霜降り明星 せいや(左・26)粗品(右・25) 撮影/吉岡竜紀

 結成15年未満による漫才日本一決定戦『M―1グランプリ2018』(テレビ朝日系)で、4640組の頂点に立った霜降り明星。

 平成最後の大会となった今大会。ボケまくるせいやを、短いが的確なワードで次々とツッコんでいく粗品という新感覚漫才で、初の平成生まれコンビにして番組史上、最年少の優勝者に。

 関係者によると「昨日の深夜の段階でオファーは60本。今もマネージャーの電話は鳴りやまない」状態。そんな2人に、大会翌日に直撃!

せいや「優勝後、LINEは400件ぐらい届きましたね」

粗品僕は401件ぐらい(笑)

せいや「そこ張り合わなくても(笑)。中でもうれしかったのは、2016年『M-1』チャンピオンでもある銀シャリの橋本さんの“お前ら天才だな、うらやましいわ”というメッセージ。この言葉にはグッときました。

 敗者復活から勝ち上がって、決勝で一緒に戦ったミキの亜生も“ほんま、おめでとう!”って喜んでくれて……本当、いい奴ばかりです」

粗品銀シャリの鰻さんからは“これからが勝負やな!”って、応援のメッセージが届きました。敗者復活で負けてしまった、からし蓮根の2人は仕事がないころから一緒にやっている仲間なのですが、ともになかなか結果が出なくて。

 毎回悔しい結果になっていたので、“俺ら、チクショーしか言ってない。『お笑いチクショー道』だな”って言っていたんです。でも昨日、そんなからし蓮根から“『チクショー道』完結したね”と届いたときはウルっとしました」

 番組では1位から3位までを視聴者が予想する企画も行われていたが、霜降り明星は初出場ということもあり、優勝予想では10組中6位というダークホース的扱いだった。

せいや「今年は視聴者の方への顔見せぐらいのつもりで臨んでいたんです。力が入りすぎていないのがよかったのかも」

粗品「(昨年から導入された出番順を決定する)笑神籤(えみくじ)で、最初に引かれたのが見取り図さんだったのですが、文字の組み合わせ的に一瞬、僕らに見えて。初出場なのに、トップバッター? と、あの瞬間は冷や汗が流れました。でもそれ以外は、あまり期待されていなかった分、プレッシャーは感じなかったです」

せいや「まさか優勝すると思っていなかったので、大阪の家で鍋の仕込みをしてきたまま出てきちゃったぐらい(笑)。おかげさまで今日だけで13本ほど仕事をいただいたので、鍋の具材が腐らないか心配です」

粗品仕事のことを心配しろよ!

お笑い界に“新しい波”が到来中

 本番終了後にサントリー公式YouTubeで放送された『M-1打ち上げ』では、舞台に上がった瞬間、“スーパーせいや人モードに入った”と語っていたが……。

せいやすごく緊張しているはずなのに、無意識でやっていたのかなってぐらい、本番中の意識がないんです。まるで自分じゃないような感覚でした

粗品「僕は途中で声が飛びかけたので、のどが持つかだけが心配で。ネタ中は“最後のボケまで、声持ってくれ!”ということだけ願っていましたね」

優勝賞金1000万円を手にした霜降り明星 撮影/吉岡竜紀

 初の平成生まれ『M-1』覇者ということも話題だが、実は昨年12月に開催された『女芸人No.1決定戦 THE W』のゆりやんレトリィバァ、『R-1ぐらんぷり』の濱田祐太郎、『キングオブコント』のハナコ(菊田のみ、昭和62年生まれ)と、平成生まれが賞レースを総なめ。

 濱田以外は8年に1度放送されるフジテレビの若手芸人発掘・育成番組『新しい波』のメンバーにも選ばれていただけに、まさにお笑い界に“新しい波”が到来!

せいや「平成生まれがこれだけ賞レースで優勝したのって、過去なかったですよね? ハナコは事務所は違いますが同期なんです。だから優勝したときは興奮しすぎて、ずっとシャドーボクシングをしていたぐらい(笑)。そんな近い存在たちの活躍は刺激になりました」

粗品番組の『新しい波』は終わってしまいましたが、同じ世代でまた何か一緒にできたらいいですね

 仕事も殺到中で収入も大幅にアップしそうだが、プライベートでやってみたいことを聞くと意外な答えが。

粗品オーケストラをやりたいですね。音源を打ち込む機材が100万円ぐらいするので今までなら手が届かなかったのですが、賞金もあるので暇ができたら購入して音源制作をしたいです」

せいや実は高校時代にいじめられていた過去があって。僕自身はつらい思いをギャグなどにすることで跳ね返せたのですが、当時の僕のように悩んでいる子も少なくないと思うんです。だからいじめ体験を本にまとめて、無料で小学校などに配布して、ひとりでも多くの人に読んでもらいたいです

粗品優勝賞金などたくさん特典はありますが、いちばんのご褒美は『M-1』に向けてネタを作らなくていいことかも。これまでは空いている時間はすべてネタづくりに費やしてきたから、これからの休日が楽しみです(笑)」

 ブレイクすると週刊誌に狙われる可能性もありますが、2人は大丈夫?

せいや「独身だし、まじめなお付き合いしかしていないので、そこは大丈夫です!

粗品「ギャンブル全般好きですが、僕がひとりでパチンコ店や競馬場に通っているぐらいじゃネタにならないでしょうしね……(笑)。ただ週刊誌は怖いイメージしかないので、お手やわらかにお願いします!

<プロフィール>

写真左・せいや。ボケ担当。右・粗品。ツッコミ担当 撮影/吉岡竜紀
 2013年コンビ結成。現在、『霜降り明星のだましうち!』(ABCラジオ)。『まちけん参上!』(NHK大阪)ほかに出演中。また所属するよしもとが手がける新スポット『 SAKUYA LUMINA(サクヤルミナ)』が、大阪城公園内に12月15日にオープン!