5月22日、交際中の女優・小嶺麗奈とともに大麻取締法違反容疑で逮捕された、元『KAT-TUN』の田口淳之介。
多くの人が同じ容疑で一昨年に逮捕された、同じく元『KAT-TUN』の田中聖(のちに不起訴処分)のことを思い出し、関連しているのでは、と頭をよぎったことだろう。
いずれもジャニーズ退所後の事件とはいえ、かつての人気ジャニーズタレントの逮捕は大きな話題を集める。なかでも元『SMAP』の稲垣吾郎・草なぎ剛の逮捕は、いうまでもなく“衝撃的”だった。
逮捕歴&警察ざたの豪華メンバー
稲垣吾郎は2001年に公務執行妨害と道路交通法違反容疑で現行犯逮捕(のちに不起訴処分)。約5か月間、芸能活動を休止した。
草なぎ剛は2009年に公然わいせつ容疑での現行犯逮捕。約1か月の活動休止となった。
上記の元SMAP2名以外で逮捕歴のあるジャニーズ出身タレントは、そのほとんどが薬物関連のものとなる。
'70年代にソロ歌手として活躍した豊川誕は、'98年から3度、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されている。元『フォーリーブス』の北公次がグループ解散翌年の1979年、同じく元『フォーリーブス』江木俊夫は1999年、元『光GENJI』の赤坂晃は2007年と'09年に、それぞれ覚せい剤取締法違反で逮捕。赤坂の最初の逮捕は、まだジャニーズ事務所在籍時だったため、逮捕翌日に解雇が発表された。
また、元『男闘呼組』メンバーの成田昭次の逮捕は2009年。田口、田中と同じく大麻取締法違反での逮捕だった。
「元『TOKIO』の山口達也の強制わいせつ容疑や、他人の携帯電話を持ち去った山下智久は、警察ざたにはなりましたが、書類送検で逮捕には至っていません。ほかの警察ざたというと、木村拓哉のスピード違反や、二宮和也や松本潤の衝突事故もありました。また、未成年の飲酒や喫煙騒動でグループ脱退や退所したタレントも複数います」
と、ある芸能ジャーナリストは言う。
逮捕事例だけで見てみると、上記のとおり元SMAPの2人以外、軒並み薬物関連での逮捕となっている。なぜ、薬物に手を出し抜け出すことができなかったのだろうか。前出の芸能ジャーナリストが言う。
「若いころから華やかな世界で活躍しているとさまざまな交流が広がるため、“闇の世界”の人々との接触が増えてしまいます。また、事務所の退所後に薬物に手を出してしまう場合は、たいてい、きらびやかなスポットライトを浴びていた時代との現在のギャップに悩んで、薬物に逃げてしまうのではないでしょうか」
現状よりも視野と活躍の場を広げるための退所が一転、薬物で逮捕されてしまえば、活躍するどころか、活動の場を奪われる。実際に逮捕されたタレントたちが、その後、どのような“活躍”をしたかは、周知の事実。
今回の田口容疑者もしかり。彼が今後、どんな活躍をしても今回の逮捕の事実は消えない。連日、報道されることによって迷惑をこうむっているのは、退所したとはいえ『KAT-TUN』のメンバーやジャニーズタレントの面々だ。
『KAT-TUN』の中丸雄一は26日、『シューイチ』(日本テレビ系)で田口容疑者について「心底、残念。ひっくり返った。元メンバーなので最後まで信じたかったが、使用の供述もあると聞いたので、擁護する点はひとつもない」と言及。
また中居正広や『TOKIO』の国分太一も、それぞれ情報番組内で後輩の逮捕について発言している。
「退所している人間とはいえ、一時期でも同じ事務所で活動していたために、同僚や先輩タレントは発言をせざるえない。またジャニーズタレントの場合、若者に与える影響力が大きく、報道の扱いも厳しい傾向にあります。
何度も『人気アイドルグループKAT-TUNの元メンバー』と、『KAT-TUN』の名前が連呼されていますが、それによって、現在活動している3人が、どんな思いで報道を見聞きしているのか。辞めた人間の悪事とはいえ、彼らのイメージや活動範囲を狭めるばかりです」(同)
退所後にもずっとつきまとう「元ジャニーズ」という看板。その重さを実感するのは、逮捕されたあとではもう遅い。
<取材・文/渋谷恭太郎>