木曜ドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』テレビ朝日系 木曜夜9時~ (c)テレビ朝日

 人気シリーズ『ドクターX』で“私、失敗しないので”と決めゼリフを吐く大門未知子がハマリ役の米倉涼子が、弁護士資格を剥奪された“失敗した女”で新境地に挑んでいる。高視聴率スタートした新作ドラマの裏側について長年タッグを組むプロデューサーが激白!

最後はVサインで終わりたいね

 天才外科医・大門未知子の活躍を描いた人気ドラマ『ドクターX』シリーズに主演した米倉涼子の新作リーガルドラマ。

私から“ぜひ新しい挑戦をさせてください”とお願いして、スタッフのみなさんと相談しながら実現しました“最後はVサインで終わりたいね”という願いを込めています。『ドクターX』のイメージを変えたくて髪も約20センチ切り、人生最短にしました」(米倉)

 主人公は、弁護士資格を剥奪された小鳥遊(たかなし)翔子。翔子はワケありの弱小弁護士事務所を立ち上げ、メンバーに檄(げき)を飛ばしながら、どんなに不利な訴訟でも“V”(Victory=勝利)のため突き進んでいく。

 翔子がかつて所属していた法律事務所の弁護士で元恋人と噂(うわさ)される海崎役を向井理、翔子のバディの弁護士・青島役を林遣都、翔子の誘いに乗り事務所代表になった京極役を高橋英樹が演じ、顔ぶれも一新。

 初回15.0%、第2回 18.1%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と高視聴率で上々の滑り出しに。

撮影開始当初、米倉さんはちょっと苦しそうでしたね。大門未知子役が長く、プライベートも未知子っぽくなっていたので、役を脱ぎ捨てるのは思いのほか大変だったようです

 ご覧になった方からは、未知子とどこが違うのか、一方で応援する声もあって賛否含めて見ていただき、ありがたく思っています。“ポチ”とあだ名をつけて連れ回し、こき使っている青島とのコンビを楽しんでいる方も多いですね」

 こう話すのは、米倉の出世作『黒革の手帖』以来、タッグを組む内山聖子エグゼクティブプロデューサー。

 組織の忖度(そんたく)や“御意”をぶち破ってきた“失敗しない女”未知子は一匹狼のように生きていたが、“失敗した女”翔子は仲間たちとチームを組み、資格や肩書がないからこそできることに奔走していく。

仕事でも社会でも人間関係でも、どんなに頑張っていても、人は失敗するもの。米倉さんには、年齢を重ねてきて失敗を乗り越える役を演じてほしいと思ったんです。

 弁護士という肩書を失ったからこそできることもあるし、周りを成長させることもできる。

 この設定には上司が率先してやってしまうのではなく、部下に頑張ってもらい、いい作品を作りたい私自身の願望も込められています(笑)」(内山EP、以下同)

弁護士役の大変さ

厳しい表情で、傍聴席から裁判の行方を見守る翔子の胸中は……  (c)テレビ朝日

 米倉は、来年放送予定の松本清張ドラマスペシャル『疑惑』で、弁護士役を演じている。

「法律用語もあって弁護士役の大変さに、本当に苦しんでいました。

 今回は元弁護士ですが、共演者の法廷シーンを見ていて“私も弁護士時代に活躍していた回想シーンがあったほうがいい?”と。つらいとわかっていても演じたいんですね

 翔子のキャラクターの一端が刑事ドラマ『現場百回』好き、鉄道好き、駅弁好き。

事件を解決しなければならないのに、つい盛りすぎました(笑)。旅情を出すためロケが多く、電車の撮影は思いのほか時間がかかりスタッフからはクレームがきています(笑)。

 撮影では、今まで年上の方との共演が多かった米倉さんですが今回、初共演や年下の方に見たことがないくらい緊張していました。彼女は堂々として見えて実は、とても人見知り。(共演者と)距離を縮めるのに時間がかかっていましたが、ロケをきっかけに信頼関係が深まってきたようです」

 現場では座長の米倉が、スタッフキャスト全員に高級うな重を差し入れ。初共演の高橋はブログで感激ぶりを紹介している。

「翔子は、裁判に勝利して大金をせしめるのが目的のように見えますが、今後、彼女の本当の目的がお金ではないことが明らかになっていきます。そして、なぜ弁護士資格を剥奪されたのか?

 元上司の天馬(小日向文世)、元恋人と噂される海崎との対決にご期待ください。さらに美奈子(菜々緒)との間にもちょっと楽しいことが起きますよ」

鎧塚刑事の正体は……
夢中になって刑事ドラマを見る翔子 (c)テレビ朝日

 翔子が夢中になって見ているのは刑事ドラマ『現場百回』。

「弁護士時代の翔子は、多忙な合間に2時間サスペンスを見るのが好きでした。主人公の鎧塚平八刑事のあきらめない精神が彼女のツボなんです」(内山EP)

 鎧塚刑事を演じるのは、あの大物俳優! 近日、誰が演じているのか明かされるので、お見逃しなく