複数の所属芸人による、“闇営業”問題に端を発した吉本興業の話題が、大きく世間を騒がせた。なかでもダウンタウンの松本人志と極楽とんぼ・加藤浩次の、それぞれの番組を中心とした発言に注目が集まる状況は、現在もなお続く。
また2人だけでなく、友近やタカアンドトシのタカ、ハリセンボンの近藤春奈、平成ノブシコブシの吉村崇など、それぞれの立場から番組やSNSで意見を発信する芸人も後を経たない。
動く松本、静かな浜田
そんななか、一貫して沈黙を貫いているのが、ダウンタウンの浜田雅功だ。その状態に、「さすが芸人の鑑」「余計なこと言わない浜ちゃん、カッコいい」など、ネットやSNSで評価が上がるという状態が続いている。
そんな浜田について、「芸人みんなのことを考えてくれている」と、自身のツイッターに浜田とのツーショット写真ともに綴ったのが、品川庄司の品川祐だ。品川によると、初めて写真を一緒に撮らせてもらったとのこと。世間が心配するこのタイミングで、あえてツーショットを掲載した品川の行動とツイートにより、浜田が一連の騒動についてちゃんと考えていると読み取れ、安心するファンも多かった。
いち早く、「松本、動きます」と、ツイッターで発信し、『ワイドナショー』などで発言を続ける松本と、まさに「静観」とでもいうぐらい、表立つ行動や発言を現時点でまったくしていない浜田。コンビで対照的なスタンスの違いに理由はあるのだろうか。あるテレビ局関係者はこう言う。
「浜田さん自身の芸人としての考え方やスタンスなどもあるかとは思いますが、松本さんと違って浜田さんがコメントするような番組をもっていなかったり、SNSをやっていなかったりなど、単純に発信する場がないというところがいちばん大きいのではないでしょうか」
松本人志の『ワイドナショー』、加藤浩次の『スッキリ』をはじめ、ビートたけしの『新・情報7days ニュースキャスター』、明石家さんまのラジオ『ヤングタウン』など、メディアで自身の意見を発表する場を持つ大物芸人は多いが、浜田にはそのような番組はない。
「浜田さんのほうが、一般の人にとっては遠い存在での仕事をしていることが多いですよね。お笑いや番組をやっているとき以外、素の自分を見せたくないタイプの人ではあります。そして、まじめなことを言うのがそもそも好きじゃないというのもあると思います」(同・テレビ局関係者)
怖いから??
また、ダウンタウンの関係性もあるのでは、という見方も。お笑いに詳しい芸能記者は言う。
「表に出る部分は松ちゃんにまかせて、浜ちゃんは静かに見守っているという見方もあります。テレビなどの本番以外では楽屋が別なので、あまりプライベートなことを話す機会もない。今回の件も、実際に動いているかどうかは別として、松本さんが何かやったり言ったりするから自分もと、足並みをそろえることはしないはずです。きっと、自ら前に出ることが嫌いなんでしょう。でも、ダウンタウンはそうやってうまくバランスをとっているコンビだと思います」
自身の番組やSNSアカウントなどを持たない芸人も、何かの会見の際や、事務所やテレビ局での出入り、ロケ先などで囲まれて取材に応じたりすることもある。浜田に対しても、そのような取材があってもおかしくないが、どのメディアも浜田のところには行っていない。
「それは、怖いからでしょうか(笑)。うかつに声をかけたら、どんな反応が返ってくるかわからない。危険を察知して記者やレポーター側も、近寄らないようにしてるのではないでしょうか。」(前出・記者)
浜田が沈黙を破るようなことがあれば、そのときこそ、何かが大きく動く前触れと考えてもいいのかもしれない。
<取材・文/渋谷恭太郎>