空気を読みすぎる自分に嫌気がさし、仕事も恋も、すべて捨て、人生をリセットしたアラサー女子の物語。原作は、連載中のコナリミサトの同名漫画。主人公の大島凪役を演じるのは、黒木華。
三角関係、お暇生活の行方は?
凪は、幸せな人生を手に入れるため“お暇生活”に突入。さまざまな人と出会い、ふれあうことで、空気を読まず、自分らしくいられる、よい場所を模索していた。ところが凪に未練たっぷりのツンデレ元カレの慎二(高橋一生)の意外な素顔、1度は恋人関係になって夢中になったゴン(中村倫也)の心の変化など、予想外の出来事が次から次へと起こり─。
「この先の見どころは、凪に思いを寄せる慎二、ゴンとの恋の行方もありますが、彼女がお暇生活を終わらせるのか? 人生、次の一歩をどう踏み出すのかというところです」
と、中井芳彦プロデューサー。黒木の主演で作品を作りたいと思っていた時期、偶然、原作を読み、制作を決めたという。
「黒木さんが初めて天然パーマの凪のヘアスタイルになったときには、イメージ以上で感動しました。髪が伸びるのが早く、ケアが大変だそうですが(笑)。
そして、高橋さんが演じる慎二の号泣シーン、中村さんが演じるゴンと凪とのやりとりを見て“慎二がいる。ゴンがいる”と感じたのを今でも覚えています」(中井P、以下同)
次週予告が無い理由
最後までキャスティングに苦労したのは、武田真治が演じるスナックのママ役。見た目のインパクトやおネエの恋愛指南役で、キーパーソンのひとり。
「原作では女性なのですが、コナリ先生に相談して、男性に。武田さんは、バラエティー番組のドッキリ企画でのリアクションが面白く、すぐにオファーしました。個性的な役なので、困惑されているかと思いきや快く引き受けてくださいました。打ち合わせのときには、自前で衣装を用意してきたり、監督のイメージとすり合わせ、今作のママが誕生しました」
凪のTシャツの柄が毎回違っていたり、凪の節約料理が登場するなど細かな部分まで遊び心が満載で、SNSなどでも話題になっている。
「料理はおいしそうに見えるよう工夫しています。キャストの方にもおいしいと評判で、なかでも土鍋茶碗蒸しは好評でした。
毎回、タイトルバックが映し出される場所が違うのは、坪井敏雄監督のアイデアです。
主題歌にのせてキャストやスタッフを紹介するエンドロールはなくし、一瞬ですが、全画面を使ってスタッフ名などをすべて出しています。通常、スタッフの名前は、初回と最終回以外は抜粋で出すことが多いですが、みんなで作ってる作品なので全員出したい。でも時間がかかりすぎてはいけないので、この方式にしました。
そして、次週予告を放送しないで、ネットのみで公開にしています。次週を知らないほうがよりお楽しみいただけると思ったのですが、いかがでしょうか?」
最新話の見どころは?
凪が新生活を始めるときに拾って黄色く塗った扇風機がアカウントをもってツイートしているのも、試みのひとつ。
9話(9月13日放送)では、凪の母親・夕(片平なぎさ)が北海道から上京し、凪の部屋を訪問。そして、あることを進めようと意気込む─。
「撮影では雨が降ってほしいときに晴れ、降らないでいいときに降ることが多かったですね。苦労はありますが、スタッフ全員で、原作ファンの方にまで楽しんでいただける面白い作品にしたいという気持ちで、一丸となっています。
キャストの方々は、黒木さん、高橋さん、中村さん、それぞれ初共演の方が多いですが、楽しそうです」
絵心のある中村がイラストを描いたり、原作者や主題歌『 リブート 』 を歌うmiwaの激励訪問に、現場も盛り上がったそう。
「凪が誰かを思う、誰かが凪を思う。人と人とのふれあいから生まれる気持ち、気持ちの揺れを描くように心がけて作っていますので、最終回まで見届けていただければ幸いです」
いるよね~! こういう女子
凪の元同僚で慎二にひそかに思いを寄せている足立心(瀧内公美)は、隠し見どころ。
「凪に雑用を押しつけたり、キツいことを言ったりしていましたが、いわゆる“悪役”ではないんです。彼女なりに頑張って生きているけれど、悪気のない言動で、知らないうちに周りの人を傷つけてしまう。そんな女性を描きたかったんです。もしかしたら、自分も足立のように人を傷つけているかもしれない、と感じるかもしれません。この先の足立の言動にもご注目ください」(中井P)
《INFORMATION》
金曜ドラマ『凪のお暇』 TBS系 金曜夜10時〜