「10月7日、天皇・皇后両陛下は東京国際フォーラムで開かれた『更生保護制度施行70周年記念全国大会』に臨席されました。
更生保護制度は、犯罪や非行で処分を受けた人たちが、社会の一員として更生するのを助ける目的として施行され、両陛下が同制度の節目の式典に臨席されたのは初めてです」(皇室担当記者)
“雅子さまシフト”
おふたりは、更生保護事業に功績のあった『保護司』を表彰され、温かい拍手を送られていた。
「『令和』に入ってからの雅子さまは、都内公務はもちろんのこと、地方で行われた6月の『植樹祭』をはじめ、9月の『全国豊かな海づくり大会』『国民文化祭』『国民体育大会』の“四大行幸啓”にもすべてご出席されました。
いまだに療養中ではあるものの、皇后としてのお仕事をまっとうされるお姿に、周囲は驚いています。
その裏には、平成時代の天皇・皇后ご夫妻が2泊3日で地方訪問に出かけられていたのに対し、令和では1泊2日に変更するなど、負担を軽減する“雅子さまシフト”などが、うまく機能しているからだといえるでしょう」(侍従職関係者)
好調ぶりが続く雅子さまだが、ついに、皇室にとって“最重要儀式”とされる『即位の礼』が直前に迫っている。
『十二単』をお召しに
「政府の委員会が儀式の細目を決定しましたが、当日の両陛下は午前5時には起床、午後11時ごろまで分刻みのスケジュールが組まれています。
10月22日の午前中、雅子さまは『十二単』をお召しになりながら、髪は伝統的な“おすべらかし”で『賢所大前の儀』と『皇霊殿神殿に奉告の儀』に臨まれます。
午後には再び、十二単に着替えられて宮殿・松の間で行われる『即位礼正殿の儀』を、その後は皇居から赤坂御所までの祝賀パレード、夜には皇族方や海外の要人なども多数出席する『饗宴の儀』に参加されます」(宮内庁関係者)
休憩時間もほとんどない“過密スケジュール”なのだが、その中で最も重要な儀式といえるのが『即位礼正殿の儀』だという。
「『即位礼正殿の儀』は、天皇陛下が“高御座”に、皇后さまが“御帳台”にのぼられます。これは、天皇の即位を国内外に宣言するもので、テレビで生中継が行われるほど注目度の高い儀式であり、雅子さまにも必ず出席していただきたい儀式なのです」(皇室ジャーナリスト)
重要行事が詰め込まれている1日なので、雅子さまのご体調への影響に少し不安が残るが、今回の即位礼は平成時と比べて“変更点”がいくつか存在する。
徹底された周囲のサポート
「平成の『即位礼正殿の儀』では、美智子さまは宮殿の中庭にいる参列者の前を通られていましたが、今回は側扉から松の間に入られることになりました。参列者は設置されたモニターで、儀式の様子を見守ることになります。
一見、『適応障害』でいらっしゃる雅子さまの負担を軽減するための施策だと思えますが、これはあくまで昭和以前に京都御所で採用されていた“伝統的な経路”なんです。
平成の際は、準備期間が短かったこともあり、例外的なルートになったそうですが、今回は事前に儀式の日程も決まり、準備期間に余裕があったので、以前のルートを踏襲することになったのです」(前出・皇室担当記者)
国内外の要人などが約400人も出席する『饗宴の儀』の内容も、前回と異なる。
「平成時には、4日間連続で昼夜合わせて計7回も催されましたが、今回は10月22日、25日、29日、31日と日にちを空けながら開かれます。
招待人数も前回から約800人減った2600人で、着席形式と立食形式を2回ずつ行うことになり、両陛下の負担が軽減されました。
さらに、10月22日の1週間前ごろから、皇室の方々も参加される即位礼のリハーサルが計3回行われるなど、入念に準備されています」(前出・宮内庁関係者)
即位礼のために、周囲のサポートも徹底される中、美智子さまも“特別なお心遣い”を見せられていた─。
“誕生日は簡素に”
「即位礼の2日前である10月20日は、美智子さまの85歳のお誕生日です。
しかし、今年は大事な儀式の直前なので、美智子さまから事前に“誕生日は簡素に”という申し出があったのです。そのため、昨年までは行われていた祝賀行事の一部をとりやめることになりました。
今までは、宮殿で行っていた皇族方や政府幹部からの祝賀も御所でできる範囲で行い、当日のご祝宴も、ご多忙である両陛下の負担にならないように、ご昼食だけになったそうです」(上皇職関係者)
美智子さまはお代替わり後、常に両陛下のことをいちばんにお考えになっている。
「例えば現在、上皇ご夫妻は皇居から『高輪皇族邸』へのお引っ越しの準備を進めていらっしゃるのですが、美智子さまは朝から晩まで作業を行っておられます。
ただ、膨大な量の荷物がおありなのと、今年5月以降は白内障と乳がんの手術を受けられており、作業がスムーズに進んでいない現状に対して“周囲に迷惑をかけて申し訳ない”と、こぼされていると聞いています。
さらに、両陛下から“私たちがお手伝いに行きますよ”と提案されたこともあるそうなのですが、美智子さまは“天皇ご一家に、そんなことはさせられない”と断られたそうです」(同・上皇職関係者)
美智子さまは、ご自分のお誕生日やお引っ越しよりも、目前に迫っている両陛下の重要儀式を大切に思われているのだ。
皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさんも、次のように話す。
「雅子さまは10月22日に、皇室にとって特に大切な行事が控えていらっしゃいます。
そのため、2日前にお誕生日を迎えられる美智子さまは、両陛下を立てるためにも、祝賀に関する行事を控えめにしてほしいという要望を伝えられたのでしょう。
今回は、即位関連の儀式も簡素化されていますし、周囲のサポートもあるので、雅子さまもご立派に行事をまっとうされると思いますよ」
美智子さまの“全力サポート”が、雅子さまにとって最高のアシストになるはずだ。