幼少期から芸能活動を始め、映画『ハリー・ポッター』シリーズでは10年間にわたって主人公・ハリーの吹き替えを担当してきたのが小野賢章さんだ。実は変声期のころ、ハリー役の続投が危ぶまれていたという。
「実写でハリーを演じるダニエル・ラドクリフさんの見た目と、声変わりを迎えた僕の声に違和感があったら、キャストが変更になるところだったんです」
“小野賢章推し”になってくださいね(笑)
そんな小野さんが「声優としての自分を広く知ってもらえた作品のひとつです」と語るのが、2012年にアニメ化された『黒子のバスケ』だ。小野さんは舞台版でも、アニメ同様に主人公の黒子テツヤを演じている。
「“声優”の自分がアフレコ現場で感じた熱や思いを、舞台の稽古場で“俳優”として伝えることに、僕がキャスティングされた意味があると思って取り組んでいます」
アニメから舞台へパスをつなげられたのは、役者としてのキャリアもある小野さんだからこそだろう。
「同じ人物を演じていても、アニメはアニメの、舞台は舞台の魅せ方がある。一方の分野で学んだことが、もう一方の分野での表現に活かせるのでいい経験をさせていただいています」
言葉のはしばしから謙虚さがにじみ出る。
「声優を応援するなら、“推しメン”を決めると楽しめると思います。推しメンをきっかけに、現実では味わえないさまざまな世界観を体験してみてください。この記事を読んでくれたみなさんは、ぜひ“小野賢章推し”になってくださいね(笑)!」
まじめな表情から一変、満面の笑みを見せてくれた小野さんを、推さずにはいられない……!
Q&A
Q.ファンからもらってうれしいプレゼントは?
A.イベントや舞台などに、会いに来てもらえることがいちばんうれしい。
Q.最近心に残った作品は?
A.『彼女が好きなのはホモであって僕ではない』という小説です。読み始めたらページをめくる手が止まらず、クライマックスはラーメンを食べながら大号泣で読みました(笑)
Q.尊敬する人物は?
A.声優として大先輩の山寺宏一さん。とてもストイックな方で、見習うところしかありません。憧れです。
Q.好きな言葉は?
A.嫌なことがあったときは、「まあ、いっか」と自分に暗示をかけて、心を軽くしています。
Q.ハマっているものは?
A.僕が所属する俳優ユニット「雲水」のメンバーにすすめられて、『PUBG』というゲームにハマっています。負けず嫌いなので、倒されると悔しい!
(取材・文/清談社)