北川景子、桐谷美玲

 20世紀末ごろの“アムラーブーム”で注目された女性の小顔信仰だが、2019年になってもいまだ根強い。

 5月に発表されたアンケート調査「小顔すぎる女性有名人ランキング」(出典:gooランキング)では、1位 安室奈美恵、2位 北川景子、3位 桐谷美玲、4位 佐々木希、5位 中条あやみという結果が出た。

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 美容整形でも、エラを目立たなくさせる小顔目的のボトックス注射や、有村藍里が受けた輪郭矯正・骨切り術など、小顔にする施術の人気が高い。

 はたして、ランクインした女性芸能人の輪郭や頭の形は、もはや一般人と違うのか? また、小顔の条件とは? 美容整形外科「高須クリニック」の高須克弥院長に話を伺った。小顔になりたい方、必見です!

──体格のせいかもしれませんが、昔の日本の人気俳優や女優は、そこまで“小顔”という印象はありません。そもそも日本で、女性の小顔信仰はいつごろから始まったのでしょうか?

高須「戦前から1960年代くらいまでの舞台・映画全盛期は、顔の大きさは“目立ちやすさ”だったので、大顔でよかったんだよね。どっしり、しっかりした顔だとスクリーンや舞台でも映えるでしょう? だけど活躍の場がテレビに移り、1970年代以降、モデルたちもタレント化すると、“スタイルが欧米的でいい”と8頭身がもてはやされるようになった。この時期はファッション誌もたくさん創刊されたし、洋服を着て全身写真を撮ると、顔が小さくてスラッとしてるほうが、そりゃあきれいに見えるよね」

──確かに、洋服を着こなす“カッコいいスタイル”という要素が加わると、昔の映画スターはちょっと違うかもしれませんね。

高須そして1990年代にはタレントのキャッチコピーが〇等身だとか、股下何cmだとか、スタイルのよさに寄せるパターンが多発、そして安室さんの登場で“小顔でスタイルがいいことが憧れの女の条件!”と決定打になった感じだったかな。

 当時は安室さんがテレビに出るたびに司会者が“顔が小さい!”って言ってたし、そうなると注目も集まり、いつしかそれがいいこととなってしまう。視聴者も“顔が小さくてやせてるから、こんなカッコいい衣装も似合うんだ”って思っちゃうでしょう」

「顔の小ささ」を決める条件とは?

──憧れの像が変化するにあたって、メディアの影響は欠かせないかもしれません。ところで、“小顔”とは言いますが、「顔の小ささ」を決める条件は何なのでしょうか?

高須輪郭の大きさ。それに目鼻口など、パーツの大きさや配置がバランスいいとかも大事だね。あとは顔が小さいということと同時に、身長に対して手脚がスラっと長いのも大事! 小顔とは、そのものの大きさではなく、全身のバランスなので

──なるほど。ちなみにランキング1位になった安室奈美恵さんは、一説によれば顔のサイズは縦が約17cmと言われています。北川景子さんは縦18.5cm・横幅12.5cm、桐谷美玲さんは縦18.5cm・横12cmとの情報も。日本の青年女性の平均は縦21.8cm、幅15.3cmというデータ(AIST人体寸法・形状データベースより)からすると驚異的です。彼女たちの頭部って、一体どうなっているんでしょうか?

高須骨格は、確かに頬骨やエラ・あごを切って小さくする施術もありますが、もとは生まれつきのもの。日ごろのケアで変わるものではありません。なのでズバリ、遺伝と言えるでしょう。なかでも彼女たちは、顔の縦・横ともに小さく、手脚も長くてほっそりしているので、よけいそう見えるのだと思います。そもそも、売れっ子芸能人たちは、オーディションなどですでに選ばれているわけだし、小顔でスタイルがいいのは当たり前だよね」

整体やエステの“小顔コース”、効果は?

──う~ん。遺伝かもしれませんが、女性には果てしない小顔への憧れがあるもの……。整体やエステなどの“小顔コース”はたくさんありますが、このようなものはどれくらい効果があるのでしょうか?

高須顔の骨格は骨切り手術以外では変わりません! なので、マッサージ的な効果でむくみが解消するというものかな。でも、スッキリ感があってリラクゼーションだけを目的にするなら、定期的に通うのもいいと思うよ

──ちなみに、今の美容整形では、小顔にする施術はどのようなものがありますか? 今、人気の施術は?

高須「通っているうちに戻りにくくなり、ダウンタイムもいらないボトックス注射と、“切らないフェイスリフト”とも呼ばれるウルセラは安定して人気ですね。ほかの方法としては、頬やあごの脂肪吸引、注射で脂肪の減少を目指すメソセラピー、先ほどあげた骨切り術といったところでしょう」

──いろいろな方法があるんですね。では、普通の人が北川さんや桐谷さんみたいな小顔になる施術方法は、ズバリおいくらかかるのでしょうか?

高須個人差があるから、小顔というより全体のバランスを見てのメンテナンスだと思うけど、ボトックス注射で15万円の場合もあれば、脂肪吸引や骨切りなどを組み合わせて100万円以上いくこともある。経験豊富なクリニックでしっかりカウンセリングし、ダウンタイムや費用も考えて、自分に合う小顔対策をしてほしいね!」


<プロフィール>
高須克弥(たかすかつや):
1945年、愛知県生まれ。高須クリニック院長。医学博士。昭和大学大学院医学研究科博士課程修了。昭和大学医学部客員教授。
脂肪吸引手術など世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。金色有功章、紺綬褒章を受章。『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『ダーリンは70歳/高須帝国の逆襲』(Kindle版)、『行ったり来たり僕の札束』(小学館)、『ダーリンは71歳・高須帝国より愛をこめて』(小学館)、『炎上上等』(扶桑社新書)、最新刊は『大炎上』(扶桑社新書)