美 少年

 ジャニーズ事務所は、ジャニーズJr.の6人組人気ユニット『美 少年』がこの夏、アメリカでの「武者修行」を行うことを、4月末に発表した。

「平成から令和への改元。世の中が大きく盛り上がるタイミングに合わせたかのようでな発表でしたね。まさにジャニーさんらしい仕掛け方です。しかも今、特に注目している『美 少年』ということで、どうしてもこのタイミングに発表したかった、という強い思いを感じます

 と、ある芸能記者は言う。

「初代『ジャニーズ』も本格的なダンスレッスンをするために渡米していますし、アメリカ修行はジャニーズタレントの恒例行事。『美 少年』のメンバーたちに“ユーたち、パスポート持ってる?”という切り出し方をしたようですが、それがまた嵐のハワイでのデビュー発表を彷彿させ、期待度や熱の入り方がうかがえます」(同)

ハロプロも大きな発表を

 また、これとほぼ同じタイミングで、ハロー!プロジェクトは、最新グループとなる『BEYOOOOONDS(ビヨーンズ)』のメジャーデビューが決定したことを発表した。8月7日に『眼鏡の男の子』を含むトリプルA面シングルを発売する予定。

「『BEYOOOOONDS』は、『CHICA#TETSU』 という4人組ユニットと『雨ノ森 川海』という5人組ユニット、さらにオーディションで選ばれた3人を加えた12人組のユニットです。

 単に歌って踊るだけでなく演劇要素を加えるなど、これまでのアイドルとは違ったアプローチをしていくグループを目指しています。ハロプロもジャニーズと同じく、改元という時代の変わり目を狙ったタイミングでの発表となりました。“新時代を担うグループ”という印象付をしたかったのかもしれませんね

 と、前出の芸能記者。

 発表の時期やタイミングも含め、この2つの人気プロダクションのアプローチ方法には“似た点”がある、と前出の記者は指摘する。

「Jr.にも多くのユニットがあるのですが、『美 少年』はJr.を指導するタッキーのラインとはおそらく違い、ジャニーさんが自ら指揮をとる存在だと思います。昨年、タッキーがまとめるJr.の2019年度の年間スケジュール資料の流出騒動がありました。真偽は不明ですが『美 少年』の欄だけ空白だったんです。これでジャニーさんの直轄であることを印象付けましたよね。

 ジャニーズはジャニーさんの、ハロプロもアップフロントの会長の、次世代にかかる個人的な思いがあふれていると感じます。

 ハロプロもかつては、つんく♂個人の色が強いイメージでしたが、ももち(嗣永桃子)がプレイングマネージャーをつとめた『カントリー・ガールズ』に、梁川奈々美と船木結が新規加入したとき、一気に路線変更しました。これまでのかわいい路線からロカビリーを歌うなど、所属アーティストが直接、アプローチすることもあります。舞台にも注力するという『BEYOOOOONDS』の売り方にも、特別な思いを感じます」

 ジャニーズとハロプロには共通点も多く、どちらも応援しているファンは意外に多い。あるアイドル系ライターは言う。

個人色の強い、独自の世界観を真面目にパフォーマンスするというところは、よく似ています。それも、Jr.や研修生時代にしっかり身につけた実力なので、基本的にクオリティが高い。パフォーマンス力があるからこそ、その世界観を楽しめるというところはあります」

 NHKの人気歌番組『うたコン』の5月7日放送回に『BEYOOOOONDS』が出演。氷川きよしやデーモン閣下など、豪華な顔ぶれの中、令和初の放送回を彩り、新時代グループを印象付けた。

 新元号、東京五輪……大きく動く世の中に合わせ、どんな仕掛けをしてくるかも楽しみにしたいところだ。

<取材・文/渋谷恭太郎>