「女優としてのキャリアがどうなるのか知りたくて、この作品をやらせていただくことに決めました。今までは作品の数をこなして、場数を踏めば自分の実力や成長につながると思ってやってきましたが、このお話をいただいたとき、考え方に変化が生まれました。
ひとつの役をこれだけ長く演じさせていただけることって、これ以上ない贅沢なことなんじゃないかなと。そして、撮影期間の11か月間を終えたあと、自分がどんな進化を、どんな成長をしているのか知りたくなったんです」
長く演じることで、役柄に合わせ成長していく
これまで数々の映画やドラマで活躍してきた戸田恵梨香が、連続テレビ小説『スカーレット』のヒロイン・川原喜美子としてこれから約半年間、日本の朝を彩る。
「10代の喜美子を演じたときは、若いエネルギーを、全身を使って全力で表現して、終わったあとは息切れしてしまうくらい(笑)。今、撮影では20代を演じていますが、10代とはまた違った汗のかき方で、これから30代、40代と成長していった喜美子でも、芯の強さ、意志の強さ、そして周りの人々を笑顔にする力を持っている部分はブレずに表現していけたらと」
陶芸ならではのプレセントも
演じる喜美子は女性陶芸家の草分け的存在になっていくということで、陶芸の稽古にもかなり励んだらしく、
「撮影に入る前の稽古の約3か月間で、20点近い焼き物を作らせていただいて、そのうちのひとつは共演者の大島優子さんにプレゼントしました。女性の陶芸家は少ないと聞いていて、“どうしてなんだろう”と思っていたのですが、実際に経験してみると本当に力のいるお仕事で、そう言われている意味が少しわかったような気がします。
陶芸の先生に教えていただいているときも、先生の使っている土の硬さでは、私には力も体重も足りなくて、練ることすらできなかったんです」
喜美子を演じるために、こんな準備も。
「もともと太りにくい体質なので、病院に行ってきちんと自分の身体を知るという意味で検査をして、自分に合った運動法だったり、食生活を見直しました。
特に15歳を演じたときは、10代特有の丸みを表現したかったので、タンパク質よりも炭水化物を意識的にとって。1食で1・5合食べるときがあるくらいたくさん食べて、ジムに行って運動をしていました」
連続テレビ小説『スカーレット』NHK総合(月)~(土)、朝8時~ほか