超カンタン! 運動が苦手な人にもおすすめの、糖尿病予防に有効な筋トレがいま話題です。
週2回でも効果がある“新”筋トレ
糖尿病の人はこれまで、血糖値を下げる方法として、ウォーキングなどの有酸素運動や、筋力トレーニングなどが推奨されてきました。
「有酸素運動は週5回30分ずつ、筋力トレーニングなら週3回45分ずつが理想的なのですが、実際は時間がとれず、長続きしない人が多いです」
と話すのは、糖尿病が専門の、京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室長の坂根直樹さんです。
最先端の科学とユニークな実験で日常の疑問を徹底的に調査するNHKの人気番組『ガッテン!』では、近年、糖尿病の新しい運動法として脚光を浴びている「ピンク筋」に着目したトレーニングを紹介しました。
「ピンク筋」という筋肉を増やす運動をすると、血糖値を効果的に下げられることがわかってきたのですが、その運動、とても簡単で、しかも週にたった2回でも効果があるのです!
実際、糖尿病の入院患者62人に8週間続けてもらったところ、ほぼ全員の血糖値が低下しました。
増やすなら「ピンク筋」!
筋肉は筋線維の束でできていて、赤筋・白筋の2種類があります。
「ピンク筋」トレを繰り返し行うと、白筋内にミトコンドリアが増えてピンク色になり、白筋が持つ糖を消費する力に、ミトコンドリアの脂肪を燃焼する力が加わり、ダブルの効果が!
■糖と脂肪をダブル消費するピンク筋
白筋が変化してピンク色に見える中間筋。白筋と赤筋の中間的特徴がある。正式には「2a」や「FTa(Fast Twitch a)」と呼ばれる筋肉。
■脂肪を消費する赤筋(せっきん)
持久力に優れた筋肉で、有酸素運動や姿勢の維持などに使われている。「遅筋」とも呼ばれる。
■糖を消費する白筋(はっきん)
短距離走や重量上げのように、瞬間的に大きな力を出すときに活躍する筋肉。速筋とも呼ばれる。
「ピンク筋」トレでうれしい報告が!
番組では福島県郡山市の「うさみ内科」を取材。血糖値が改善したおふたりを紹介しました。
「週3回のウォーキングは忙しくて続けられませんでしたが、週2回の“ピンク筋”トレに変えたら、3か月で正常値に(142mg/dl→86mg/dl)。体重も80kgから74kgへと6kg減り、ポッコリお腹もスッキリしました」(関根豊さん/63歳)
「3年前に重度の糖尿病だと診断されましたが、“ピンク筋”トレを始めたところ2か月で330mg/dlから160mg/dl以下にダウンすることができました」(小賀坂一隆さん/46歳)
食べても血糖値が上がりにくい!
「ピンク筋」を増やすには「ピンク筋」スクワット(写真参照)がおすすめ。10秒かけて腰を落とすと筋肉量の多い下半身に負荷がかかり、「ピンク筋」を効率的に増やせます。ポイントは急がずにゆっくりとした動作で行うこと。
これを週に2回、継続して行うと、次第に「白筋」と呼ばれる筋肉の細胞の中に赤色のミトコンドリアという器官が増え、細胞がピンク色に変わっていきます。
「筋肉内に『ピンク筋』が増えれば、糖と脂肪の両方を効率よく消費できる身体に変わっていきます。食事をしても血糖値が上がりにくくなり、体重を減らす効果も期待できますよ」(坂根さん)
血糖値が高めでお困りの人は、ぜひお試しください。
【注意】
・ひざの悪い人、高血圧などの持病がある人は医師と相談のうえ、行ってください。
・痛みを感じたらすぐに中止してください。
・足腰に不安がある人や運動が苦手な人は、後ろに安定のいいイスを置き、前にテーブルやイスを置いて支えにすると転倒予防になります。
◎監修/坂根直樹さん(京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室長)
総合テレビ 毎週水曜 午後7時30分~8時15分
総合テレビ 毎週土曜 午前0時25分~1時10分(再放送)
【1/23放送】世界が効果を証明!ハリ治療のナゾ徹底解明SP
実は今ひそかなブームになっているハリ治療。今回ガッテンは、ハリの本場・中国に潜入して「ツボ」の正体を徹底解明。痛んだ人にだけ現れる「あるもの」を直接刺激できることが、ハリの効果の秘密だった!
【1/30放送】患者1330万人!「慢性腎臓病」治療大革命SP
「新たな国民病」とも呼ばれる慢性腎臓病に朗報が! なんと、これまで「制限」されてきた運動が「推奨」に大転換されたのだ。番組では「どんな人に」「どんな運動」が推奨されるかに至るまで、最新情報をお伝えします!
【2/6 放送休止】
※タイトルはすべて仮です。放送は変更になることがあります。