氷川きよし 撮影/廣瀬靖士

 踊る!! お手拍子!! そしてコール!! とびきりノリノリのきよしくんが、着流し姿でステージ狭しとあちこちを跳び回る。楽しくて晴れやか。そして、みるみる元気が湧いてくる。新曲『大丈夫』は、『最上の船頭』とともに両A面で、3月12日に発売となったばかり。

「『大丈夫』、コンサートですごく盛り上がるんです。自分も歌いながら盛り上がっています(笑)。心の底から“歌いたい!!”って思える曲に出会えた気がしています」

 “大丈夫”は魔法の言葉だと、きよしくんは優しく微笑む。

不安で押しつぶされそうなとき、“大丈夫だよ”って言われると、すごくホッとしますよね。ファンの方からは、“手術をします。『きよしのズンドコ節』を聴いて手術室に入ります”というお手紙も、本当にたくさんいただくんです。そんなふうに自分の歌を使ってもらっているんだな、愛してもらっているんだな、とひしひしと感じています

 とはいえ、『きよしのズンドコ節』は24歳のときにリリースした曲。17年前だ。

『きよしのズンドコ節』は、本当に大切にしていく作品。ただ、今の自分自身を重ね、今じゃないと歌えない思いを大切にしたいんです。振り返ったときに“人生を歌ってきた”と思いたいから。

『大丈夫』の歌詞や世界観、すごく共感するんです。だから、僕の中では“40代のズンドコ節”。この作品がまた代表作となるように、今年はたくさんイベントもやろうと意気込んでいます」

記念すべき20周年だからこそのこだわり

 さすが、デビュー20周年!! 両A面のもう1曲『最上の船頭』は、3分間の小説のような作品だという。

「駆け落ちする若い2人を、船頭さんが応援してあげるんです。映画を見ているような感覚で楽しめると思います。実は、もともとは『最上の船頭』1曲だけをリリースする予定だったんです。やはり、20周年は正統派演歌でしょう。ですが……

 記念すべき20周年だからこそ、お客さんと一緒に楽しく盛り上がりたい──。正月休みを親戚宅で過ごしている間も、きよしくんはモンモンと悩んでいたという。

「収録候補曲として、すでに完成していた『大丈夫』を歌ったとき、すごく楽しくて。それが頭の片隅から消えなくて。そんなことを考えたり、悩んだり、相談したり、提案したりした結果、急きょ“両A面で行こう!!”となったんです」

 例年、2月2日のデビュー記念日前後の発売が多かったきよしくんの新曲だが今回、春先になったのは、そんな強いこだわりから。ファンとしては、待ったかいがあったというもの♪

時代も、平成から新しく変わりますしね。いい20周年になるよう、みなさんに歌でご恩返しできる年にしていけたらいいなと思っています

 さあ、お祭り騒ぎの始まりです。心の準備は、大丈夫?

『大丈夫』/『最上の船頭』カップリングは【A】『越後の雪次郎』、【B】『惚れたがり』、【C】『きよしのよさこい鴎』(※写真はBタイプ)各1204円+税 発売/日本コロムビア ※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします