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 来る2020年・東京五輪で、マラソン代表選手を選考するために設けられたのが『マラソングランドチャンピオンシップ』(MGC)。代表3枠のうち2枠が決まる一発レースが'19年9月15日に開催される。

 MGCの出場権を獲得するには“MGCシリーズ”、もしくは“ワイルドカード”の2パターン。いずれも指定の大会で、規定タイムや順位をクリアした者のみに与えられる。その厚い壁を突破し、代表候補に名乗りをあげているランナーは21名(※12月14日現在)。なんと、うち18名が学生時代に箱根路を駆け抜けている。いま、代表の座に最も近いのは? 

5大有力候補を解説!

箱根駅伝を走ったMGCファイナリスト一覧 ※拡大写真は写真ページにて

 箱根駅伝に2度の出場経験がある、俳優の和田正人さんに聞いた。

「大本命は、大迫傑選手(ナイキ・オレゴン・プロジェクト/早大)です。10月の『シカゴマラソン』で2時間5分50秒の日本新記録を樹立。ストイックさ、負けず嫌いさなど、日本にいたときからの群を抜く素質に加え、渡米して最先端の環境に拠点を移し、さらに走りに磨きがかかりました。

 とにかく勝つこと、外国人に負けないこと。その意識が全然違う。日本記録保持者であること以上に、それが彼の強さです」

 次に和田さんが挙げたのは、井上大仁選手(MHPS/山梨学院大)。

8月の『アジア大会』で見事、金メダルに輝きました。勝ちを狙いに行き、実際に勝った。そういう強さがありますね。瀬古利彦さんや宗茂さん・猛さんがやってきたような、距離を走る練習をする“ザ・日本のマラソンランナー”って感じの選手です」

 2月の『東京マラソン』で16年ぶりに日本記録を更新した設楽悠太選手(Honda/東洋大)は?

「その大会でスネを疲労骨折したんですよね。12月2日の『福岡国際マラソン』では4位。故障で走れない時期があったので、感覚を取り戻すためのレースだったはず。彼は感覚派のランナーなので、走ることで調子を戻してきていると思います。楽しみですね

 さらに、藤本拓選手(トヨタ自動車/国士舘大)もおもしろい存在だと話す。

「外国人だらけの『シカゴマラソン』で2時間7分台。粘れる強い選手ですよ」

 さらに『福岡国際マラソン』で14年ぶりの日本人優勝を果たした服部勇馬選手(トヨタ自動車/東洋大)らも、続々と出場権を獲得している。箱根駅伝から東京五輪へ羽ばたくのは!?


《PROFILE》
和田正人さん ◎日大で2度箱根駅伝に出場。4年次は主将。NEC陸上部を経て俳優に。ドラマ『陸王』、舞台『光より前に〜夜明けの走者たち〜』など、その走りを生かした出演も多数