「昔から大好きな監督だったので、まさか呼んでいただけるとは」
オリジナリティーあふれる作風でファンも多い三木聡監督の5年ぶりの新作映画『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!』でヒロインを務めた吉岡里帆(25)。タイトル同様、かなり攻めたシーンにも挑戦している。
いちばんの転機とは
「ぶっ飛んだシーンのオンパレードで、共演した阿部サダヲさんと“これって、どういう意味なんだろう?”とリハーサルから笑いが止まらなかったです。
監督に“意味なんか求めていたら、面白いものは作れない”と言われ、面白さは理屈じゃないんだなって」
阿部演じるカリスマロックスター・シンと出会ったことで大きく人生が動き始めるヒロイン・ふうかを演じているが、彼女自身の転機となった出来事とは?
「地元・京都で撮影された、滝田洋二郎監督の映画『天地明察』にエキストラで参加したんです。そのときに出会った映画監督志望の大学生に“いつか一緒に映画を撮ろう”と言われ、その子に誘われて舞台に出たんです。
それがキッカケで女優を目指すようになったので、それがいちばんの転機かも」
ストリートミュージシャン役を演じるため、ドラマの撮影と並行してギターを猛特訓!
「撮影が終わってから、夜はギターの練習……という毎日だったので、クランクインまでに弾けるようになるかわからない状態でした。でも劇中で“やらない理由を見つけるな!”というセリフもあったので、とにかくやるしかないと(笑)」
劇中では『まだ死にたくない』という曲を歌うシーンもあるけど、そう思う時間や瞬間は?
「撮影が佳境に入ったときは、ここまで頑張ってきたんだから撮り終わるまでは死ねないぞ、って毎回思います。プライベートでは美味しいものを食べているとき。これを食べ終わるまでは生きていたい……って(笑)」
バク宙ができるようになりたい!
自分にとってシンのようなスター的存在は? との質問には今夏、解散してしまったガールズバンドの名前を。
「チャットモンチーさんは小さなころから聴いていたので、デビュー間もないころにミュージックビデオに出られたことが、私の自慢です。あんな小さな身体で、ガールズバンドシーンを引っ張ってきたと思うと尊敬します」
劇中には声量を広げる“声帯ドーピング”なるものが登場するが、もしも才能や魅力が伸びる薬があったら何に使う?
「いつかアクションにも挑戦してみたいので、身体能力をアップさせてバック宙などができるようになりたいです。動ける方の演技って、見ていても面白いですから。身体がものすごく柔らかくなっても面白そう(笑)」
注目の女性シンガー・あいみょんが提供した楽曲『体の芯からまだ燃えているんだ』に、撮影期間中は支えられていたと振り返る。
「若いあいみょんだからこそ書ける、ストレートな歌詞にパワーをもらっていました。元気がもらえる歌、作品になっているので、見てもらえたらうれしいです」
つい、心がヤラれてしまうものは?
「文化遺産。地元には神社仏閣がたくさんあったこともあり、お寺などに行くと、ついテンションが上がっちゃいますね。
京都にある神護寺には、国宝の仏像(木造薬師如来立像)が鎮座しているのですが、本当に美しくて、見るだけで心が洗われます」