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沢尻エリカ 『映画の舞台挨拶で「別に」発言』 (平成19年)
舞台挨拶のときの彼女のビジュアルを思い返すと、金髪、真っ黒なアイメイクにファッションも派手だったのが記憶に残っています。もしかするとあの日、鏡に映った自分の姿を見た瞬間に人格が変わってしまったのかもしれません。いわゆる憑依(ひょうい)型女優です。しかし、彼女は当時21歳という若さにも関わらず出演映画を数本抱え、当時は約160件もの取材をこなしていたとか……。160回も同じことを聞かれたら誰でもああなってしまいそうです。
「別に」で炎上した後、“第2のエリカ様”や“ポスト沢尻エリカ”と呼ばれる女性芸能人がたくさん出てきました。芸能界に“消えない爪痕を残した”という意味では芸能史に残るすごい一件だったのかもしれません」
倖田來未『“35歳を過ぎると羊水が腐る”発言 』(平成20年)
当時、彼女自身が年齢が35歳より下だったこともあり、消せないほど大きな炎上になりました。ラジオでの発言ということもあって、ついつい気が緩んでしまったのでしょう。
現在の彼女のインスタを見ると、相変わらずセクシー衣装を着ながら“ファンの女性をステージに上げて、跨(またが)る”といったコンサート風景をアップしていました。サービス精神旺盛な外国人タレントの心境なのかもしれません。
数年前、群馬の『珍宝館』に行った際、“発言のほとんどが下ネタ”でおなじみの清水ちんこ館長に「あんたは羊水が腐っているわね」と出合い頭に言われました。いまだに使い回されるほど強いフレーズだったということですよね。
ただ、不思議と館長に言われてもあまり怒りは感じませんでした。倖田さんも彼女くらいエロかっこよさを極めていたら炎上は起こらなかったのかもしれません
園山真希絵 『塩谷瞬の二股交際報道でブレイクも“イタい発言”でバッシング』 (平成24年)
二股報道後、急に世の中に注目されるようになった彼女。奔放な発言以外にも、料理家として“これはどうなの?”といった料理も話題になっていました。“とにかく棒状のようなものをそそり立たせる”盛りつけが衝撃的でした。ニンジン丸ごと1本の隣にジャガイモを2個配置したりですとか……。
塩谷さん、冨永愛さんとの三角関係それ自体よりも“ささいな発言もプロポーズと受け取ってしまう”彼女の自称モテキャラのほうが目立った記憶も。調べてみたところ、彼女は島根の出雲出身。そそり立つ盛りつけは御神体じゃないですけど、縁結びをイメージしていた部分もあったかもしれません。
現在は“食陰陽師”という肩書で活動されているみたいです。これまで自分を悪く言ってきた人たちに何らかの呪術をかけるためでしょうか。ほかにも“出雲ぜんざい大使”や“茨城県北PR大使”など細かすぎる肩書きをお持ちです。「なぜ茨城の“北だけ”PR?」と1個1個調べたくなりますが、そっとしておいたほうがいいかな、とも思います。彼女の今が幸せそうで何よりです──
矢口真里 『衝撃の“クローゼット不倫”』 (平成25年)
夫婦のベッドで不倫し、不倫相手をクローゼットに隠す……修羅場すぎますよね。当時は窓から東京タワーやスカイツリーが見えるタワーマンションに住み、夫は身長190センチ台。高いもの好きも印象的でした。
不倫された中村昌也さんをネットで検索すると「中村昌也 死亡説」と出てきたりとかわいそうなことになっていましたが、'17年に『ガキ使』で裸芸、“マサヤ100%”を披露しました。何かをリセットするには全裸になるしか方法がなかったのかもしれません。
現在、矢口さんはその不倫相手の方と再婚されていますが、馴れ初めは“クローゼット不倫”ということになるわけですよね……。知人から聞いた話ですが、とある小学校ではネットリテラシーを学ぶために“お父さんとお母さんの名前をネットで検索してみよう”という授業があるらしいです。将来お子さんができたら、その日は学校を休ませるしかありません。
小保方晴子 『“STAP細胞” 不正論文騒動』 (平成26年)
“リケジョの星”と呼ばれていた小保方さん。あんな騒動になったにもかかわらず、“おぼちゃん”と呼び、ファンになる男性が少なくなかった印象があります。
昨年上梓(じょうし)された『小保方晴子日記』を読んでみたのですが、全編を通して「私は被害者で周りは全部悪者」といった悲劇のヒロイン的な語り口でした。頻繁に気絶をしてしまうようで、
《一日に何度も死にたいと思って、気がつけば真剣に方法を考えてしまう日々が続いている》
《体育座りで目を膝に押し付け、涙をスウェットに吸わせていたら、そのままピクリとも動けなくなった》
など、とにかくつらさを主張したり、
《体液だけでなく、消化器官の中も肺の中も水銀で満たされた》
と、またもや医学的にありえないことも書いていました。
また、瀬戸内寂聴さんに「私もいつか社会奉仕活動がしたい」と言ったところ、
「何ができるもんか」
と笑われ、ショックで泣き叫んだエピソードも。このまま寂聴さんを追いかけて仏門に入り“STAP説法”を聞かせてほしいです。
しかし、陰謀論信者の友人いわく、“本当はSTAP細胞は存在していて、アメリカが利権を独占するために彼女が嵌(はめ)められた”という説もあるそうですが、真相はどうなんでしょうか
ベッキー 『川谷絵音との“ゲス不倫”報道』 (平成28年)
以前、彼女が「一生テレビに出続けたい」といった発言をしていた覚えがあります。芸能界に完全復帰した彼女をみるに、“何があっても戻ってくる”という意志の強さを感じずにはいられません。
不倫騒動があったときは芸能人やコメンテーターたちがさんざん彼女をイジったり批判をしていましたが、今テレビ界に復帰したベッキーさんから逆にそのことを責められるという逆転現象が起こっています。テレビ番組で東野幸治さんに「そういえばあのときこんなこと言ってましたよね〜」などと指摘し、スタジオに気まずい感じを巻き起こしていました。
ベッキーさんはトーク力も高く、攻撃力があるので、当時、芸能界から消えると思って言いたい放題していたタレントは、逆襲を恐れて生きた心地がしていないかもしれません。逆に謹慎中も誘いの連絡をくれていた中居正広さんに対しては感謝の気持ちを表し、「救われた」とテレビで発言していました。
つまり、彼女はあのとき芸能人に言われたりしたことを、いいも悪いも全部見て覚えているということですよね……
高樹沙耶『“大麻の合法化”を訴え続けるも大麻取締法違反で逮捕』 (平成28年)
逮捕時の“石垣島で複数の男性との共同生活を送っていた”という報道に、ドロドロというか風紀の乱れを感じた覚えがあります。
現在もツイッターでは大麻関連のことばかりつぶやいているので、大麻の最新ニュースを知りたければ彼女のアカウントをフォローするのがいちばん手っ取り早いのかもしれません。最近は日本でも『CDBオイル』といったリラックス効果のある医療大麻がひそかに流行しています。私もその成分が入ったクリームをコスメショップで購入しました。確かに手や首に塗るとリラックス効果があるような──。
ただ、昨年ネットの記事で大麻についての対談していた高樹さんが、
《たまたま、あるドクターに「税関を通ったCBDオイルの使い捨て電子タバコ」の存在を教えてもらって……》
といった発言をされていたのが気になります。 “税関”や“電子タバコ”といったワードが重なると一気にいかがわしくなるような……。コスメショップくらいで止めておけばいいものを、また犯罪の道へと入ってしまってないか心配です
今井絵理子『橋本健前市議との“手つなぎ不倫”』 (平成29年)
騒動後にマスコミの前で発した“一線は越えていない”というフレーズは衝撃でしたね。はたして何の一線だったのでしょうか……。
確かに不倫報道の直前あたりの今井絵理子からは“内側からギラギラしたものが出ているな”と感じていました。手つなぎのほかに、ホテルの廊下をパジャマ姿で歩いている写真も撮られていましたよね。SPEED時代ならサービスショットだったかもしれせんが……。議員になったあともどうもアイドル感が抜けないというか、後援会も“今井絵理子ファンクラブ”くらいに思っていたのではないでしょうか。
当時のブログもインスタグラムの投稿をハッシュタグもそのままコピペして、といったものが多かったですし。たまにブログで《多様性を認める共生社会》などといった難しい言葉がでたときは、橋本前市議のアドバイスがあったのでは? と感じていましたね。最近は参院選を控えているからか、ブログの文字数も多めです。
それにしても元SPEEDファンとしてはHITOEが今何をしているのかが気になります……
伊藤綾子 『二宮和也との交際を“匂わせる”ブログが嵐ファンから大バッシング 』(平成30年)
少しだけ見切れている嵐のCDであったり、グッズであったりといった写真をブログにアップし、交際を“匂わせる”ことで、ファンからとてつもない怒りを買い大炎上した伊藤さん。
心霊写真クラスの小さなサインすら見逃さない嵐ファンは国家機密系の仕事を任されてもこなせそうです。なかには、当時出演していた『news every.』で“50種類の野菜の中から自分で具材を選ぶサラダ店”のロケに行った際、二宮さんのメンバーカラーの黄色の野菜ばかりをチョイスしたことから、“綾子の匂わせサラダ”と命名されたりと、部外者にとってはギャグに見えるような特定もありました。
でも伊藤さんがあまりにいろいろな“匂わせ画像”をアップしていたというのも事実。やはり日本一のアイドルと付き合っていたら投稿したい気持ちを我慢できないのでしょうか。
現在、伊藤さんは芸能界を引退して匂わせをやめてしまいました。今後、“特定班”の活動がみれなくなると思うと少し残念です。
今思えば、彼女とファンは「出題と回答」を繰り返し、お互いに楽しんでいた関係だったのではないでしょうか。「この“匂わせ”があなたに解けるかしら?」といったように。
現にファンがSNS上に特定結果をアップしているときの文言は少し嬉々としているようにも見えました。やはり発見するとどうしてもうれしくなってしまうのが人間の性なのかもしれません。
辻希美 『ブログに何をアップしても炎上』 (常時)
最後は辻ちゃんですが、彼女の場合はもはや、“炎上するたびにそれをチェックすることで何かの励みにしている人も多い”と聞きます。半分ファンになって辻ちゃんのお母さんがやっているお店に行く人もいるとか。
彼女はわりと“芸能人のネット炎上”という概念が生まれた初期から炎上し続けているイメージがありますよね。
当時は「子どもがいるカラオケでタバコを吸う」「ブログにアップされた車のメーター写真が速度オーバー」「新生児を乗せた自転車4人乗り」だったりと火種が激しめだったのが、最近では「春野菜カレーなのに“春野菜が入っていない”」「5月に厄払いに行くのは“遅すぎる”」といった理由で炎上しています。
極めつきは「イチゴに練乳をかけて」炎上。もはや辻ちゃんの投稿だからという理由だけで炎上が起こってしまうのかもしれません。
しかし、叩く人はみんな内心「夫婦仲もよく、お子さんもたくさん生まれたりといった様子が幸せそうで羨ましい」といったやっかみもあるかなと思います。それにしても「5月に厄除け〜」に関しては、どちらかというと炎上というより“心配”の域なのではないでしょうか。
辛酸なめ子/漫画家・コラムニスト。
東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)『おしゃ修行』(双葉社)『魂活道場』(学研)、『ヌルラン』(太田出版)など。