石田純一とROLAND

 いつだって話題の中心だった石田純一さん。そして今、その立ち居振る舞いや名言の数々で話題の中心となっているカリスマホストのROLANDさん。当代きっての“色男”ふたりが混迷の現代に活を入れ、世の中を変える!? 名言連発の特別対談、読まないわけにはいきませんよ!

 最近も、長男が最難関私立小学校に合格するなど、常に話題に事欠かないのが石田純一。そして、その類を見ない言動でホストという枠を超え現在、注目を浴びているのがROLAND。実はこのふたり、数年前から知り合いで、お互いをリスペクトしあう仲だったとか。

 きらびやかであり続け るふたりのモテ男が、女性の魅力から男の学校作りまで人生の真実を語り尽くす!

  ◆ ◆ ◆

ROLAND(以下・R):最初に石田さんとお会いしたのは、俺がロールスロイスを納車したとき。颯爽と現れて、バラの花束を渡されたんですけど、「さすが、元祖色男は違うな」と感銘を受けましたね。

石田:ハハハハハ! 演出は何歳になってもできるからね。でも、バラの花束以上にROLANDのほうが華があって驚いた。知り合いの宝石商から、「石田さん、ROLANDに会わせてください」って言われたときは、彼が宝石のようにまばゆい存在なんだと再認識したくらい。

R:昨年末に男性専用の脱毛サロンをオープンして、ますます自分を磨いていますからね。俺が何カラットの男なのか、ぜひ鑑定してほしい(笑)。

石田:言うなぁ。ローランドは、その若さですでにたくさんの女性と出会ってきたと思うけど、魅力的な女性に共通している点って何だろう?

R:素敵だった女性たちって、「素敵」としか言いようがないんですよね。“説明できる好き”が、“心からの好き”にはかなわないように。

石田:説明できる好きはダメ!?

R:好きって感情は、どこまで掘り下げても好きしか出てこない。「○○だから好き」といった理由ありきの好きよりも、俺は「理由がないけど好き」のほうが尊さを感じます。ですから、魅力的な女性に共通しているのは、魅力的としか言いようがないんですよね。

石田純一

石田:たしかに……。平成も終わるから、心置きなく色男のバトンを渡せるなぁ(笑)。僕なんか、あまたのダメだった恋愛が、今の自分を作ってきたと思うから、ROLANDの格言を聞くとハッとする。

R:そんなふうには見えないのに、意外ですね。

石田:ダメだったとしても、どうせだったら素敵な恋をしませんか……ちょっと自分に都合のいい感じで言っているけど、そういう気持ちのほうが強かった。自信があるようでない。でも、好きって感情は勝手に湧いてしまうものだから、自分には正直だったかな。

R:なるほど。

石田:身を焦がすような恋があってもいいと思うし、 光のような照らし輝く愛もあってもいい。

 僕の場合、相手の年代やタイプによっても、好き、素敵という感情が変わってくる。だんだんわけがわかんなくなってきて、最終的に「不倫は文化だ」みたいなことを言っちゃったんだけど(笑)。

R:ハハハハハ! でも、話を要約された結果、まるで石田さんが「不倫は文化だ」と発言したようになってしまったんですよね!?

石田:うん。でも、話した内容はそのとおりだからね。

R:認めると(笑)。

石田:それでもうOK、ハハハ! 結婚って恋愛の到達点ではあるけど、結晶だとは思えないんだよね。結婚って新しい出発点でもあるわけだから、決して結晶ではないと思うの。

R:深いですね……。俺の発言もよく話題になるけれど、「不倫は文化だ」のような時代を越えて残り続ける言葉を紡いでいかないといけないなぁ。

自分への自信こそ魅力とモテの大前提

石田:でもさ、たくさんの女性に会うって大事だよね。同性にも言えることだけど、たくさんの人と出会うことは、それだけ自分の可能性を広げるんだから。

R:俺もそう思います。自分に自信を持つためにも必要なこと。

石田:出会いが増えると、単純にキレイとかカッコいいだけじゃない価値観があることがわかる。その人が持っている個性や魅力に気がつく力が養われるというか。それこそROLANDなんて個性の塊だよ。

R:顔がどうだとか、太ってるだの貧相だのとか、自分に魅力がないのを自分の身体のパーツのせいにする人もいるけど、フィギュアスケートとは違うんだから、人間の部位の善しあしを数値化するように評価するってナンセンスだと思うんですよね。そんな暇があるんだったら、自分を好きになるために頭と時間を使ったほうがいい。本を読んだり人に会ったり、エステやジムに通えばいい。魅力的な人って、自分に自信がある人たち。それが個性につながる。

ROLANDプロデュースのメンズ専用脱毛サロン

石田:だよね。周りからの評点を気にするよりも、個性を大事にして、自分に自信を持ったほうが有意義だよな。

R:自分を表現することの大切さですよね。俺は“NOが言えないやつのYESに価値はない”と思ってるんですよ。

 例えば、女性と食事に行くとする。「どこに行く?」と聞いたときに、「何でもいい」と答える女性と、「○○と△△以外がいい」と答えた女性ではまったく印象が違うんですよ。料理が運ばれてきて、「これ美味しい!」と女性が喜んでいる姿を見たとき、嫌いなものを伝えてくれた女性の「美味しい」は、とてもうれしく感じてしまう。NOがあるからYESに価値が生まれる。

石田:なるほど。ささいな自己表現かもしれないけど、受け取る側の印象はまるで違うね。

R:変に遠慮しないで、自分を表現してほしいんですよね。でも、自分に自信がないとなかなかNOって言えない。だからこそ、自分を好きになることが大事なんですよ。

モテ紳士養成学校が必要だ

石田:そういう美意識は大切だね。内面の美意識を作り上げていくためには、外面の美しさや清潔さも必要になる。両輪がそろってこそ、より魅力的な男性になるからね。ROLANDはそういう男性をどんどん輩出していきたいわけでしょ?

R:そうですね。日本には花嫁学校やマナースクールはあったけど、ジェントルマンを育成する機関がないんですよ。

石田:言われてみれば、イギリスなどにはあるのにね。

ROLAND

R:ホストクラブは、ビジネスモデルとして利益を上げるために存在していますが、その一方で、ひとつの教育機関として紳士を養成する専門学校のような存在としてブラッシュアップできないものかと。俺がそんなホストクラブを創設したら、石田さんに名誉顧問をお願いできないかなぁと。

石田:ローランド校長、石田純一名誉顧問! 僕もこの年になって子育てを再び体験させてもらって、たくさん学びの機会がある。

 60歳を越えた人間が何を伝えていけるかは、大きなテーマなんだよね。変な話かもしれないけど、自分が衰えていく姿をしっかり子どもに見せることも大事なことって思ってるんだ。紳士育成機関が誕生したら、老いの美学みたいなことは教えられるかも。

R:いやいや、まだまだ石田さんにはカッコいい男の姿を見せてほしいですよ。

石田:それこそROLANDのサロンに通っちゃうかもな。未来を売って現在を買うというような選択ではなく、美には継続性が必要だからね。今だけを光り輝かすための美しさではなくて、常に自分をアップデートし続けられるような美しさのためには何が必要かを考えないとね。

R:石田さんに言われると気が引き締まります。

石田:僕も、“老兵は死なず”の精神でまだまだチャレンジしたい。このまま死んでしまったら、ただのにやけたおっさんで終わっちゃうかもしれない(笑)。ROLANDには、新しい時代の“モテる”の定義を作っていってほしいね。

R:おそれ多い。石田さんはトレンディードラマで社会現象まで生み出してますから。社会現象を生み出した男ってカッコよすぎでしょ(笑)。

石田:ハハハ、懐かしいなぁ! でも、ROLANDも近い将来、きっと何かを生み出すんじゃない?

R:ティファニーブルーという色があると思うんですけど、俺はローランドゴールドという色の呼び名を浸透させたいですね。

石田:ROLANDの髪の毛の色のような!?

R:まさに。美容室に行って、「ローランドゴールドでお願いします」、ファッションの世界で、「来季のカラーはローランドゴールドでいこう」というような新しい定義を生み出そうかなと。

石田:そういうことを即答できるんだからすごいよなぁ。それだけ自信があって、常に考えているということだから、安心して次世代の色男のバトンを渡せる。

 時代に翻弄されることなく、時代をリードするような人になってね。

R:任せてください。歴史の教科書に登場するくらいの気持ちで引っ張っていきますから。ハハハハハ!

石田:ホント、頼もしいよね!

石田純一×ROLAND

<プロフィール>
ROLAND◎1992年東京都生まれ。大学を中退し18歳でホストデビュー。歌舞伎町のホストの記録を次々に塗り替え伝説のホストと呼ばれるも、2018年をもってホストを引退。現在は、実業家、コラム執筆、タレント活動など多彩な才能を発揮。

石田純一◎1954年東京都生まれ。俳優。早稲田大学商学部中退。『あめりか物語』(NHK)でデビュー。『抱きしめたい!』(フジテレビ系)、『想い出にかわるまで』(TBS系)など数々のトレンディードラマに出演しブレイク。

<取材・文/我妻アヅ子 撮影/佐藤靖彦>