「マン、マン、満足! 満員満足! 今日、満員で、ボク満足!!」
草なぎ剛さんがおどけて歌い、稲垣吾郎さん、香取慎吾さんもこれに続く。3人は花道でジャンプし、踊り、メインステージに駆けていった――。
2019年2月18日。東京・武蔵野の森スポーツプラザメインアリーナで行われた、新しい地図のファーストファンミーティング『NAKAMA to MEETING_vol.1』の東京公演最終日。
雲ひとつない青空の祝福を受け、3人の顔に晴れやかな笑みが広がる。そのまばゆい笑顔に照らされて、“NAKAMA”たちの頬もふわりとゆるむ。
成熟した大人のもてなしとは、こうなのか。最初から最後まで大切にされたひとときだった。
2017年9月のファンクラブ結成から1年半弱。
待ちに待った初ファンミに応募者は殺到、東京では追加公演を含め5公演が用意されたが、18日公演は「調子に乗って、まだ空席があった」(香取さん談)ため、急きょ会場引き換え分のチケットを販売。SNSでの拡散も功を奏し、見事満員になったという。冒頭に書いた草なぎさんによる“満員満足の歌”は、これに由来する。
それにしてもこのファンミ、開演前から会場に満ちる空気が温かく、誠に心地よかった。新しい地図のファンは“NAKAMA”と呼ばれるが、みんな“NAKAMA意識”が強く、フレンドリーで優しい。私含め1人参加の大人が多く、先日は「1人で来たけどNAKAMAと意気投合して飲みに行き、みんなで乾杯している写真をSNSにアップしている人もいた」(香取さん談)そう。
入場時はチケットと身分証、会員証を提示する本人確認が実施され、口頭でカメラ等の有無を聞かれたが、バッグに手を入れてのチェックはなし。ルールを守ればきわめて快適な時が約束された。
コンテンツは盛りだくさんで、歌あり、トークあり、ファン参加の借り物競争あり。
また、撮影OKの時間が設けられたり、ステージ上で香取さんが自身のインスタグラムに写真を投稿するなどの試みは、ここにいないNAKAMAと少しでも同じ体験を共有する意図もあったと思う。どのシーンでも3人が本当に楽しそうで、あっという間に2時間が経過した。
メンバーと一緒にお見送り
終演後はメンバーによるお見送りがあったが、特筆すべきは、彼らの所属事務所・CULEN代表のIさんも自ら客席通路に立ち、退出するファンを見送っていたことだ。通路に配されたスタッフのひとりとして、彼女はそこにいた。
Iさんに気づいたファンは、口々に「楽しかったです!」「またやってください!」などと声を掛け、これに対して彼女は「よかったです」「ありがとうございました」と丁寧に応えていた。
ファンと至近距離で接することで、吸い上げられるものとは何か?
それは隠しようもなく立ち上る“気”や“高揚感”といった感情の熱量。こればかりは美肌アプリで加工することもできない。
客を満足させられなかった催しなら、うわべだけ「よかったですぅ」と言われたところで肌に刺さる“気”は冷たいはずだ。盛り上がったときなら、何をか言わんや。きっと私の熱も、ビシバシ伝わったことと思う。
Iさんゾーンを抜けてしばらく歩くと、出口が見えてきた。
メンバーは3か所に分かれて待機しており、私の進んだ先には草なぎ剛さんがいた。列は草なぎさんの手前で一列となり、一人ひとりゆっくり前を通っていく。
私が「剛さん!」と声をかけると、彼はきちんと目を見て「またねー!」と手を振ってくれた。まるで友達が送り出してくれたかのようなフラットさ。
どちらが上でも下でもない。アイドルですよ、代表ですよ、お客様ですよと相手を下に見る人がひとりもいない。このなめらかなフラット感こそがNAKAMAの定義で、これからもこの道が続くと思うと心楽しい。
「道なき道をいこう」とは新しい地図が最初に掲げた言葉だが、そこで語られた“道”こそが、今歩いているこの道。
東京公演を終えてファンミは全国に繰り出してゆく。道は、続く。
プロフィール
みきーる/ジャニヲタ・エバンジェリスト。ライター・編集者。
グループを問わずジャニーズアイドルを応援する事務所担。応援歴は25年超、3日に1度は現場参戦。著書に、『ジャニヲタあるある』(青春出版社)、『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)など。
◆Twitter @mikiru
◆オフィシャルブログ 『ジャニヲタ刑事!』