2月9日、フィギュア四大陸選手権で優勝した宇野昌磨。平昌オリンピックでは、羽生結弦に次ぐ銀メダルを獲得した実力の持ち主ながら、やはり優勝の味は格別なようだ。
そんな孫の活躍を見た祖父の宇野藤雄さんは、
「なにしろ今回は転ばなかったのがよかった。平昌オリンピックでは、いきなり転んでしまったからね」
と明るく話す。だが、今回の四大陸出場前の1か月間で、宇野は右足首を3度も捻挫。十分な調整や練習ができないまま臨んでの勝利だったのだ。
「昨年末に行われた全日本選手権でも、ウォーミングアップ中に右足を痛めました。また、四大陸では女子で優勝した紀平梨花選手も公式練習で左手薬指第2関節を亜脱臼。完治には3か月を要するとのことで、3月20日からスタートする世界選手権に万全な状態で出場できるかは微妙ですね」(スポーツ紙記者)
紀平は帰国後には、痛めた左手薬指を固定する特注ギプスを装着。練習ではトリプルアクセルを連発するなど、支障がなさそうだが……。
フィギュアスケートインストラクターの村主千香さんは、
「今はしっかりと固定をして、痛みが引くのを待つのが最優先かなと。ジャンプの際、どうしても力を入れるので。手を握らないで生活するのは難しいとは思うんですが……」
と指摘する。右足首をケガした宇野についても、
「3回同じ箇所を痛めてしまうと、靱帯も緩んでしまっているのではないでしょうか。緩んでしまった靱帯を元どおりの状態に完治させるというのは難しいと思いますが、ドクターやトレーナーとの連携で、万全に近い状態まで戻せたらいいですね」(村主氏)
と、やはり状態面の不安は隠せない。そして、絶対王者の羽生も、グランプリシリーズのロシア大会で右足首を負傷。現在はカナダのトロントで回復に努めている。
「オーサーコーチは羽生選手がリンクでの練習を再開したことを明かしましたが、本心では世界選手権を欠場して、今シーズンは休養に充てたいと思っている。ですが、宇野選手の活躍を見た羽生選手としては、出場へ向け闘志を燃やしているようです。現時点での出場可能性は半々くらいではないでしょうか」(前出・スポーツ紙記者)
5年ぶりに日本で開催される世界選手権にもかかわらず羽生や宇野、そして紀平までも、日本のエースは満身創痍。そんな状態に、テレビ局は戦々恐々としているという。
「自国開催だけに、放映権を持つフジテレビの鼻息は荒かった。でも羽生選手が出なければ、視聴率に大きな影響がありますからね。しかも宇野選手や紀平選手までも出場回避となれば数字はガタ落ちでしょう。スポンサーへの手前、出場するかどうかについてはスケート連盟ともあわせて大会直前まで引っ張るようですが……」(広告代理店関係者)
主役不在の大会となってしまうのか。それとも、表彰台独占となるのか─。