からも絶大な支持を得ています。非常に高級なので、その地域のブランド価値を上げることにも貢献しています。10年以上たった今も人気は高いですね」
つまり、泰葉はブログでホームレス生活をアピールしながらも、実際は同じ日に“超”がつく高級ホテルで優雅なもてなしを受けていたのだ。
1日でも早く、1円でもいいから返済してもらいたい債権者にとっては腹立たしい話だろう。
だが、話はそれだけではすまない。なんと100万円近くにもなる9泊分の宿泊費を踏み倒していたのだ!
ここに1本の音声データがある。
5月下旬に当ホテルの経理部に勤めるA氏が、泰葉と近しい人物に返済の相談について電話でやりとりした一部始終だ。そこにはA氏が困り果てた様子で、
《一応、5月11日に返済ということで念書をですね、チェックアウトのときに交わさせていただきまして……。私のほうで心配でしたので事前に携帯にお電話を差し上げたんですね。そうしましたら、返答がなかったと。まあ、留守番電話にもなってなかったもので。結局、ご本人と話すことはできませんでした》
そして会話は続き、
《11日の午後3時までという約束だったので待ったのですが結局、入金がなかったもんですから、それで(泰葉に)電話したんです。そうしたら、着信を見られて返信のほうはいただきました。そのときは総支配人が電話に出ましたので、直接は話していないのです。“6月になれば様子が変わると思うので、それまで待ってほしい”という話でした》
詐欺罪に当たる可能性も
そして宿泊費が約100万円であることに話題が及ぶとA氏は、
《そうですね…… 》
と、弱々しくも切実に訴えているのが印象的だった。
このような“無銭宿泊”は、高級ホテルであればあるほど起こる可能性があるという。
「高級ホテルはお客様を信用するという立場から、チェックインの際にクレジットカードのチェックやデポジット(預かり金)などは受け取らないのです。ただ、このようなスキッパー(未払い客)の情報はグループホテルだけでなく、周辺の宿でも共有されることがあります」(瀧澤氏)
泰葉は過去に何度かこのホテルを利用している。しかも、芸能人ということもあり、ホテル側もすっかり信用してしまったのだろう。
そこで、このままホテルの宿泊費を支払わない場合の罪について、刑事事件に詳しい『弁護士法人・響』の徳原聖雨弁護士に聞くと、
「刑事事件としては詐欺罪に当たるでしょう。相手を騙そうとしていたかというところがポイントになり、泰葉さんが初めから宿泊費を払う気がないのに泊まったり、チェックインするときは払うつもりでも、念書を書いたときにウソをつくつもりで書いていれば、詐欺罪が成立する可能性はあります。
詐欺罪で難しいのは、騙すつもりがあったのかというのを証明すること。ただ、本人が“払うつもりがあった”と言っても、彼女に高級ホテルに泊まって返すだけの収入があるかどうかという点もポイントになってくると思います。それが証明できれば、詐欺罪として10年以下の懲役というかなり重い罪になります」
両者に言い分を聞く
被害者であるハイアットリージェンシー箱根にも泰葉の件を質問すると、A氏の存在は認めつつも、
「お客さまのことをお話しすることはありません」
そこで、泰葉に電話で事実関係について直撃取材した。
─4月25日からのハイアットでの宿泊費約100万円を踏み倒しているのは事実ですか?
「全部は払っていないですが、返済はしています」
─いくらほど払ったのですか?
「1回5万円払って、そのあとは1000円ずつとか。6万円くらいは返しました。でも、(ホテル側は)分割でいいとおっしゃってくださっています。これも私の信用だと思います」
と悪びれる様子もない。
─数千万円の借金が残っているにもかかわらず、なぜ1泊10万円ものホテルに10日間も泊まったのですか?
「これは周りのスタッフに騙されたんです。ユーチューバーになれば10億円、新曲のCDがヒットすればすぐに入金があると言われたので、それを当てにして泊まってしまったんです」
─仮にそのようなお金が入ったとしても、借金を返済するほうが先なのでは?
「自分の認識不足でしたし、ハイアットにはご迷惑をおかけしたんですけど、今まで何度も泊まらせていただいて信用もあったんですね。私はPTSDもありますし、身体も疲れていましたので、泊まってしまいました。頭がおかしくなっていましたね。
ただ、命を狙われたり、付け回されたり、危ないなと思ったので駆け込み寺だと思って泊まったんです。命の危険があったので、ハイアットさんにすがるしかないと思ったんです」
返済するどころか新たな借金を増やしていく泰葉。インタビュー中に「払うつもりはある」と口にするたび、その言葉は空虚に響いた。