川栄李奈と“2.5次元”俳優、廣瀬智紀の突然の結婚・妊娠発表には驚いた。
'10年にAKB48第11期研究生オーディションに合格してAKB入りを果たした川栄。'15年にグループを卒業し女優に転身すると一気に花が開いた。卒業した翌年にNHKの朝ドラ『とと姉ちゃん』に出演、今年に入ってからもすでに4本のドラマに出演している。CM出演本数も十数社に及びCM女王と呼ばれることに異論を唱える者はいないだろう。
幸いアルコール飲料のCMに出ていたり、出演作のスケジュールに支障をきたすようなことはなかったという。しかし、いまもっとも波に乗っている彼女がいきなり、結婚・妊娠で活動を休止するのだから、各方面への影響は計り知れない。所属事務所も頭を抱えたのではないかと想像できる。
もちろん彼女は引退するわけではないので、出産後は復帰が予想される。しかし約1年ほどのブランクが復帰後にどう影響するのかが気になるところだ。世代交代、入れ替わりが激しい昨今の芸能界において、1年も休んでしまったら、せっかく得たポジションを失う危険性も多分にある。
産休前後のメディア対策
ブレイクしているとはいえ、まだ“主演クラス”とまではいかない川栄も、決して安心できるポジションではない。
すべての女優が結婚・妊娠・出産を計画的に進めているとは限らないが、たいていは仕事の進行状況、つまりドラマや映画、番組の出演、CM出演などを考慮して所属事務所とある程度計画を立てるものだ。
しかし、今回、川栄の事務所は彼女の妊娠について「寝耳に水」だったというから大変だ。
そして、いちばん不安視するのは、復帰後に休止前同様に仕事が順調に入ってくるかどうかだろう。
そのためには、「世間に忘れられないように」自身の存在を視聴者に常に焼き付けておかねばならない。できるだけ産休に入っていると感じさせないことが肝要となる。
松嶋菜々子は、人気絶頂期の'04年2月に第1子妊娠が公になり5月に出産している。産休中はドラマ出演を控えていたのだが、出世作『やまとなでしこ』(フジテレビ系)をはじめ出演作品の再放送が多く見られ、また同年8月には『住友生命』のCMで復帰を果たした。
「『住友』のCMは出産後まもなく放送が開始となりました。収録もそのタイミングをぬって行われたのではないでしょうか。『やまとなでしこ』を再放送したフジテレビが彼女の妊娠真っただ中の4月に再放送したというのはやはり、“世間が松嶋菜々子離れ”しないような思惑があったと考えられます。
もちろん、もともと高視聴率を叩き出したお化けドラマではありますが、所属事務所に恩を売り、また今後も自局のドラマに出てほしいという思惑もあったのでは? これには事務所も大喜びだったそうですよ」(芸能プロ関係者)
広末涼子は'03年、舞台出演中に妊娠が発覚。動きの激しい舞台であったが、降板することなく最後までやり遂げた。ギリギリまで仕事を続けた彼女は産休に入るも、翌年には復帰。その晴れ舞台に当時はまだ圧倒的なブランド力を誇っていたフジテレビの『月9』を選び、大きな話題を呼んだ。
彼女らのような一線級の人気女優でも、「産休前後のメディア」対策は怠らなかった。
果たして、川栄はどんな“作戦”で産休・産後を乗り越えるのだろうか。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌などで取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。