昨年の朝ドラ『半分、青い。』でブレイクし、現在出演中のドラマ『初めて恋をした日に読む話』では放送後に役名や自身の名前など、関連用語がトレンド入りして1~4位を独占。今、もっとも旬な男・中村倫也(32)が登場!
『日経トレンディ』による“2019年の顔”にも選ばれたが本人はいたって冷静で、
「(旬が去るのは)すぐですよ。油断せずに自分を磨き続けないと、と思っています。それは表現者としてだけでなく、人間としても。今日、明日のことを精いっぱいやるだけです」
と自身に厳しい言葉を向ける。ドラマに映画、さらにCMにと引っ張りダコ。そんな多忙な日々を過ごす中村が、1年半ぶりとなる舞台『クラッシャー女中』に出演する。しかも東京の会場となる本多劇場に立つのは10年ぶりと言い、
「僕は演劇育ちなんですが、本多劇場は僕にとって地元のような存在。思い入れもたくさんあるので、すごく楽しみです」
初共演の麻生久美子とは、昨年発売された雑誌『anan』でグラビアページを飾り、その“密着ショット”が大きな話題に。
所属事務所の後輩でもある菅田将暉のラジオ番組にゲスト出演した際は、リスナーからその濃密ぶりがイジられる事態となったが、
「舞台の情報も発表前だったから、“みんなはまだ知らないけど俺はこれからガッツリ一緒なんだぞ”と心の中で叫んでましたね(笑)。実は『anan』での共演は、舞台とはまったく関係なくて、本当に偶然だったんです。すごい縁ですよね。驚きです」
これまでの役者人生、悔しい思いをたくさんした
舞台では、“欲望まみれ”の王子を演じる中村。そんな中村の内にある“欲望”について聞いてみると、
「欲望の塊(かたまり)でしたね」
との返答が。これまでの役者人生、売れていく仲間を横目に、悔しい思いをたくさんしてきたという。
「ずっと生意気で野心家だったから、自分に職や需要がないという現実を受け入れられずに“欲”だけが空回りしていって。20代前半は斜に構えていましたが、何かを変えなければと。それで腹をくくって、20代後半は自分の弱いところや現実と向き合っていきました」
そして30代。キャリアと実力を兼ね備え、ようやく日の目を見ることに。
「いま振り返ると、人として正しい階段を踏めたのかな。たぶん若くして売れてたら、すぐに調子に乗って、その“烙印(らくいん)”を押されていたと思います。何よりも先輩方の背中をたくさん見せてもらったのが大きな経験になりました」
今はただ一生懸命やるしかないです、と笑顔を見せる。
「僕、死ぬときに笑えてればいいやと思っていて。この年齢で話す内容じゃないかもしれませんが(笑)。ずっとそんな死生観を持っているんです。今日も明日も一生懸命やっていれば、悔いはないなと。自分のためにも、これからも頑張っていきたいです」
――今回の舞台では歌うシーンもあるとか!
「(作・演出を手がけ、出演もする)根本宗子さんがずっと僕に歌わせたいと言っていたんです。これまでミュージカルやCMでも歌わせてもらっていて。僕自身も楽しみです。でも役として歌うことになるので、“中村倫也が歌い出した!”とならないように、丁寧にやりたいです」
ある屋敷の息子・義則(中村倫也)は、静香(趣里)を婚約者として迎え入れる。彼女はゆみこ(麻生久美子)という女中を伴っていた。彼女たちが仕組んだ罠により、次々と露わになっていく“真実”。さらに義則の底知れぬ欲望が、思わぬ事態を招いていき──。
※その後、名古屋、大阪、島根、広島公演あり
http://mo-plays.com/crusher/