2019年1月2・3日。第95回箱根駅伝の号砲まであとわずか。
優勝候補の筆頭は、2015年から王者に君臨し続ける青山学院大学。史上3校目となる5連覇を達成するのか。さらに史上初となる“2度目の大学駅伝3冠”をやってのけるのかに注目が集まっている。
同大学の原晋監督(51)は例年以上に自信に満ちあふれている。その鼻息は読売新聞社前から芦ノ湖まで届きそうな勢いだ。
“アチチ、アチ”と燃えたぎる青学
まずは12月10日。『第95回箱根駅伝 監督トークバトル』(東京・恵比寿ガーデンプレイス)では、恒例となった作戦名を高らかに発表。
「監督就任15年目です。箱根駅伝95回大会です。5度目の優勝。キーになる区間は5区。ライバルチームはゼッケン5番の東海大学かな。私たちは、“アチチ、アチ”と燃えております。郷ひろみさん……じゃないですが、名付けまして『ゴーゴー大作戦』です」
郷の代表曲であり、2018年の大晦日『NHK紅白歌合戦』でも披露する『GOLDFINGER'99』に引っ掛け、ご満悦。
12月13日に同大学で行われた壮行会&取材会でも、今回のチームを「史上最強軍団」と紹介。「間違いなく、みなさんにいいご報告ができるのでは」と優勝宣言している。
そして12月29日、区間エントリーが発表された。
前回大会では2区で区間賞。主将でエースの森田歩希選手(4年)は、なんと補欠にまわった。左の股関節に故障を抱えているという。ただし、当日のエントリー変更は両日で4人まで、“補欠とエントリー選手の入れ替え”に限り認められている。
原監督は「主将がアンカーでテープを切ったらハッピーですよね」と復路での起用を示唆したが、果たして。当日、あっと言わされる采配があるかもしれない。
小野田勇次選手(4年)は4年連続の6区。前回、区間記録まであと2秒という好走で、前を走る東洋大学を逆転し、区間賞に輝いた。前回7区で区間新記録を樹立し、MVP(金栗四三杯)に輝いた林奎介選手(4年)も、再びの7区に配置されている。
「森田以外の15人は誰を使ってもいい状態。森田任せでなく、みんなで盛り上げていこうという雰囲気になっている。前半は混戦になるだろうが、2分差までなら5区の竹石尚人(3年)で追いつける。アクシデントがなければ、ほぼ勝てる。ゴーゴー指数は125%!」
彼らは“青山メソッド”の申し子
原監督に悲壮感はまったくない。それほどまでに“史上最強軍団”への信頼は揺るがない。
「実は、今の4年生が入学してきたときは、不安のほうが大きいというのが正直なところでした。“4年後は大丈夫かな”という」
当時の4年生には、3代目山の神・神野大地さん(セルソース)や久保田和真さん(九電工)らがいて、走りにおいても、性格面でも華やかだった。
「そんな中で彼らは地味な学年で、実際にタイムも遅かった。ただ、“負けたくない”“強くなりたい”とコツコツやる性格の子が多かった。結果として、青山学院で正しい知識と正しい手順を踏み、4年間頑張っていけば伸びること証明してくれた世代だと思う。いわば、私が就任から15年をかけて完成させた“青山メソッド”の申し子です」
原監督は、史上最強軍団たるゆえんをこのように説明する。
「1年間を4期に分けて、1〜3月のハーフマラソン、4〜6月の5000メートル、7〜9月の夏合宿、10〜12月の1万メートルや強化合宿の消化率をデータ化しました。過去4年のデータと比べてみると、今回がいちばん数字がいい。あとは、経験値。山上り、山下りなど、前回の優勝メンバー10人のうち7人が残っている。
これらをトータルでデータ化したときに、史上最強軍団だなと。何度も言いますが、今回の4年生に派手さはありませんが、“みんながエース”に成長してくれた。そこに今のチームの強さがあると思っています」
3冠5連覇を成し遂げたら、選手たちにどんなご褒美をあげるのかと尋ねると、
「今回は“5”にかけていますので、優勝したあかつきには、郷ひろみさんに来ていただきたいですね。そして、みんなカレーが好きなので、『ゴーゴーカレー』さんから差し入れとか。あと、洋服が好きな子もいるので、『五大陸』さんにサポートをしていただけたらなぁと(笑)。
5がらみで何かいいことがあるように、頑張っていきたいです。私からは、優勝したときに決めたいと思います」
ご指名のみなさま、ぜひご注目とご検討のほどを!?