有村架純 撮影/廣瀬靖士

上京する前はオーディションに参加するため、地元の関西から新幹線によく乗っていたんです。でも、緊張しすぎて名古屋あたりからすでに気持ち悪くなっていて(笑)。今でも乗るたびに、そのときの気持ちを思い出します

 映画『かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発―』(11月30日[金]全国公開)で、主演を務める有村架純(25)。ドラマに映画に引っ張りだこな彼女は、今作で初めてのシングルマザー役に挑んだように、常に女優として新しい姿を見せてくれる。

夢を見てもらいたい

小さいころから映画やドラマを見て、たくさん夢をもらっていました

 現実ではありえない嘘の世界だけど、その作品の中では本当だということに、すでに夢がありませんか? “いやいや、そんなことありえないから”というようなこともたくさん起きるかもしれないけれど、見ている方に私は“夢を見てもらいたい”と思って、女優というお仕事をしています」

 有村演じる晶は、急死した夫・修平(青木崇高)の連れ子である駿也(歸山竜成)とともに、生活苦から義父・節夫(國村隼)の住む鹿児島へ。撮影もほとんどが鹿児島で行われ、

「竜成くんはさつま揚げが好きみたいで道の駅で買ってきたり、國村さんも食べることが大好きで、撮影後に毎晩美味しいお店に行けて楽しいってお話ししていて。私も、かしわ(鶏肉)のお刺身やお鍋などをいただけて本当に美味しかったです!

 あと、いつも現場が続くと食がおろそかになりがちなので、撮影が終わったら気心の知れた友達とご飯に行くようにしています。今回は、ドラマ『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』('16年放送)のみんなと行きました♪」

 作中には、晶が思い悩み、どうしていいかわからなくなったときに訪れる“思い出の場所”があるが、

「私にとっては、ノルウェーとフィンランド。20歳のとき、お仕事で初めて行ったんですが、当時は自分に嫌気がさして、悩んでばかりいる時期で。

 そんなときに、初めて広い世界を見て、20歳という一生に1年しかない年に海外で年越しをさせてもらえて、オーロラも見られて“なんて恵まれているんだろう”って改めて気づかせてくれた場所なんです」

 そして今年、4年ぶりに“原点の地”へ――。

「『ひよっこ』が終わって、いろいろなものをリセットする意味で4年ぶりに行ったら、すごく感慨深くて。たった4年の中で流れる時間はとても早く、経験することも、考えることもたくさんあって

 さらに『ひよっこ』が終わったばかりでカラカラになっていたので(笑)、思い出の地で原点回帰することができました

『かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発―』
(C)2018「かぞくいろ」製作委員会