イギリスの人気ドラマを日本版にリメーク。4人の女性たちが繰り広げるラブストーリーとサスペンスを描いた作品でオリジナル版のドラマ10『ミストレス〜女たちの秘密〜』(4月19日スタート NHK総合 金曜夜10時~)のこだわりと見どころをプロデューサーに直撃!
イギリスでシーズン3まで制作された人気ドラマ『Mistresses』の日本版。ロシア、スロバキア、韓国など世界各国でリメークされ、アメリカではシーズン4まで制作された人気作で人には言えない秘密を抱えた女性たちがそれぞれの愛を求めてもがいていくさまを描いている。4人の女性を演じるのは長谷川京子、玄理、大政絢、水野美紀。
年齢、職業バラバラな
4人の女性たちの物語
ドラマは、5年前にマラソン大会で知り合って以来、女子会を楽しむ4人の四者四様の人間模様が描かれる。
医師の香織(長谷川)は不倫関係だった患者の死について彼の息子(杉野遥亮)から疑いの目を向けられる。シングルマザーの友美(水野)は7年ぶりの恋の予感にときめく。キャリアウーマンの冴子(玄理)は仕事か妊活かで夫(佐藤隆太)とすれ違い。恋多き女の樹里(大政絢)は、ある女性との出会いで変化が……。
「人間ドラマをしっかり描いていながら、サスペンスやラブストーリーの面白さもある原作に魅了されました。制作が決まって最初に考えたのは、どうやって日本版に置き換えるか、でした」
と、後藤高久チーフプロデューサー。
原作の4人の女性はアラフォーだが、今作の香織は39歳、友美は41歳、冴子は34歳、樹里は28歳の設定に。
年齢がバラバラで仕事もまったく違うのは、日本版のオリジナルで最大のこだわり。
「原作は同級生の設定で既視感がありました。今作では、何の利害関係もない女性たちの集まりにすることで、理想の友人関係が提示できたらと考えました。女性の年齢によって違う悩みを描けるというのもありますが、日本では秘密や本音を会社の同僚やママ友には明かしづらい。でも偶然、知り合った友人になら気楽に相談できると思ったからです。
また、女性の社会進出、ワークライフバランスなどといわれてますが、まだまだ理不尽な目に遭ったり生きづらさを感じたりしている現代日本の女性の本音も描きたかった。それにともない、子どもをつくるかどうかで悩む冴子夫婦にプレッシャーをかける姑の存在を加えたのも、オリジナルです」(後藤CP、以下同)
キス&ラブシーン
プロセスにこだわり
4人の女性たちのそれぞれの物語が展開していくのは見どころのひとつ。
「香織の医院、友美のパート先、冴子の会社、樹里のジムにそれぞれの家というようにシーンも多く、まるで4本の連続ドラマを同時に制作しているみたいです。撮影は大変ですが、4人それぞれの物語を初めから終わりまでテンポアップさせながら、スピーディーに描いています」
毎回、登場するキスシーンやベッドシーンにも注目が集まりそう。
「キスだけなら1秒で終わってしまいますが、そこに至るまでを2分かけて描けば、エロチックさが表現できる。1話で3人の女性がキスをしている回もありますが、キスに至るまでのプロセスの描き方にもこだわっています。ドキドキしたり微笑ましかったりと“キスシーン”でも、キャラクターによって違ったシーンになっているのも、お楽しみください」
それぞれ女性たちが極限まで追いつめられるスリリングな物語だが、パートナーや思いを寄せる男性たちがコミカルで、クスリと笑える部分もポイント。
「秘密を抱えつつも幸せな人生を手に入れるため、協力し合い、立ち向かっていく彼女たちの姿を、ぜひ見届けてください。彼女たちを見ていると、秘密をカミングアウトする勇気を持つことが、幸せになるためには必要なんだと痛感します。
4人の女性たちの生き方から勇気をもらったり、今まで目をそらしてきた自分の秘密をさらけ出したりする勇気を持っていただけたらうれしいです」
女子会シーン“マル秘”情報
毎回、登場する楽しそうな女子会シーンは、事前の準備に秘訣が。足が速そうなのは? ジャニーズにハマっていそうなのは? といったキャラクターのイメージを4人で話し合ったそうで「お互いの理解が深まって、いい空気感が出せたと思います」(長谷川)。
脚本を担当した吉田紀子は、4人の女性たちの生い立ちなど膨大なプロフィールを作成。
「例えば友美は北海道の網元の娘で、東京の大学で管理栄養士の資格を取り、卒業後は居酒屋チェーンで働き、夫と知り合い結婚。香織の愛読書は『ブラック・ジャック』など。裏設定ではありますが、シーンやセリフにちらっと登場することもあるので、ご注目ください」(後藤CP)