織田裕二の10年ぶり“月9”主演作が初回視聴率14.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)の好スタートを切った。原作がアメリカのヒットドラマで鈴木保奈美との27年ぶり共演など話題の日本版誕生の舞台裏をプロデューサーに直撃!
日本版制作に交渉7年! 織田&保奈美は“偶然”
全米で人気の弁護士ドラマが原作。英国のヘンリー王子と結婚したメーガン・マークルが出演していたことで知られる。
「7年ほど前『スーツ』の初回で(主人公の)ハーヴィーと(バディ役の)マイクが出会うシーンを見た瞬間、この作品を日本でもできないか? と思ったんです。さっそく交渉を始めましたが、アメリカサイドとの条件面をクリアするにあたり、とても高いハードルがありました。時間ばかりが過ぎ、断念すべきかもと思いました。ただ、どうしてもあきらめたくなかった。粘り強く交渉を続けていくうちに、可能性が出てきたのは2年ほど前。そして、ようやく制作が決まりました」
と、後藤博幸プロデューサー。
織田裕二が、主人公の敏腕だけど傲慢な弁護士・甲斐役を演じ10年ぶりに“月9”主演。甲斐のバディとなる、驚異的な記憶力の持ち主の天才フリーター、鈴木大貴(のちに大輔と名乗る)は、織田とは初共演の中島裕翔が演じる。
「キャスティングは、ハーヴィーとマイクの風貌に寄せるのではなく、キャラクターを表現できる俳優を考えました。そして、織田さんと中島さんしかいないと確信して打診。奇跡的に快諾していただきました」(後藤P、以下同)
甲斐が唯一、頭の上がらない上司、チカ役を演じるのは鈴木保奈美。織田とはヒットドラマ『東京ラブストーリー』以来27年ぶりの共演だが、実は“偶然”という。
「“話題作りのキャスティング?”と言われますが、恥ずかしながら、そこに考えが及びませんでした(笑)。チカの役は、原作では甲斐よりもずっと年上。でも、本作では同年代にしたいと思いました。そして浮かんだのが保奈美さん。キャラを踏まえ、ピュアな気持ちで考えているうちに保奈美さんに演じてほしい、と」
唯一、見た目が原作のイメージに近いと選んだのが、甲斐のライバル役の弁護士・蟹江役の小手伸也。
「原作のルイスは、抜群に愛すべきキャラクター。小手さんは体形も雰囲気もルイスによく似ていて、コミカルな感じも見事に表現してくれています」
“マー君”に許諾、名作ドラマを彷彿?
全員が原作ドラマのファンというキャストが繰り広げる日本版の今作。スタイリッシュな原作に負けないカッコいい街並みの映像、ウイットに富んだ会話やジョークなども見どころ。
「オフィスは皇居に近い、丸の内の高層タワーの上層階の設定にしています。原作の主人公は、マイケル・ジョーダンの顧問弁護士の設定。そこで甲斐は、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手の顧問弁護士という設定にしました。田中投手には許諾をいただいています。甲斐のオフィスには、額装したサイン入りのユニフォームが飾ってありますので、お見逃しなく」
織田は、作品についてこうコメントしている。
「弁護士ということはほとんど意識していないです。それよりも、この作品が大事にしているのは、法律事務所内での“ファミリー感”だと思っています」
後藤Pも、
「法律用語も出てきますが、説明ゼリフのオンパレードにはなっていないので、気軽にご覧いただけます。登場人物たちの心の動きや成長を描いた、壮大な人間ドラマになっていることが、いちばんの特徴です」
撮影現場は、日増しにチームワークがよくなっていて、スタッフの間では、ある疑問の謎解きに夢中。
「撮影スタジオの前室には、お菓子やスイーツ、フルーツなど差し入れがたくさんあるんですが、“織田さんは、どんな差し入れが好みなんだろう?”と。本人に聞かずに答えを見つけようとしています(笑)」
甲斐と大貴、甲斐と蟹江の絶妙なやりとり、そして気になるのは甲斐とチカ。
「ラブストーリーではないし、もちろん『東京ラブストーリー』の続編でもない。でも、見方によっては図らずもそう見えてしまう瞬間が、この先出てくるかもしれませんので、お楽しみに!」
こだわっています! 甲斐&チカのファッション
タイトルのとおり“スーツ”スタイルを要チェック!
「甲斐のスーツには、原作と共通点があります。襟の先がシャープにとがっている“ピークド・ラペル”というもので、アメリカ版のハーヴィーも、このスタイルのスーツを着用しています。そして、チカのファッションにもご注目を。日本の弁護士事務所代表がするファッションで、ギリギリありかな? と思う感じの華のあるものを選んでいます」(後藤P)
<作品情報>
『SUITS/スーツ』
フジテレビ系 月曜夜9時〜