嵐の活動休止に際し、ジャニー喜多川社長は、
「僕が決められるものではないだろうし、みんなで決めていくものだと思う。その中で20年という年月をよく頑張ってくれた。ありがとう」
と感謝してくれたと、活動休止発表会見でリーダーの大野智が明かした。
辞めていった人への言葉
「今回は、誰かの脱退や退所などではなく、グループの活動休止ではあるのですが、基本的に、去る者は追わずというジャニーさんらしいアッサリさを感じました」
というのは、ジャニーズに詳しいある芸能ライター。さらに続ける。
「今回の嵐への『ありがとう』のように、基本的にジャニーさんは感謝の意を表します。悲しんだり残念がったりはしないです。2016年のSMAP解散の際には、グループ名をもじり、『素晴らしい(S)・メモリーを(M)・ありがとう(A)・パワー(P)』という、ジャニーさんにしか出せない、謎センスのエールで送り出していますしね」
そして、SMAPのメンバーへの後押しと応援をしていくつもりだと続けた。
14年に退所した赤西仁の場合は、電話などで直接話をしていないとしたうえで、
「自分のやりたいようにやるのが当然だと思います」
と、海外で活躍したいという赤西の意思を尊重した応援コメントを発表した。
また、昨年、元関ジャニ∞の渋谷すばるが海外を拠点に音楽活動をしたいため退所するという決意を伝えた際にも、赤西同様「そう決めた以上は応援するしかないので、がんばりなさい」と、エールを送っている。
渋谷すばるの脱退会見から約半年、10月にKing & Prince岩橋玄樹が、そして11月にSexy Zoneの松島聡が、パニック障害を理由に活動休止を発表した。舞台出演や紅白歌合戦に出られない彼らへ、ファンからは心配とともに残念がる声が多くあがった。
ジャニー社長にも、その声は届いていたようで、
「そう思ってもらえるタレントも幸せですよね。早くよくなってほしい」
と優しい視点でコメント。そして昨年のビッグニュースとなった、タッキー&翼を解散し、芸能界を引退してジャニーさんの“後継者”になると宣言した、滝沢秀明の決意には、
「『ジャニーズJrたちの育成で、ジャニーさんを手伝いたい。』と言ってくれた時、私は驚きと共に嬉しくて涙がこぼれそうでした。このような決断をしてくれた滝沢には心より感謝しています」
と、これまでにない喜びを表している。前出のライターは言う。
やっぱり、アッサリ!?
「もともと所属タレントは、全員わが子同然と考えているジャニーさんですから、基本的に優しさに満ちています。いっぽうで、デビューしてしまうと、ごく一部のタレントをのぞいては、娘を嫁がせた親のような雰囲気も感じることがあります。
もちろん、ずっと応援し続けていく気持ちには変わりありませんが、嵐のようにデビューして一人前になってしまうと、自分のもとから巣立ったような感覚もあるようです。そのため、関心が薄くなるというか、次の若手タレントに興味が移るようなところはあります」
その背景には、やはり同じ方向を向く、タッキーの存在も大きいよう。
「とにかく今は若手Jr.の育成と成長が楽しくて仕方ないのでしょう。ファンに“兄組”と呼ばれる成人Jr.のプロデュースをタッキーにまかせ、ジャニーさん自身はJr.の中でもさらに10代に絞り込んで情熱を注いでいるようですね」
1月30日、自身が製作総指揮を務める『映画 少年たち』の完成披露試写会の前に、ジャニー社長がスポーツ紙の合同取材に応じたという。嵐について聞かれたジャニー社長は、
「20年よくがんばってくれました。僕は嵐についていきます」
と、コメントした。
「やっぱりアッサリでしたね(笑)。かつて嵐が紅白に初出場したときに、同時に初出場となったNYCに夢中で、嵐そっちのけのだったことを思い出してしまいました」(前出・芸能ライター)
嵐の活動方針に関しては、ジャニーさんはほとんど把握していないのではという噂もある。嵐とジャニーさんは、比較的ドライな距離感を保っているのかもしれない。
<取材・文/渋谷恭太郎>