四十九日を終えた今でも、樹木希林さんが遺した言葉は輪のように広がり続けている。
「10月29日、朝日・読売新聞の朝刊に、希林さんの言葉が並んだ2種類の見開き全面広告が掲載されました。《サヨナラ、地球さん。》、《あとは、じぶんで考えてよ。》という彼女のメッセージに、ネットには“粋だ”“永久保存です”などのコメントが多数、アップされて大反響だったようです」(スポーツ紙記者)
母・希林さんの言葉
この広告を企画した宝島社の制作メンバーは、こう話す。
「過去に企業広告にご出演いただいた縁もあり、追悼の意を込めてご登場いただきました。死生観、人生観、恋愛観、仕事観……。希林さんが残した数々の言葉をもとに、世の中に向けて、彼女からの最後の言葉として2つのメッセージを作りました。
どう生きるか、どう死ぬかについて、改めて深く考えるきっかけになれば幸いです」
希林さんの死後に公開された映画『日々是好日』で共演した黒木華と多部未華子には、言葉ではないメッセージを残していた。
「希林さんは黒木さんが通う茶道の先生役なのですが、茶道のアドバイザーに“頭蓋骨からひざまでがんが進行していて余命が年内なの”と告白。
“この映画に残されたエネルギーと時間を使っていきたい”とも言っていました。仕事に対する熱い姿勢に、黒木さんも多部さんも感動していましたよ」(テレビ誌ライター)
女優魂を見せる希林さんも、孫の前ではデレデレ。彼女が行きつけだった美容室『カットアンドカット ヒラタ』では、こんなことが。
「孫の雅樂さんがUTAとしてモデルデビューしたという記事が載っている、ウチの店に置いてあったスポーツ新聞を見つけて、“コレ、もらっていい?”と言って持ち帰っていました。お孫さんのことが本当に大好きだったんですね」(従業員)
9月30日の葬儀では、喪主で夫の内田裕也に代わり、長女の也哉子が挨拶をした。
「希林さんが亡くなったことで、也哉子さんは内田家のバランスが崩れてしまうのではないかと心配になっていたそうです。そんなとき、彼女の頭にふと浮かんだのも、やっぱり母・希林さんの言葉でした」(前出・スポーツ紙記者)
《おごらず、人と比べず、面白がって平気に生きればいい》─。
人生に立ち止まったとき、希林さんの言葉は私たちを救ってくれるはず。