「読めなぁい!」
と、小さい文字が見づらいことを、やたらハイテンションに叫ぶ渡辺謙。
手でハートマークを作りながら、
「ハズキルーペ、だーいすき」
と言い、画面に向かってウインクする、菊川怜。
そんな、2人による“破壊力”抜群のCMが話題を集めた、メガネ型拡大鏡『ハズキルーペ』。
さらにこのCMでは、菊川がお尻で商品の上に座っても壊れないということで、その頑丈さもアピール。そこもまた、すごいインパクトだ。
「『ハズキルーペ』は今、もっとも話題性の高いCMのシリーズになっているのではないでしょうか。あのハリウッドスター、世界のケン・ワタナベ(渡辺謙)が、“ネタ色の強い”CMに、しかも、全力のハイテンション演技を披露していました。
そこに菊川怜さんという、インテリ枠の女優が、ウインクやお尻での踏み潰しという色気を散りばめる。2人の絶妙なやりとりが印象深いものになっています」
と、あるテレビ関係者は語る。
この渡辺謙と菊川怜のCMは、シリーズの第3弾にあたる。その前の第2弾では、舘ひろしが出演し、これも一部で話題を集めた。前出のテレビ関係者は言う。
「舘ひろしさんが、娘と素敵なディナーを楽しむという設定なのですが、その際、2人が楽しむワインに、『美味しい!何年の?』『お前が生まれた年だ』というやりとりがあった後に、舘さんがバスローブ姿で登場。
舘さんだからこそ醸し出せる色気ですが、親子デートなのにちょっと親密な雰囲気が出すぎていて、『パパ』という呼び方も、別のパパのように聞こえると、ネットで話題になりました」
気になる第1弾は、実際に趣味であるプラモデルを製作する姿で登場した、石坂浩二だった。
「石坂さんのCMは、細かいパーツがよく見えると、ストレートに商品の魅力をアピールしたものでした。それが第2弾から、急に話題になるような作りになり、一体何があったのかと、謎に包まれています(笑)」(前出・テレビ関係者)
9月20日より、いよいよ最新作、第4弾のオンエアがスタートした。
今回メインで出演するのは、産休明け初仕事となる、高級クラブのママに扮した武井咲。その客として登場するのが小泉孝太郎、そして、またもや舘ひろしである。
「舘さんは、主演映画『終わった人』が『モントリオール世界映画祭』で最優秀男優賞を受賞して、大きな話題を集めたばかり。その話題がさめやらぬ中での再登板です。
今回のCMは小泉孝太郎が、『ケンさんには内緒だよ』と、第3弾を受けてのセリフがあったり、ホステス役の女性4人が菊川怜ばりにハズキルーペをお尻で踏むという、ある種の“フェチ度”をエスカレートさせています」(前出・テレビ関係者)
果たして、このCMシリーズ、どこまで狙っているのだろうか。ある芸能記者が言う。
「舘さんの第2弾から、SNSやネットの掲示板で、ジワジワと話題になっていました。そして最新の第4弾は、舘さん再登場、“ケンさん”という名前、お尻で潰す描写の4倍がけと、これまでに盛り上がった要素を贅沢に採用した集大成、ベスト盤のような感じすらあります。意識しすぎなのかもとも言えますが」
注目を浴びるようになった、渡辺謙&菊川怜の第3弾の異様なハイテンションは、ハズキルーペを販売する、Hazuki Company(株)の会長の影響が大きいと、同芸能記者は言う。
「第3弾では会長自らが指揮をとり、演出や出演者の衣装まで、細かなこだわりを盛り込んだものだと、インタビューで語っていました」
その絶妙なバランスの外し方、ずらし方は、会長個人のセンスによるところが多そうだ。
「インタビューでは、『私の作品』と言いきっていました(笑)。今どきとても珍しい、個性のある優秀なCMディレクターといえるかもしれません。自社製品のCMだけでなく、他の会社のCMも手がけてみて欲しいですね」(前出・芸能記者)
ベスト盤と言われる第4弾が始まったばかりだが、次は何が待っているのか。渡辺謙や菊川怜、はたまた石坂浩二の再登場もありうるのか。『ハズキルーペ』への期待は尽きない。
<取材・文/渋谷恭太郎>