刹那的に生きていた男が、父性に目覚めたことで娘の命を救うためと自分の濡れ衣を晴らすために逃亡を続けるタイムリミットサスペンス、『TWO WEEKS』(フジテレビ系 火曜夜9時~)主演の三浦春馬が初の父親役で新境地に挑むドラマの舞台裏とは─。
殺人の濡れ衣を着せられた男が娘の命を救うために逃亡劇を繰り広げる、タイムリミットサスペンス。原作は、韓国の同名ドラマ。
描きたいのは“父性愛”
スリリングな逃亡にアクション、闇の組織、政治家の陰謀や思惑が複雑に絡み合うサスペンスと見どころは多いが、制作する関西テレビの岡光寛子プロデューサーが描きたいと思ったのは“父性愛”だという。
「父と娘の物語を描きたいと思ったのが、そもそもの始まりです。父と娘の親子の情は、友達のように何でも話してわかり合う母と娘の関係とはまた違ったものではないかと思ったんです」
主人公の結城大地役を演じるのは、三浦春馬。結城は殺人未遂で服役した過去を持ち、人生に希望を持たずに過ごしていた。しかし、8年前に一方的に別れを告げた交際相手のすみれ(比嘉愛未)から、自分との間にできた娘のはな(稲垣来泉)が白血病を患っていることを知らされる。幸運にもドナーとして適合し、骨髄移植を待つ結城だったが、その矢先、殺人の濡れ衣を着せられ、逮捕されてしまう。
はなの手術まで2週間。結城は娘の命を救うため、決死の逃亡に身を投じた。
アラサーだからこその魅力を爆発
来年30歳の三浦は、初の父親役に挑戦している。
「実際にお子さんのいる俳優さんにではなく、初めて娘に出会ったことで父性が芽生えていく感情を演じていただきたいと思いました。
春馬さんには“追い込まれるところを見たいし、そこからどうやって這い上がっていくのかも見たい。徐々に父親になっていく父性愛の表現も見たい。リアルな感情を表現していただけますか”と、お願いしました。
春馬さんは、以前から舞台などでも活躍し、素晴らしい俳優さんだと思っていますが、今作では“30歳目前の三浦春馬の魅力を爆発させる”という気持ちも込めています」(岡光P、以下同)
誠実な好青年役のイメージがある三浦だが、今作の結城に笑顔はない。
鋭い眼差し、逃げ続け、追いつめられる迫真の演技、ほぼスタントなしのアクションに加え、主題歌も担当。まさに、三浦の魅力が“爆発”している。
「逃亡中の結城が夢うつつの状況で、はなの幻を見るシーンがたびたび登場しますが、ここだけは結城の表情が若干和らぐ、癒しのシーンになっています」
ヒロインで検事の楓役は、原作より若いイメージにして芳根京子が演じる。
「等身大で演じてくださいとオファーしましたが、新人検事らしい猪突猛進さに加え、芳根さんご自身の内に秘めた意志の強さが表れ、大人の魅力のある女性になっています。
すみれ役の比嘉さんは、これまで培われた女性としての芯の強さ、女性にも嫌われない魅力を持った女優さんです。今後、結城と婚約者の有馬(三浦貴大)との間で心が揺れ動く役柄なので母でありながら、女性としての強さがある方がいいと思ってお願いしました」
娘に会いたくて仕方ない春馬パパ
サスペンス、アクション、親子の物語など重層的なエンターテイメントだが、わかりやすい作りにもこだわっている。
「事件に関しては今どういう状況なのか、楓が関係図やモノローグなどを使っておさらいする役割も担っています。音楽は、逃亡のテーマ、親子のテーマなどに分けているので、音からも状況をわかるようにしています」
結城は今後もさらに逃亡を続け、そのたびに危険な状況に追い込まれていく。
「逃亡劇のため、春馬さんはロケばかりで大変です。“来泉ちゃんに会いたくてしかたない”と、来泉ちゃんの携帯の待ち受け画面や動画を見ていることもしばしば。
父親を擬似体験している春馬さんはとてもチャーミングです(笑)」
逃亡中にさまざまな人と触れ合うことで、結城は父性愛を深めていく。
「すみれが一生懸命、はなを育てていることへの感謝だったり、後悔、葛藤なども描いていきます。話が進むにつれ結城の表情が変化していくところにもご注目ください。そして、濡れ衣を晴らし、娘のために潔白の身でドナーとして手術を受けることができるのか、見届けていただけたらと思います」
はな役の来泉ちゃんは、芝居だけでなく絵の才能もあり、お絵描きシーンは、実際に彼女が描いているものだそうで、要チェック!
また、はなが大切にしているぬいぐるみには“レッピー”という名前も。「レモン色とピンク色だからレッピー(笑)。逃亡中の結城はレッピーをはなの分身だと思っています。彼が考えたり行動を起こす前にはレッピーを見つめ、キーアイテムになっています。
はなが結城に“約束だよ”と両手の親指を立てたのは、春馬さんと相談して、レッピーの耳をイメージしたポーズです(笑)」(岡光P)