和田アキ子

 1433票の回答数を集めた週刊女性のアンケート『私たちが“嫌いな女”ランキング』で1位に輝いてしまった和田アキ子。『あの鐘を鳴らすのはあなた』などのヒット曲で知られ、冠番組『アッコにおまかせ!』は33年以上続いている。

 週刊女性では過去('04年、'12年、'15年)にも、嫌いな女ランキングを実施しているが、'04年は16位とトップテン圏外だった和田。しかし、'12年には頭角を現し、6位。3年後の'15年には初の1位に。つまり今回は、V2を達成したわけだ

過去の嫌いな女ランキング

なぜこれほどまでに嫌われるのか?

「ご意見番というが、時代錯誤」(40代・主婦)、「強い者に媚び、弱い者を叩くのが腹立つ」(20代・会社員)

 “芸能界のご意見番”としての言動に厳しい目が。作家でタレントの岩井志麻子さんは、

ひと昔前の“抱かれたくない男・ナンバーワン”だった出川哲朗さんと同じじゃないですか? とりあえず和田さんの名前を挙げておけばいい、は思考停止だと思いますよ」

 女装家のコラムニスト・ブルボンヌさんも同意見。

「言っちゃ悪いけど、アッコさんって回答しちゃうのは、自ら埋もれる女よ。もっと自分を探そ〜!」

 内科医で作家のおおたわ史絵さんは、冠番組に注目。

「“アッコさんにモノ申してもらいましょう”という作りだから、アッコさんも役割として答える。若い世代の女子たちは怒られ慣れていませんし、それ以上に『笑って許して』などを聴いて育っていません。“なんで知らないおばさんが、偉そうに怒ってるの?”になるのでしょう」

『NHK紅白歌合戦』に通算39回出場し、紅組司会やトリの常連だった和田だが、’16年に落選。しかし、その数年前からSNSなどでは“なんで出るのかわからない”“若手に譲るべき”など、出場に懐疑的なコメントが増え、たくさんの“いいね!”が集まるようになっていた。

「“この人嫌われているんだ”が、“じゃあ、私も嫌っちゃお”になっていったということでしょうか?」(岩井さん)

 歌手としての本領を発揮する機会が減り、

「バラエティーで怒っているだけの人に見えてしまうのはもったいない。1度、生歌を聴けば、和田さんのスゴみがわかるんでしょうけど」(おおたわさん)

 一方、作家の北原みのりさんはアンケートの声に納得顔。

 

「和田さんに、みんな矛盾を感じているんじゃないですか? 自由でカッコいい女性なのかと思いきや、家ではお皿を洗うとか、新聞にアイロンをかけるとか。その“夫を尻に敷かない女”アピールに矛盾を感じます。外では男性芸能人にペコペコされている和田さんは、やっぱり男社会の人。女の代表ではなく、女の敵側に立っている感じがします

和田さんの偉大さも感じて

 近年、芸能人の見方が変わったと指摘するのはブルボンヌさん。

「昔の“芸能人”は別の種族だったのに、SNSなどの影響か、ここ10年くらいで“友達だったらどうか”って横並びで見る癖がついちゃった。アッコさんが身近にいたら“威張ってるし気を遣いそうだから嫌”みたいな? 

 いやいや、芸能人は舞台上でいかに際立ったことをしてくれるか。“友達にはなりたくないけど、なんか強烈ね”ってニヤニヤ見てればいいと思う。控えめな人ばっかりの芸能界なんてつまんない!

 さらに、おおたわさんもこう続ける。

「学級委員、不良、イジメっ子、イジメられっ子……。『3年B組』みたいになってこそ、初めて虚構の世界は成り立ち、おもしろいと思える。和田さんは、芸能界のヒールの旗手を務めてくれているんですよ」

 過去のランキングを眺め、岩井さんは諸行無常をかみしめる。

「'04年の1位のさとう珠緒さんなんて、今の若い人は知らないでしょ? このときが、人気のピークだったのかしらねぇ」

 '04年4位の川島なお美さんや5位の野村沙知代さんは他界。10位の江角マキコさんは、すでに芸能界を引退している。

「和田さんが長きにわたって“嫌いな女”でい続けている偉大さを、みなさん、かみしめたほうがいいんじゃないですか?」(岩井さん)

 笑って許して♪


《女を斬ってくれた女たち》

岩井志麻子さん ◎作家、タレント。『有吉反省会』(日本テレビ系)、『5時に夢中!』(TOKYO MX)などレギュラー多数

おおたわ史絵さん ◎内科医、作家。『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)、『5時に夢中!』(TOKYO MX)などで活躍中

北原みのりさん ◎作家、セックストイショップ経営。『毒婦。 木嶋佳苗100日裁判傍聴記』(朝日新聞出版)など、著書多数

ブルボンヌさん ◎女装家、タレント、コラムニスト。新宿二丁目のミックスバー『Campy!bar』などのプロデュースも