昨年閉園した『スペースワールド』の解体作業が進んでいる。ほかにも、歴史に幕を閉じた遊園地は少なくない。そこで、かつて多くの子どもたちに夢を与えた、昭和&平成の夢の場所を誌上プレーバック!
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平成最後の夏も終わり、いよいよひとつの時代が幕を閉じようとしている。そんな平成、そして昭和にかつて存在した懐かしい遊園地を網羅する『日本懐かし遊園地大全』(辰巳出版)が発売された。『TVチャンピオン』第4回遊園地王で優勝したこともある著者の佐々木隆さんに、遊園地の移り変わりを聞いた。
「明治・大正年間の創生期はウォーターシュートと飛行塔が人気だったそうです。そして戦後に遊園地が復活しはじめ、昭和30~40年代にはコースター・観覧車・メリーゴーランドが“三種の神器”として支持を集めるように。
昭和50年代に大型コースターなどが誕生しましたが、いちばん大きな転機は昭和58年に開園した東京ディズニーランドでしょう。TDL開園後の昭和60年代から平成初期には絶叫マシンが続々と登場し、現在に至ります」
そんなマニアのオススメする遊園地の楽しみ方とは?
「遊園地は“風景”と“こだわり”を楽しむ場所だと思っています。看板やオブジェなど、アトラクション以外の遊園地の“遊びゴコロ”などを見つけるとうれしくなりますね」
そして、最後にこんな遊園地愛あふれるメッセージも。
「遊園地の魅力は誰でも笑顔になれる場所であることだと思います。懐かしさをご堪能いただくとともに、今の遊園地も感じていただき、足を運んでいただければ幸いです」
懐かし遊園地をご紹介!
伏見桃山城キャッスルランド
伏見桃山城の模擬天守閣を作った珍しい遊園地。観覧車といった定番アトラクションのほか、写真のような子ども向け遊具のあるメルヘンハウスや白雪姫などの世界を楽しめる童話館もあった。市民の要望もあり城は閉園後も残され、跡地は伏見桃山運動公園に。
エキスポランド
昭和45年に開催されたアジア初の万国博覧会(大阪万博)跡地にできたため、万博開催時の乗り物も多数残された。写真は観覧車とロケット型回転アトラクション。平成27年には遊園地跡地に複合施設・EXPO CITYがオープンしている。
ウェスタン村
アメリカ大統領の顔で有名なマウントラッシュモアの再現をはじめ、本格的なウエスタンショーや本物の鉄道も走る、アメリカ西部をテーマにしたテーマパークだった。実は公式には閉園の発表はされていないが、平成18年から長期休園中のため、現在は廃墟化している。
カッパピア
昭和27年に開催された『新日本高崎こども博』が後に整備され、『高崎フェアリーランド』として遊園地が開園。昭和44年にできたプールの名称が親しまれ、遊園地自体の名称に。宙返りジェットコースターのループの間から高崎白衣大観音が見えるのがシュール!
松屋浅草プレイランド
日本初の屋上遊園地としてオープン。写真は開園時に設置された航空艇。8人乗りで、隅田川や浅草周辺を見渡せる乗り物だった。昭和30~40年に絶頂期を迎えた屋上遊園地だが、消防法改正で屋上への大型遊具設置が難しくなったこともあり、減少の一途をたどっている。
よみうりランド
夏はプール、冬はイルミネーションと季節を彩るイベントで今なお大人気。開園時から平成8年までは、水中バレエ劇場という水槽でバレエを披露する珍しいショーも行われていた。
スペースワールド
昨年、27年の歴史に終止符を打った、九州を代表する遊園地。跡地はイオンモールになることが発表されており、同園のシンボルだった高さ約60メートルのスペースシャトル模型は10億円で譲渡する旨を発表していたが、買い手が現れずに解体されることになった。
富士ガリバー王国
オウム真理教のサティアンがあった上九一色村に建設された『ガリバー旅行記』をテーマにしたパーク。シンボルであった45メートルのガリバー像はインパクト大だったが、たった4年で休園。閉園後はドッグランがオープンするも、こちらも1年ほどで営業休止に。
函館公園 こどものくに
北海道で最初にできた洋式公園の奥にある小さな遊園地に設置された、日本最古の観覧車。園内の入場は無料で、13機種あるレトロな乗り物は一律1回300円とお手ごろ価格。
前橋るなぱあく
大型遊具は1回50円、木馬と小型遊具は1回10円と、日本一安い遊園地としても知られる。その木馬は開園当時にできたもので、平成19年に国の登録有形文化財に指定された。