磯野貴理子、ビートたけし、早乙女太一と西山茉希、岩崎良美……今年も有名人たちが続々と離婚を発表。夫婦の3組に1組が離婚する時代といわれるが、日本の離婚件数は増えているのだろうか?
厚生労働省の調査によると、実は日本の離婚率(人口1000人に対する離婚件数)は2003年の2・3%をピークに減り続けて、'18年の離婚率は1・66%に。これって多いの、少ないの??
ちなみに総務省統計局の'19年調査によると、世界で最も離婚率が高いのはロシアで4・7%、次いでベラルーシの3・4%など旧ソ連圏の国々が目立つ。社会保障制度の充実した北欧各国もデンマークの2・6%を筆頭に、フィンランド、スウェーデンなどで離婚率は高め。離婚大国のイメージが強いアメリカは2・5%だった。これらを見る限り、世界基準では日本の離婚率が高いとは言えないようだ。
とはいえ、日本で年間20万7000組もの夫婦が離婚しているのは事実。「明日はわが身か」と、他人事とは思えない既婚女性の読者も多いはず! そんな身近(?)な離婚について、30代~60代の女性707人にアンケートを実施した。
1位はさんま&しのぶ。あなたの記憶に残るのは?
まずは、どんな有名人の離婚劇が心に残っているのかを探ってみた。「忘れられない有名人の離婚」ランキング(下表)で1位に輝いたのが、大竹しのぶと明石家さんま。離婚からなんと30年近くもたっているのに、まさかの首位に!
「離婚会見での×印が印象的」(37歳・会社員)、「こんなに円満な離婚はなかなかない」(44歳・パート)、「離婚後も共演NGでないのは初めて見た」(37歳・主婦)など、円満離婚で今もいい関係を築いているのが堂々1位の要因のようだ。
「このふたりが1位なのは、アメリカ映画でありがちな設定の“元夫婦”みたいに、別れても仲がいい理想の離婚スタイルなんでしょう。ただし、そんな仲よしの元夫婦なんて幻想。アメリカにもいないよってデーブ・スペクターも言ってましたよ(笑)」(芸能ジャーナリスト・佐々木博之さん)
続いて僅差の2位は松居一代・船越英一郎。「松居さんの壊れっぷりが……」(50歳・主婦)、「YouTubeを使うのがエグかった」(38歳・会社員)、「異常だった」(43歳・会社員)と妻側の言動が注目を集めた。しかし、夫婦問題研究家の岡野あつこさんの見方は異なる。
「妻側の過激な行動が、自身の株式投資などで築き上げた資産を守ったとも言えます。つまり『とにかく離婚できたらお金も何もいらない』と夫側に言わせるようにもっていった、妻側が一枚上手のアッパレな離婚ともとれます」
これが事実であるとするなら、松居は相当な策士と言えるだろう。ちなみに岡野さんが忘れられない離婚ナンバーワンもこのふたり。前出・佐々木さんの1位は“泥沼が最高だった”美元・高嶋政伸と、“1億or芸能界引退を要求した”小柳ルミ子・大澄賢也の2組だという。
アンケートの3位はモラハラをクローズアップした離婚劇として注目を集めた三船美佳・高橋ジョージ。「おしどり夫婦のまさかの離婚でびっくり」(38歳・主婦)、「モラハラは意外だった」(60歳・パート)。24歳の年の差婚だったが、
「年の差婚は年齢の低い側が成長して気持ちに変化が起きるのは、ままあること。7位の磯野貴理子さんの離婚も同じです。離婚理由の『子どもが欲しい』に対して、最初からわかっていたのに、と感じる人も多いようですが、年を重ねるごとに気持ちが変化するのは当然。年下と年の差婚をするなら覚悟が必要です。
その点、貴理子さんがスパッと諦め、別れを受け入れた潔さは立派でした。周囲の同情は不要だと思います」(岡野さん)
たけしはどうしても別れたかった?
5位には6月に離婚したばかりのビートたけしがランクイン。「今ごろなぜ?」(55歳・会社員)、「慰謝料がすごすぎて」(47歳・主婦)と離婚時期と莫大な慰謝料に驚く人が多かった。
「熟年離婚の典型。一般の男性でも不倫関係にあった女性と人生をやり直そうと熟年離婚をする人が増えています。たけしさんが財産のほとんどを元奥様に渡したという報道に驚きました。
一般論ですが、とてもよい離婚条件でさえ財産の半分プラス自宅くらいが相場。たけしさんは最後に男気を見せたとも言えます。スゴイ! ただ、元奥様目線からすれば“そこまでして自分と別れたかったのか”ともとれるので、おつらいとは思います」(岡野さん)
9位にランクインした南果歩・渡辺謙には、「妻が療養中の旦那の不倫はさすがにありえない」(39歳・パート)、「渡辺謙には、がっかり!」(53歳・会社員)と渡辺謙へ非難が集中。
「もちろん病気で妻が苦しんでいる最中の不倫など言語道断! とはいえ、世界のケン・ワタナベ。許しも請うていたことだし、いくらでもやり直す機会はあったのでは? 南さんのプライドが邪魔したのでしょうね」(岡野さん)
11位の河野景子・元貴乃花親方については、「しがらみから? よくわからない」(32歳・会社員)、「ずっと円満だと思っていた」(57歳・自営)など離婚するとは思わなかった、という意見が多かった。
「一般的に言えば離婚はしなくてもいいケース。もともと別居婚だったようですから、このまま別居を続ければよく離婚する理由がはっきり見えません。仮に元親方側の収入が確保できない、借金があるといったお金に関する何らかの問題があって、景子さんがお金を確保するための離婚ということであれば、ありうるケースです」(岡野さん)
続いて「次に離婚しそうな芸能人」のランキングを見ていこう。2位の約3倍もの得票数を集めた断トツ1位が、蒼井優・山里亮太。「山ちゃんが捨てられそう」(52歳・会社員)、「スピード婚すぎる。山ちゃん騙されてない?」(48歳・主婦)、「合わなそう」(40歳・主婦)と手厳しい。
「予想については、なぜか、われわれ芸能記者よりも一般の芸能好きの女性たちのほうが当たる(笑)。“このふたりは離婚するね”と言われた夫婦は90%が離婚したのでは? そういう意味では危ないかもしれませんね」
と佐々木さんも心配顔。また、浮気やDVなどが原因の離婚以外では、妻のパワーが夫より勝っているケースが多いという。
「一般人でもそうですが、別れても女性ひとりでやっていける場合の離婚が多い。だからよく、結婚して家庭に入り、しばらく仕事していなかった女性芸能人が急にテレビに出だしたりすると、離婚が近いんじゃないかと思われるんですね。実際、芸能界の歴史を見ても、そんなケースは多いですから」(佐々木さん)
2位には元AKB48の川栄李奈・廣瀬智紀。「でき婚で旦那の二股騒動があったから」(33歳・パート)、「収入格差と夫の二股の過去で」(36歳・主婦)など夫の女性関係に関する声が多かった。続いて3位は藤原紀香・片岡愛之助。「梨園の妻より芸能人として活動しそう」(63歳・主婦)、「どちらも無理してそう」(41歳・主婦)といった声があがっている。
別れる理由をリサーチ!
厚労省の調べによると同居期間別の離婚件数の推移は1947年以降、変わらず「5年未満」が最も多く、次いで「5年以上10年未満」の順。そんな中で近年、20年以上の夫婦の離婚が増加傾向だ。前出・ビートたけしも39年の結婚生活を終えたが、35年以上の熟年離婚も目立つ。
一般的に、どんな原因で別れる男女が多いのか。最高裁判所が開示しているデータによる男女別の離婚理由ランキングを見ていこう。
第1位は男女ともに性格の不一致。また男性8位の同居に応じない、女性2位の生活費を渡さない以外の離婚理由は、順位は異なるが、男女ともに変わらない。
「以前にはあまり見られなかったのが妻側の暴力や異性関係。異性関係は、30代~50代に増えていて、これは妻が働くケースが増えていることに起因します。また、ランク外ですが妻がお酒を飲みすぎるというのも同様に増加傾向です。ママ友との飲み会で酔っ払い、帰宅後、オラオラ系に豹変して夫に暴言を吐いたり、あたったりする“アルハラ”妻なども増えているようです」(岡野さん、以下同)
男女ともに上位に入る精神的虐待はいわゆるモラハラ。怒鳴る、物にあたる、呼びかけの無視、不機嫌な態度などさまざまだ。また、暴力をふるうというのは、精神的虐待も受けている状態だと考えるのが妥当だと岡野さんは語る。
「男性側の“同居に応じない”は、夫の両親との同居を拒むケースもありますが、母子密着の顕著なケースも。自分の実家にいりびたりがちな妻に多く、里帰り出産して、そのまま実家を離れないことも。また、子どもの学校や受験などを理由に夫の転勤に帯同しない30代、40代の妻も多いようです」
そのほか、産後クライシスと呼ばれる、出産前後の夫の態度も大きなポイント。後々まで結婚生活に影響することも。
「妻が出産で大変なときに浮気をしたなどはもってのほかですが、手伝ってくれない、気遣ってくれないという妻の憤りは恨みに変わることも。熟年離婚の根源は産後の夫の態度・行動にあり、それを長年、恨みとして持ち続けていたという話もよく聞きます」
離婚カウンセラーとして日々多くの相談者の話を聞く岡野さんだが“離婚はしないに越したことはない”という姿勢をとる。法律では解決できない夫婦の気持ちの誤解を解き、修復すると、元の鞘に収まるケースも多いと語る。
「度重なるDVや家計を維持できないほどの膨大な借金など、明らかに離婚という解決策しかない事案以外は、まずは離婚以外の策をすすめます。実際の割合でいうと相談者の約3分の2が後者です」
最後に、ただでさえストレスフルな離婚を少しでも円満に進めるコツを聞いてみた。
「まずは結婚生活を否定から入らないこと。夫婦でともに過ごした時間でよかったこと、嫌だったこと、受け入れられなかったことなどを冷静に話し合うことが大切。慰謝料などのお金については、法律の範囲を超える要求は関係を悪化させるので欲張りすぎはダメ。いろいろと思うところはあるでしょうが、相手を誹謗中傷しないことも円満離婚に導くための重要なポイントでしょう。
結婚生活を続けるにしろ、終わらせるにしろ、踏みにじられてくしゃくしゃになった心に向き合った経験こそが、再びよみがえるときに、人間を強く、器を大きくしてくれます。このことを忘れずに、すべての女性に本当の幸せをつかみとってもらいたいと思います」
《PROFILE》
岡野あつこさん ◎離婚カウンセラー・夫婦問題研究家。自らの離婚経験を活かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。現在「離婚カウンセラー養成スクール」を開校し後進の育成にも取り組む。
佐々木博之さん 芸能ジャーナリスト。宮城県仙台市出身、中央大学理工学部卒業。元フライデー記者、芸能レポーター。現在も週刊誌などで取材活動を続けておりテレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。