Hey! Say! JUMP(以下、JUMP)が、'19年内のアリーナツアーの開催を中止すると発表した。
「コンサートの移動時に、メンバーと会うために新幹線ホームに大挙して押し寄せ、発車が遅れてしまう、また移動中のメンバーを追いかけ回すなど、一部ファンのマナーの悪さが一般人に迷惑をかける事態に及んでいたことを考慮し、中止に踏み切ったそうです」(スポーツ紙記者)
JUMPは、'18年のツアーでトラブルが……。
「10月7日の新潟公演を終え、メンバーが帰京する際、新幹線ホームにファンが殺到。東京駅にもファンは詰めかけており、大勢でホームを占拠。身体をぶつけられたり、足を踏まれた一般客が少なくなかったそうです」(同・スポーツ紙記者)
出発地の新潟駅で、実際に被害に遭った女性に話を聞くことができた。
「ホームに人だかりができていて、不思議に思いながら予約した新幹線に向かっていたら、腕をつかまれて“この新幹線乗る人ですか!? 切符譲ってくれません?”ってなんか必死な剣幕で言われて。4人くらいに囲まれて言われたし、つかまれた腕も痛いしで、すごく怖かった……」
注意喚起を促しても……
トラブルはJUMPだけに限った話ではない。'18年9月22日に仙台での公演を終えたKing&Princeのメンバーに会うため、仙台駅のホームにファンが殺到。結果、発車が7分も遅延してしまった。ネット上では、ホームで《髪を引っ張られ、顔をひっかかれた》と報告をしている人も見られた。
「新幹線遅延などのトラブルはどのグループでも起こっています。ファンの迷惑行為に対し、ジャニーズ側も何も対策を打たなかったわけではなく、何度となく注意喚起を行ってきました」(芸能プロ関係者)
仙台駅でのトラブルについてJR東日本に話を聞くと、
「事前に話をし、駅員を増員するなど対策をしていたが、トラブルとなってしまいました。コンサート後に、改めて改善などを話し合いました」(JR東日本広報部)
迷惑行為が目立っていたJUMPは、メンバーも注意を呼びかけていたが、ファンには届かなかった。'18年に八乙女光はブログで、《僕はHey! Say! JUMPのライブ開催自体を考え直したほうがいいと思っている。会社と真剣に話し合いたい》
と、強い口調でコメント。残念ながら彼の言うように、本当に中止となってしまった。応援するメンバーからの呼びかけにも耳を貸さないファンというのは、いったいどういう心理なのか。JUMPのファンに話を聞くと、
「メンバーに“ついてくるんじゃねーよ!”ってキレられることもあるけど、それに対して、その場では“怖い~”って言う。だけど、少し離れたところから“結局、ウチらのことを気にしてるじゃん”って、メンバーに聞こえるように言い返したりします」
あまりに近づきすぎ、恐怖を感じたメンバーからジュースをかけられたファンもいるという。しかし、それでも意に介さない。嫌われたとしても、自分を見てほしい、気にしてほしいという屈折した心理がそこに……。
ジャニーズの別グループのファンの女性は、JUMPのファンをこう分析する。
「JUMPのファンはコンサート中、自分の応援するメンバーしか見ない。というのも、初期から彼らはファンサービスがよくて、要求に反応してくれるんです。でも、ここ数年ステージの形が変わったり、以前より出待ちが厳しくなったりして親近感を求めるファンは欲求不満になった結果、移動中まで追う人が多くなってきたのかも」
なぜジャニーズは今回、この決断に至ったのか。概算ではあるが、'18年のJUMPのアリーナツアーのチケット売り上げの合計は15億8000万円にものぼる……(ドームツアーを合わせると54億4000万円)。
「ファンと距離が近いアリーナじゃなくて、今後はドームサイズでやっていきたいという意思も感じますね。また、JUMPだけじゃなくて、後輩グループのファンへの“見せしめ”としての意味あいもあるのでは」
グループを問わず幾度となくトラブルを起こしている過激なファンたちだが、罪には問われないのか。杉並総合法律事務所の三浦佑哉弁護士は、
「鉄道会社の運行業務を妨害したという点が、威力業務妨害罪に該当する可能性があります。その場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。民事責任としては民法の不法行為に該当し、鉄道会社への損害賠償責任が生じる場合も。
ただ、賠償責任を負う場合でも、その金額は、特急払戻金や振替輸送代など、実際に鉄道会社が余分に支払った費用に限られますし、そもそも請求をされるのも、遅延行為が悪質ととらえられた場合に限られるでしょう」
追いかけ回す行為は?
「迷惑防止条例違反、もしくはストーカー規制法違反となる場合があります」
メンバーが嫌がる迷惑な行為が結果、ファン自身が悲しむことになるのをお忘れなく。