事件は8月13日の午前1時20分ごろ、東京都葛飾区亀有の商店街の路上で起きた。その男は駅で見かけた帰宅途中の20代女性に欲情して後をつけ、人通りがなくなったのを見計らって襲いかかった。
「男は背後から“お姉さん”と声をかけたらしい。そして“おちん×んを触ってよ”などと言って抱きついて押し倒すと馬乗りになり、彼女の胸を触るなどのわいせつ行為におよんだ」(全国紙記者)
女性を襲ったのは東京都狛江市の会社員、信太龍也容疑者(30)。強制わいせつ致傷の疑いで警視庁亀有署に逮捕されたのは事件から約1か月たった9月19日。調べに対し、容疑を認めているという。
犯行後も舞台に立つ
「女性が悲鳴をあげると男は逃げたそうですが、犯行と逃走の一部始終が商店街や近隣店舗の防犯カメラに映っていました」(商店街の商店店主)
女性は右手の甲や右足に全治5日ほどのケガを負った。それ以上に心に負った傷の深さは計り知れない。
信太容疑者は都内の飲食店に勤務し2013年に結婚。昨年、子どもも生まれ、出産前から身重の妻に寄り添うなど仲睦まじかったという。
妻は無形民俗文化財に指定されている「里神楽」を伝承する家元の娘で、信太容疑者は娘婿にあたる。
「信太容疑者は家元の娘さんと知り合ってから神楽を始め、公演では裏方を担当したり、演者として舞台にも出ていました」(知人女性)
神楽は神道の神事で、神様に奉納するために演奏する日本古来の音楽、舞のこと。宮中に伝わる「宮中御神楽」と、全国の神社などに伝わる「里神楽」がある。
里神楽は『古事記』や『日本書紀』などの古代日本の神話を題材にし、面をつけて太鼓や笛の囃子に合わせて舞う。神社の例祭などのほか、公民館や劇場でも公演される。
演目の保存や後継者育成などにも精力的に取り組む信太容疑者の妻は一昨年、首都圏の地域情報紙のインタビュー取材に対し、《(夫は)一番弟子でもあり良きパートナー。神楽を辞めたかった時に支えになって応援してくれた》と信太容疑者を紹介している。
夫婦でプロ写真家のモデルを務めたことも。撮影時の様子を知る男性は、
「2人は着物で参加していました。信太さんは奥さんの着物を直したり、撮影の合間には子どもをあやしたり。子煩悩なお父さんって感じでしたから事件は信じられない」
知人男性によると信太容疑者はおとなしいタイプ。
「優しそうな感じです。それに姿勢がよくて顔もカッコいいから最初、役者なのかなと思っていました。仕事をしながら奥さんを手伝っていたので、いい旦那だと思っていたんですけどね」(同男性)
ところが最近、夫婦関係に大きな変化が。
妻の実家近隣に住む70代男性はこんな話を聞いていた。
「家元が“娘夫婦がこっちに帰ってきて同居するんだ”とうれしそうに話していました」
義理の両親と暮らす“マスオさん”状態に突き進んでいたという。
「取り調べに対し、信太容疑者は夜の生活に不満があったことを供述しているようだ」
と全国紙記者。
あきれるのは犯行後も何食わぬ顔で生活していたこと。
8月末には神楽の舞台に立ち、9月初めには親子3人で写真展を鑑賞したという。
娘婿の犯行をどう受け止めているのか。家元を直撃すると、自宅奥から赤ちゃんの泣き声が……。
「私たちも信じられない。弁護士を頼んで示談にするとかで……」
と、うろたえる家元の言葉を遮って信太容疑者の妻が、「お話しすることはありません」と玄関扉を閉めた。
容疑者にはどのような“神判”が下るのだろうか。