芸能人が何かトラブルやそれに準ずる騒ぎを起こした場合、その後、初めて登場する公の場で取材陣の質問攻めにあうのが芸能人と芸能メディアの長年の“お約束”だが、女優の松岡茉優(23)は幸運だった。
スポーツ紙はガードする立場
今週発売の『週刊新潮』が、昨年11月に追突事故を起こしていたことを記事化。保険会社のCMにも出演している松岡がなぜ公表しなかったのか、とつついた記事だった。当然、スポーツ紙も記事の大小の違いはあれども後追いするところ。
ところが今回は、その動きが鈍かった。
「もちろん、所属事務所には確認の電話をしました。先方は『書かないでほしい』とは言いませんでしたが、スポーツ紙の良心に任せるしかないという、期待を口にしていたそうです」
と情報番組デスク。事実、後追い記事を載せないスポーツ紙もあった。
実はスポーツ紙には、松岡をちょっとは気遣わねばならない事情があった。週刊誌の発売直後に『ブルーリボン賞』の授賞式があったからだ。
在京スポーツ紙の映画担当記者が選考を務める『ブルーリボン賞』。助演女優賞を受賞した松岡も、授賞式への登壇が控えていたからだ。
「通常なら質問攻めにあうところですが、今回は質問するスポーツ紙が主催者側で、登壇する芸能人をガードする立場ですから、質問される心配はないわけです」(前出・情報番組デスク)
かくして松岡は、舞台を降りる際に突然声をかけられるような事態にビクビクすることなく、授賞式に終始笑顔で出席することができた。
「だからというわけじゃありませんが、本音を隠さないスピーチというか、芸能人の営業姿勢を垣間見せるような伸び伸びとしたスピーチでしたね」
映画雑誌の記者がそう指摘するスピーチは、次のようなものだったという。
「“今年はいろんな映画賞をもらったけどこの賞は別格。なぜなら普段取材してくれる記者さんが選んでくれるから。今後、記者さんにフルサービスをすれば、いずれ主演女優賞に選んでもらえるかも”と、しなを作りながら話したんです。あそこまで打ち明けられれば、もうご立派です」(映画雑誌の記者)
通常であれば、この手の発言を舌禍事件風の記事にする東京スポーツも、今回は主催者側ゆえ、安心だ。
さらに松岡はぶっちゃけたという。
松岡の売り込み巧者ぶり
先の記者が再び言う。
「司会を務めた阿部サダヲと会話した際、阿部が主演するNHK大河ドラマ『いだてん』に『あまちゃん』の出演者が次々ブッキングされると松岡自身が指摘し、“私は第何弾で発表されるキャストですか? ってNHKのプロデューサーにメールをしました”、と語ったんです。
例えそんな営業努力をしていても、芸能人は普通しゃべらない。松岡の、ちょっとした上昇志向が明らかになった瞬間でしたね」
その翌日、日本映画テレビプロデューサー協会主催の賞『エランドール賞』の授賞式が開催された。新人賞を受賞した松岡は出席し、終わった後に囲み取材に応じたのだが……。
「新人賞受賞者は永野芽郁や志尊淳ら全部で5人。取材時間はひとり3分という制限があり、質問としては2問ぐらいでおしまい。『万引き家族』の共演者の樹木希林さんのことなどでタイムアップでした。
ただ、ここでも松岡は『今後やりたい役は?』と聞かれた際、他の受賞者はやりたい役柄だけを答えたのに、松岡はその前に『言いどきですよね』とこの賞がプロデューサーによって選ばれて注目されていることに、にっこりとアピールしたんです」(前出・映画雑誌記者)
2日間連続で明らかになったのは、松岡の売り込み巧者ぶり。8歳から芸能界の水につかっているからか、状況を把握する能力はさすがだ。
ちなみに松岡のやりたい役は「制服を着てテレビドラマや映画に出たいです!」(本人)
<取材・文/薮入うらら>