「認可も認証も認可外も、あらゆる保育施設の説明会や見学会に参加して申し込みましたが、全部落ちましたね」
“保活”激戦区に住む2歳児の子を持つワーママの言葉だ。保育園探しに苦しんだ彼女は、24時間預かってくれるベビーホテルに子どもを預けて、2次募集でやっと認可の保育園に受かったという。そんな多くの待機児童を抱える都内の地区のひとつに、安藤サクラも住んでいる。
「サクラさんは、'12年に俳優の柄本佑さんと結婚。'17年には女児を出産しています。その数か月後に、NHKの朝ドラ『まんぷく』主演のオファーがあり、育児を選ぶか、仕事を選ぶかで相当悩んだそうです」(テレビ誌ライター)
“ワンオペ育児”状態も……
義理の両親は柄本明と故・角替和枝さん、自身も奥田瑛二と安藤和津を両親に持つ芸能一家。朝ドラ出演の背中を押したのも、ママ女優の先輩である義母だった。
「角替さんに相談すると、“今、朝ドラの主演をやんないんだったら、女優やめちまいなよ”と言われたそうです。女優業を続けながら3人の子どもを育てた義母の言葉がすごく心強かったんだとか」(同・テレビ誌ライター)
こうして朝ドラ初のママヒロインが誕生。『まんぷく』は、日清食品の創業者と妻をモデルにしたストーリー。
「サクラさんは食べることが大好きなヒロインを演じて、平均視聴率は21・4%。過去2年の朝ドラ作品の中で最高の数字を残しています」(スポーツ紙記者)
撮影は東京を離れて長期間、大阪で行われた。
「サクラさんは、娘さんを大阪に連れていき、2人暮らしをしていました。夫と会えなくて寂しい思いもあったようですが、撮影が始まると案外、生活を楽しんでいたようです」(同・スポーツ紙記者)
昼間は娘を大阪にある認可外の保育園に預け、夕方には撮影現場に連れていくという“ワンオペ育児”状態。さぞかし大変そうに思えるが……。
「本人は“洗濯ものも食事も2人分だからラクちん”と明るく話していました。撮影現場でもサクラさんを支えようと専任のスタッフを雇ってキッズスペースを作ったそうです」(NHK関係者)
撮影は2月末にクランクアップしていたが、サクラと娘は3月末まで大阪に滞在した。
「娘さんが通っていた保育園の発表会が終わるまで大阪に残ったんです。娘さんが発表会の練習をする姿を見てサクラさんが“今の生活をパッと切り替えてしまうのはかわいそう”と思ったんでしょうね」(同・NHK関係者)
発表会には、たまたま仕事で大阪に来ていた柄本明と安藤和津も参加したという。
'18年公開の映画『万引き家族』で、第42回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得するなど、公私ともに順風満帆のサクラ。だが、東京に戻ってからは映画やドラマなどの女優業をセーブしている。
毎日、娘と向き合っています
「待機児童が400人を超える地区にお住まいですから、娘さんの預け先がなくて困っているのかもしれませんね」(芸能プロ関係者)
国民的女優をも悩ませる“保活”問題。6月上旬の夕方、娘と公園から自宅に帰ってきたサクラに話を聞いた。
─娘さんの預け先は決まりましたか?
「決めていません。というか、今は私自身がどういうふうに娘と過ごしていくのがいいのかを考えています。自分と家族が納得できる形を探している最中なんです」
─保活はしていない?
「いわゆる認可の保育園に入れるのは、この地区ではかなり厳しくて、みなさんが困っていると聞いています。大阪で通っていた保育園もすごくよかったんですけど、私は今、なんとかなっているので、自分が保育園に申し込むべきではないんじゃないかな、とも思っていまして……」
─しばらくは女優業をお休みする?
「はっきりと決めているわけではないんですが、今は連続ドラマや映画などの長時間を拘束されるお仕事はお休みしていまして、毎日、娘と向き合っています。でも、たまにちょろっとワンシーンだけ出演するお仕事はいただいていて、そのときは夫や家族に娘を見てもらっていますね」
─本格的な女優復帰のメドは立てていない?
「仕事は“出会い”なので、先のことはわかりません。ただ、娘はもうすぐ2歳になるので、幼稚園という選択肢も出てきていて。今はそれもいいのかなという気持ちに傾いていて、近所にある幼稚園を見学したりしています」
家族3人で過ごすことも大切にしているというサクラ。
「夫がオフの日でも、私が彼に娘を預けて外出することはありません。家族3人がそろう時間は貴重なので、できるだけ3人一緒にいたいんです」
子どもがいると、どうしても朝は慌ただしくなるが、
「私はいつまでも寝ていたいタイプ(笑)。だから夫が朝ごはんを作ってから仕事に行ってくれるので、すごく助かっています」
ふと顔を見ると、サクラの頬には泥汚れがペタリ。娘と公園で遊んだときについたものらしく、庭先で泥んこになった娘の靴を洗う姿は“お母ちゃん”そのものだ。最近では家庭菜園も始めているという。
「子育てで困っていることはひとつもなくて。だから、子どものことも“前向きに悩んでいる”というか。私の目標は健やかな日常を過ごすことなんですが、今は穏やかな暮らしができていて幸せです」
サクラは家族みんなが“まんぷく”になる子育てをゆっくりと模索している。そんな彼女に、『まんぷく』の撮影中に亡くなった角替さんがこんな言葉をおくっていた。
「子どもは全部で5人。あと4人産んで、女優やってたらカッコいいぜ!」
この遺言を実行するかのようなひと言もあった。
「授かりものなんで何とも言えませんが、子どもは産めるだけ産みたいです」
子だくさんのサクラの姿が見てみたくなった。