「インターネットでよく見かける“ラクに儲(もう)かる” “誰でも簡単” “すぐ稼げる”というのは、危険ワードです。絶対に手を出さないでください。そんなものがあれば、僕がやっています」
とITジャーナリストの三上洋さん。特にいま、気をつけたいのは情報商材に関する詐欺だという。
「“1日数分の作業で月に数百万円を稼げます” “○円が○億円になる投資法があります”といったお金儲けのノウハウと称して、情報を売ってきます。その手段はさまざま。パソコンやスマホでダウンロードして読む形式のものや、動画やメルマガ、アプリケーションで配信するほか、冊子やDVDにして契約者に送付する場合も。いずれにせよ、そこに書かれた情報はデタラメなので、実際に儲かるわけがありません」
商材を売りつけるだけでなく、高額なセミナーやコンサルティングに勧誘、契約を迫るケースも。
「実際に被害に遭った女性から相談を受けたことがありますが、子育てで仕事ができず、生活に困っている方でした。そういったときこそ飛びつきやすいので気をつけてください」
国民生活センターによると、'17年度の情報商材詐欺の相談件数は6593件。前年度に比べると倍以上に増えており、注意が必要だ。
被害者を食い物にする詐欺サイトも
複数のポイントサイトへメールアドレスや携帯電話の番号を登録するとき、気をつけたいのが個人情報の流出。いつの間にか漏洩して、メールやショートメッセージで「未納料金があり連絡しないと訴える」といった内容の連絡が。こうした架空請求は珍しくない。
「身に覚えのない請求メールに驚いて電話をしたら、弁護士を名乗る者を紹介されて、取り下げ料として10万円を支払ったというケースも。さらにネットで“架空請求トラブル”と検索すると、実際は返金されないのにトラブル解決、返金率99%などと謳(うた)うサイトがゴロゴロ出てきます」
こうしたメールは決して返信せず無視をしよう。不安に思った人は、消費者庁の『消費者ホットライン』(局番なしの188)や国民生活センターへ相談を。
そもそもポイントサイトへ登録するときは、日ごろ使用しているメールアドレスは使わず無料で作れるフリーメールを利用したり、個人情報を適切に扱う体制があることを証明する『プライバシーマーク』を取得したサイトを選ぶなど、自衛にも努めたいところだ。
さらに最近は、フリマアプリやオークションサイトでのトラブルも目立つ。
「新品同様と説明していたのに、届いてみたら傷や汚れがあるといったトラブルが多発しています」
警察庁によると、'18年に警察が摘発したネットオークション詐欺などのサイバー犯罪は9046件、過去最多を更新している。
「まずは各運営会社に報告して、ぜひ早めに相談してください」
うまい話には裏がある。ネットで生きるには、この鉄則を忘れてはならない。
三上洋さん◎ITジャーナリスト。テレビ番組『バイキング』準レギュラー。雑誌連載、著書多数。