週刊文春が報じた日本テレビの人気番組『世界の果てまでイッテQ!』のやらせ疑惑。
同誌内部関係者は、「記者が単独で現地に飛び、長い間取材していましたよ」と明かし、
「詳細な証言は取れているので、日テレ側が名誉棄損などで訴えてくることはない、という確証を持てる記事です」
と、自信を見せる。
他局のネガティブキャンペーン
このやらせ疑惑問題を、絶好の好機として受け止めているのは他局だ。
「とにかく尺(時間)を割いて、叩けるだけ叩け、って上から言われました。材料は週刊文春しかないのですが、ラオス現地の撮影クルーを動かして画(映像)を取ってもいいから、など、とにかくやれるだけやることになりました」
と、舞台裏を明かすのはライバル局の情報番組スタッフだ。
かくして高視聴率番組『イッテQ!』の人気企画「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」のやらせ疑惑報道は、視聴率が好調な日テレに対する、他局のネガティブキャンペーンの様相を呈してきたのである。
『イッテQ!』そのものが、芸能ニュースの祭りとなってしまったことに、日テレは番組ホームページ上に見解を載せ、対応した。
その文書を呼んだ日テレの情報番組ディレクターは、
「企画の成立についての説明が肝ですね」
と読み解く。そこに書かれていることは
《今回の企画の成立について
今回の企画は、現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はなく、また、番組から参加者に賞金を渡した事実もございません》
前出・情報番組ディレクターが続ける。
「日テレは全体として『誤解を招く表現だった』と非を認めていますが、企画の設立の説明を読む限り、日テレがいいたいことは、最終的にはコーディネート会社が勝手にやったこと、コーディネート会社の責任だよ、ということです。そもそも現地ロケに出向いたプロデューサーは、日テレ局員じゃないですからね」
トカゲのしっぽ切りだろうが何だろうが、とにかく幕引きを狙う日テレに対し、他局はネガティブキャンペーンの手を緩めない。
テレビ誌ライターが話す。
「視聴率王として君臨している日テレですが、このところテレビ朝日にあおられて焦っているのは事実です。他局の狙い目はそこ。日テレ内部でも、今回が転落のきっかけにならなければいいんだけど、と漏らす声を耳にしましたよ」
さて局内。
「こういう問題が起きるといつものことですが、社員同士はひそひそやりますが、制作会社の協力スタッフが、どうなんですかね、って冗談っぽく話題を振っても、社員が答えることはありませんよ。
社員がたくさんいる部署に近いところにいる協力スタッフは、このネタを取り上げる他局の情報番組を、わざとボリュームを上げてつけてやるんだって、言ってましたね」
日テレの狙い通りこのまま沈静化するのか。視聴率はどうなるのか。週刊文春に第2弾はあるのか。行方が気になる。
<取材・文/薮入うらら>