ピエール瀧

 ピエール瀧容疑者がコカインを摂取した疑いで逮捕されたのは3月13日。翌日の14日も、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の撮影は続いていた。

ピエールさんの所属事務所の社長と幹部が、スタジオまで謝罪に訪れました。撮影現場に真っ黒なスーツの男性が何人も来ていて、物々しい空気でしたね」(NHK関係者)

 17日の放送には出演シーンがなかったが、瀧容疑者は主人公の金栗四三がはく足袋を作る職人という重要な役回り。緊急事態を受けてNHKは対応に追われている。

「3月の放送分には瀧容疑者の出演はないとの発表でしたが、17日と24日放送分には数分程度出演していたので編集し直しています。3月いっぱいはカットで対応し、その後は撮り直しをして再編集。代役は三宅弘城さんに決定しました」(同・NHK関係者)

飲食店経営者としての顔

 ほかにも出演作の打ち切りやCDの販売中止が決まるなかで、映画『麻雀放浪記2020』は予定どおり4月5日にノーカットで公開されることが決定した。撮り直しの時間がなかったこともあり、配給会社の東映は悩みぬいたうえでの決断だった。

「東映社長の多田憲之氏と監督の白石和彌氏が会見で判断に至った経緯を説明しました。多田社長は“みんなで作ったものをボツにしていいのかということに関しては疑問を持っていた”と話していました」(映画ライター)

 東映は製作委員会や関係各社と協議して公開を決めたという。

「白石監督は“強い憤りを感じる”としながら、“(禁止薬物は)絶対犯してはいけない犯罪と思うが、作品そのものには罪はないんじゃないか”と述べました。不祥事があると何でもお蔵入りにする風潮に関しては、批判の声も多くなってきていますね」(同・映画ライター)

 マルチな活動をしていた瀧容疑者には、飲食店経営者という顔もあった。

中目黒でもう10年以上、地元の静岡おでんを名物にしたバーのオーナーをやっているんです。ライブ帰りに寄るファンも多いそうですよ」(レコード会社関係者)

 しかしこの店は、事件後しばらく店を開けることができなかった。

マスコミが押し寄せたこともあって、逮捕から1週間くらいはお店を閉めていました。今はもう営業を再開してますよ。商店街の中にあるお店なので、昔から通ってくれている常連のお客さんが多いんです。もちろん、みんな今回のことは知ってますけど、あえて話題に出さないようにしています」(常連客)

 経営が好調だったからなのか、“新たな店”の話も出ていたそう。

『女性自身』が、自宅付近に飲食店をオープンする計画が進んでいたけれど頓挫したと報じました。店舗の目星がついたばかりだったとも報じていましたが、実際はまもなくオープンできるくらい準備が進んでいるといいます」(スポーツ紙記者)

 “新たな店”とは、彼が中目黒に開いていた静岡おでんバーの2号店。

2月に店舗の賃貸契約をして、今は内装工事中なんです。中目黒のスタッフが工事をしていますが、本来はピエールさんや、奥さんも一緒に参加するはずでした」(近所に住む男性)

 人気のエリアなので、物件探しには苦労したらしい。

ピエールさんとお店のスタッフが空き店舗を5件ほど内見していました。このあたりはなかなか空き物件が出ないうえに、すぐ埋まってしまって入れ替わりが激しい。物件探しには1年くらいかかっていましたよ」(不動産関係者)

 現地を見にいくと、新店舗の店長が自ら作業をしていた。

「4月にオープンなので、ぜひ来てください」

 と、近隣住民にも笑顔で告知しているという。

 近所では瀧容疑者のことを悪く言う人はいない。2号店にも、特に反対するような声はなかった。

「ピエールさんが、このあたりで夜な夜な飲み歩いているのを見たことはありませんね。入りづらい店が多いので、近所に気軽に行ける店があったらいいなと思って準備していたようです」(近所に住む女性)

 ただ、静岡おでんには少し気になる特徴がある。

「静岡おでんは東京のおでんとは違います。黒いスープで具材を煮込むのに加えて、食べるときに魚のだし粉をかけるんです。今のタイミングだと“粉をかける”というのがどうしてもコカインを連想させてしまいますから……」(同・近所に住む女性)

 店名に関しても懸念があるようだ。

さすがに1号店と同じ名前だとピエールさんのお店だとバレバレなので、しばらくは看板を出さずにやることにしたみたいです。事件を受けて、オーナーもピエールさんから奥さんにすぐ変更したそうですよ」(前出・近所に住む男性)

 逮捕されたとはいえ、静岡おでんに罪があるわけではない。今後は心を入れ替えて、おでんバーのスタッフとして働きながら罪を償っていくという方法もあるような気はするけれど─。