「私がこれまで演じてこれたのは、その中に幸せがあるから。もちろんつらくて苦しいこともあります。でも、苦しむからこそ楽しさもあって。例えば舞台やドラマでは、稽古や準備の段階で苦しんだほうが本番で100倍楽しく感じられる。だからつらくても、苦しくても、私は演じ続けてきたんだと思います」
プライベートで座禅に挑戦!
26年連続で連ドラに出演、クールな女性から可愛らしい役柄まで幅広いキャラクターを演じてきた稲森いずみ(46)。昨年も仕事で大忙しだったというが、プライベートの時間も大切にしているようで、
「習い事を始めたんです。何かモノづくりをしたくて。まだ教室には入っていないんですが、ステンドグラス作りを始めました。去年はほかにもいろんなことに挑戦しましたね、座禅とか(笑)」
と、意外な一面をのぞかせる。そんな彼女の2019年一発目となる出演作は『連続ドラマW それを愛とまちがえるから』。本作ではセックスレスに悩み、元カレと“マジメに一生懸命な不倫”をする専業主婦をコミカルに演じている。
「撮影中に笑いをこらえる現場って、久しぶりだな~って。コメディー作品は久々で、すごく楽しかったです。私が演じた伽耶さんはすごくマジメでちょっと不器用。
旦那さんと“別れよう”って決意もするんだけど、結局いい夫婦でなんだかんだやっぱりお似合い。自分で演じていて、うまくいってほしいなって思っていました」
いわゆる不倫ドラマではあるが、ドロドロではなくストーリーは軽やかで痛快。登場人物たちの“人間くささ”がなんとも愛おしい。
「相手に対してどうしてこんなことをしちゃったのかなとか、あとちょっと素直になれたらよかったんじゃないかなとか。そういうことを考えさせられました。カッコつけず、素直に思いを伝えることって大事だなと。
私は若いころ、相手に素直な気持ちを伝えられませんでした。でもいつからか、きちんとそれができるようになって。そのほうが私にとってもみんなにとっても幸せだってことがわかったんです」
人付き合いで大事にしていること
そんな稲森には、さらに人付き合いで大事にしていることが。
「相手に感謝することです。感謝を周りになるべく伝えるようにしています」
それは母親からの教えだったそうで、
「例えば相手に思いがうまく伝わらなかったり腹が立ったりしても“まずは『ありがとう』って5回、口に出して言ったらいいよ”って。それで意識し始めたんですけど、そうしているうちに本当に小さいことにまで感謝できるようになったんです。
次第に怒ることもなくなって、気持ちがラクになって。本当にいい言葉をもらいましたね」
理想の夫婦って?
「今回演じてみて、夫婦っていいなと。長く一緒にいるからこそ、阿吽の呼吸というか、お互いの性格や好き嫌い、家族のことまでちゃんと分かってる。結婚願望ですか?あると言えばありますし、ないと言えばないかな(笑)でも理解し合えている相手というのは、すごく大切な存在だと思います」
2月9日(土)スタート毎週土曜夜10時~ ※第1話は無料放送
井上荒野原作の同名小説を連続ドラマ化。セックスレスになってしまった夫婦の行く末を笑いあり、涙ありで描いた新感覚のラブコメディー。出演は稲森いずみ、鈴木浩介、仲里依紗、安藤政信ほか