「先日、無事クランクアップを迎え、打ち上げも開催されましたよ」
そう映画関係者が明かすのは、公開が未発表の作品。注目なのは、キャストや内容以上にメガホンをとった人物だ。
「女優の黒木瞳さんが監督を務めています。監督作品はこれで3本目。内館牧子さんの小説『十二単衣を着た悪魔』を原作にした映画です。キャストは伊勢谷友介さんなど」(同・映画関係者)
黒木監督の初作品は、'16年に吉田羊と木村佳乃がW主演した『嫌な女』。
「原作小説に惚れ込んだ黒木さんが、自ら出版社に連絡をとり、映画化権を獲得しました。黒木さんは自身で絵コンテを描き、念入りに演技指導なども行ったそうです」
興行的には完全に失敗
初監督作はかなりの肝いりだった。公開当時の'16年、彼女は雑誌のインタビューで映画監督になることについて次のように答えている。
《夫からも絶対にやらないほうがいい、と言われました。やはり無理よね、だめかも……と、諦めかけた。でも、一度抱いた思いは止められなかったのです》(『婦人公論』'16年7月12日号)
「黒木さんが、『嫌な女』の映画化に動き出したのは、東日本大震災があったころ。この作品を映画化して、見に来たお客さんを少しでも笑顔にしたいと考えたことも、映像化に自ら力を尽くした理由のひとつだったようです」(映画ライター)
しかし、気持ちがあれば何事も成功するわけではない。
「人気女優をダブルで据えたにもかかわらず、興行的には完全に失敗。映画評論家やライターも軒並み低評価をつけていました」(前出・映画関係者)
大コケともいえる結果を残しつつ、短編映画を挟み、再度監督に挑戦する黒木。現場の役者やスタッフは“瞳組”と呼ばれているが、彼らからの評判は非常によい。
「黒木さんと仕事するのは初めてでした。すごくおきれいなので、なんとなく冷たいイメージでしたが、実際はすごくおおらかで優しく、キャストへの演技指導も丁寧でした」(製作スタッフの男性)
今回の原作小説は初監督作品の『嫌な女』と同様、黒木が惚れ込んだ1冊で、自身のブログで称賛していたもの。
「初監督作品もそうでしたが、黒木さんは思い入れが強く、力を入れすぎてしまうので、やりたいことが多すぎ、内容がゴチャゴチャしてしまう印象ですね。『嫌な女』も、過去の名作映画を引き合いに出して、“こんなふうにしたい”“あんなふうにしたい”という要望が多く、現場スタッフは困っていたようです。
実際に映画を見てみると、そのこだわりはまったく感じられなかったのですが……。今作もそのあたりに不安は残りますね」(前出・映画関係者)
彼女にとって映画は出るものか、作るものか、この映画でハッキリするかも?