「お話をいただいたときは、29歳で高校生役はキツイなって(笑)」
’90年代に人気を集めた、伝説のヤンキーギャグ漫画『今日から俺は!!』のドラマ版で主演を務める賀来賢人(29)。
無駄なことは何ひとつなかった
「でも今回演じる昭和のヤンキーは老け顔が多かったイメージなので、自分でもいけるかなとポジティブに考えました。
実際、現場に入ってみたら自然とスイッチが入ったので、違和感なく高校生を演じられたと思います」
しかし、お馬鹿コンビの相手役を演じた21歳の伊藤健太郎とのシーンでは、年齢差を感じたことも。
「ふたりで走るシーンがあったのですが、走るスピードの初速が違いましたね(笑)。健太郎に比べると全然足は回らないですが、普段からトレーニングはやっているので、29歳としては頑張っているほうだと思います」
コメディー作品だけに、笑いを追求する日々だが、高校時代も同じような日々を送っていたようだ。
「男子校に通っていたのですが、男子校って面白いやつがヒエラルキーの上になれるところがあって。だから毎日、面白いことばかり考えていました。あとはバスケ部の練習終わりに、みんなでグラウンドに寝そべって、夕日を見ながらくだらない話をしたり。
当時の仲間に会うと今でも青春時代に戻れますね。だから大人になってから集まっても、カラオケに行ったり、行動パターンまで高校時代に戻っちゃいます(笑)」
20代最後に、「また一緒に仕事をやりたかった」という福田雄一監督とタッグを組めたと喜ぶ。
「20代は結婚もしたし、濃い10年間でした。同世代の俳優がどんどんステップアップしていく中、焦りや葛藤していた時期もありました。でも結婚したことで、そんなことで悩んでいる時間がもったいないと思えるようになって。
いいことも悪いこともあった20代でしたが、人生・演技の勉強にもなったし、今思うと無駄なことは何ひとつなかったと思います。
福田さんとは映画『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』(’07年公開)で初めて一緒に仕事をしたのですが、その後、僕は鬱屈した日々を過ごしていたので(笑)、もう1度、福田さんと仕事をするという目標を、主演という形で20代のうちに叶えられてよかったです」
30代の目標は?
来年には30代に突入。目標を聞くと、こんな答えが。
「29歳になって思ったことは、年齢を重ねても心は17、18歳で止まったままなんだなって。だから変に大人ぶるのはやめて、役者としてはもちろん、ひとりの男性としてもカッコつけずに自然体で生きていけたら。
素直にまっすぐに生きている方って、年齢に関係なく魅力的だなって思います」
今回の作品も年齢に関係なく楽しめる、と自信を持ってアピールする。
「原作をリアルタイムで読んでいた世代には懐かしさを感じてもらいつつ、若い世代には、未知の世界のヤンキー文化が新鮮に映ると思います。馬鹿馬鹿しいことを全力で演じているので、このドラマが家族の会話の中心になってくれたらうれしいですね」
“今日から〇〇!!”と始めたことは?
身体を壊した2年前にトレーニングを始めたんです。ジムのトレーナーの方に“素質がありますよ”と褒められたのがうれしくて、“今日からケイン・コスギさんのようになる!”とトレーニングを続けています(笑)。