ジャニーさん死去、事務所に駆けつけた山下智久(2019年7月)

 いま、海外発の報道に山下智久のファンが揺れている。

9月20日に、アメリカのエンターテイメント業界誌『Variety』のウェブサイトが山下さんの記事をアップ。海外で活動の幅を広げるために、エンタメ企業『Overbrook Entertainment(オーバーブック・エンターテインメント)』との契約にサインしたという内容でした。ジャニーズに在籍しながら、海外の芸能事務所と契約するのは異例ですよ」(スポーツ紙記者)

 彼が契約した事務所の代表を務めるのが、アメリカの人気俳優のウィル・スミスだ。

'98年に設立され、主に映画製作を手がけている事務所です。山下さんは、ウィルさんと彼の息子のジェイデン・スミスさんと親交があるので、自然な流れといえるでしょう」(同・スポーツ紙記者)

「後輩のために道を切り開いていきたい」

 渦中の山下は現在、日本を離れ、海外に滞在している。

「来年の春に放送予定の日欧共同制作ドラマ『THE HEAD』の撮影のため、今年7月からスペインにいます。ヨーロッパの主要放送局や中南米など23の国と地域での放送、各国の配信プラットフォームでの公開も決定しています。日本からマネージャーも通訳も同行せず、ひとりでロケに取り組んでいますよ」(同・スポーツ紙記者)

 ジャニーズでは異例のことだが、芸能界で仕事のために海外の事務所と契約するケースはある。

ローラさんや木村拓哉さんの娘のKoki,さんも、現地での活動を円滑に行うためにエージェントと契約しています」(同・スポーツ紙記者)

『弁護士法人・響』の坂口香澄弁護士は、日本と海外の芸能事務所には違いがあると指摘する。

海外の芸能事務所というと、エージェントのことをいいます。日本の芸能事務所のようにタレントのマネージメントはせず、仕事の獲得や出演交渉だけを行います。アメリカではタレント個人がエージェントのほか、必要に応じてマネージャーや広報を雇い、自分中心のチームを作るようなイメージですね

 日本では、タレントが事務所に所属しているという考えだが、海外では真逆だ。

エージェントにとってタレントはクライアントの1人で、タレントにとってエージェントは仕事を獲得してくる業者という対等な取引関係です。日本では事務所に仕事のギャラが入って、事務所からタレントに給料を払うのが一般的ですが、海外ではギャラはタレント本人に支払われ、タレントからエージェントに対して、そのうちの何%かを報酬として支払う形になります」(坂口弁護士)

 海外のメディアでは、山下が契約を交わしたのは最近のことだと報じられているが、実は1年ほど前から水面下で話が進んでいた。

昨年3月に、山下さんはジェイデンさんと一緒に『東京ガールズコレクション』に出演しました。そのころから契約に関する話をしていたそうです。山下さんが“ジャニーズで初めてのことに挑戦して、後輩のために道を切り開いていきたい”と話していたことにウィルさんが共感し、自分が代表を務める会社で、彼をサポートしようと考えたといいます」(山下の知人)

 ただ、その後はお互いの仕事が忙しかったのか、具体的に契約が決まったのは、今年の夏ごろだったという。

5月16日に、ウィルさんが映画『アラジン』の舞台挨拶のために来日。何日か日本に滞在している間に、山下さんと会って本格的に話し合ったそうです。当時、彼はTBS系で放送されたドラマ『インハンド』の撮影中でしたが、忙しい合間を縫って着々と準備を進めていたみたいですよ」(同・山下の知人)

ふたつの事務所を使い分け

 海外で、山下のバックアップをするのはウィルだけではない。昨年11月に週刊女性で報じた、彼のアルバム『UNLEASED』の作詞にも関わった音楽プロデューサーのJ氏だ。

Jさんは元KAT-TUNの赤西仁さんを中心とした“赤西軍団”の一員で、一時期は彼のマネージャーとしても働いていました。今回の契約にもJさんが関わっているそうです。彼はウィルさんとも親交が深いので、山下さんの海外の仕事をサポートしたいと考えたのでは」(同・山下の知人)

 異例の“二重契約”にいたった背景には、山下の海外志向の強さがある。

「ジャニーズJr.時代から足しげく海外に行っていましたからね。当初は英語を話せませんでしたが、今では通訳なしで現地のメディアの取材に対応するほど成長しました」(芸能プロ関係者)

 日本でドラマや映画に出演しながら、海外での活動も徐々に増やしていった。

 気になるのは、今後の彼の方向性だ。日本と海外の活動は両立できるのだろうか。

「ここ数年、海外の映画に多く出演していることから、現地での活動が中心になっていくのは間違いないでしょう。ただ、彼は日本での人気も高いので、国内の仕事はジャニーズ事務所、海外ではウィルさんの事務所というふうに使い分けていくのではないでしょうか」(同・芸能プロ関係者)

 7月に恩師であるジャニー喜多川社長が亡くなって以来、たびたび山下がジャニーズを退所するという噂がささやかれているが……。

「5月13日にNHKのBSプレミアムで放送された『ザ少年倶楽部 20周年蔵出しセレクション』で、20周年を記念してジャニーズJr.のプロデュースをすることを発表しました。最近は、Jr.の『美 少年』の楽曲プロデュースに取り組んでいます。大役を任されているので、それを放り出して退所する可能性は低いと思いますよ」(ワイドショー関係者)

 ジャニーズには残るものの、山下は“独立”に向けた青写真を描いている。

最近、周囲に“アイドルという枠にとらわれずに仕事をしたい”と熱っぽく話しているそうです。34歳になり、単に事務所から与えられた仕事をこなすのではなく、自分がやりたい仕事を積極的に取りにいきたいのでしょう。ひとりの役者としてさまざまなことに挑戦したいという気持ちなのではないでしょうか」(同・ワイドショー関係者)

 芸能ジャーナリストの佐々木博之氏は、今回のエージェント契約によって、新たな可能性が広がると話す。

「ジャニーズ事務所ではこれまで海外の事務所と契約して、俳優活動をするケースはありませんでした。ただ、亡くなったジャニー社長はタレントの海外進出も考えていました。今後、山下さんが海外で活躍すれば、その夢に近づくための第一歩になるのでは」

 山下の“二重契約”の件について、ジャニーズ事務所に問い合わせたところ、

当社は、ご質問にございました『Overbrook Entertainment』ではなく『Westbrook Entertainment』(ウィル・スミスさんご家族のマネージメント会社)という会社とアメリカやカナダなどにおける山下智久に関するマネージメントの一部業務委託を行っております

 とのことだった。つまり、現地メディアで報じられていたウィルの事務所ではなく、彼の事務所の関連会社と業務提携したということらしい。

 “世界の山P”になる日もそう遠くない!?