アーサー・コナン・ドイルが生んだ傑作ミステリー『シャーロック・ホームズ』シリーズをドラマ化。脚本は『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』『白い巨塔』の井上由美子が担当する。
マグマのように熱いハート
今作の『シャーロック アントールドストーリーズ』(フジテレビ系)で原作のシャーロック・ホームズにあたる主人公、誉獅子雄役を演じるのは“月9”初主演のディーン・フジオカ。
「ディーンさんとは『モンテ・クリスト伯―華麗なる復讐―』、『レ・ミゼラブル 終わりなき旅路』と2作続けて古典原作のドラマ化でご一緒させていただきました。
知的でスマートなイメージですが、クールさの中にはマグマのように熱いハートをお持ちだと知りました。だからこそ、さまざまな感情の起伏のある人物を演じることができるのでしょう。
海外でも活躍しているディーンさんから醸し出される“無国籍感”、出身やルーツを感じさせない雰囲気も、古典作品の映像化には大きな役割を果たしていると考えています」
こう話すのは、太田大プロデューサー。古典3作目となる今作では、これまでディーンが演じてきたなかで最も強烈で難解、色気のあるキャラクターという。
「ディーンさんが醸し出す“得体の知れない感じ”にご注目ください。ミステリアスとはちょっと違う。謎めいていて素敵だけど、どこか不安、近寄りがたさを感じるような演技はディーンさんならではのもの。
ご本人はとてもフランクな方ですが、獅子雄は、身近すぎない、得体の知れない魅力をまとっています」(太田P、以下同)
獅子雄のバディで、原作のジョン・ワトソンにあたる若宮潤一役に、ディーンとは初共演の岩田剛典、レストレード警部にあたる江藤礼二役を佐々木蔵之介がそれぞれ演じる。
「役名は、獅子雄(S)、誉(H)とシャーロック・ホームズ、潤一(J)、若宮(W)とジョン・ワトソンと、原作と同じ頭文字になるように、音感を意識して決めました。
誉は、あえて画数が多く、怖そうなイメージの獅子雄と命名。若宮は爽やかで品がある、イメージで選びました」
事件の舞台となるのは“令和の東京”。
サブタイトルの“アントールドストーリーズ”とは、直訳すると“語られていない物語”。ドラマ版では、原作でシャーロックが、わずかしか語っていない過去の解決した事件を題材にして、練り上げていった。
「スタッフもキャストも、コナン・ドイルへのリスペクトをもって制作しています。原作ではロンドンの地の利を生かした作品が特徴的なので、今作も、大規模再開発中のエリアや、オリンピック会場にゆかりのあるエリア、下町風情漂うエリアなど毎話、東京の街並みにもフィーチャーしていきますのでご注目を」
俺ら、何やっているんだろう
ディーンと岩田は初共演ながらバディとして良好な関係を築いている。
「シーンによってはカオスですね。ぐちゃぐちゃっていうか、ドロドロっていうか。カットがかかって冷静にその場をみると“俺ら、何やっているんだろう?”と思うことがあります(笑)」(ディーン)
東京都内のロケを新鮮に感じ、撮影の合間には“パトロール”と称した散歩を楽しんでいるというディーンは、
「下町には日本の伝統のコミュニティーもあって、東京ってパトロールしがいがありますよね」
物語は、犯罪捜査コンサルタントの獅子雄が宿無しとなり、ある事件で知り合った精神科医の若宮の部屋に転がり込み、共同生活。それをきっかけに難事件を解決するバディとなる。
第3話(10月21日放送)では、渋谷の空き家で、身元不明の老人の遺体が発見された事件に挑む。
「“月9”はラブストーリーのイメージをお持ちの方も多いかと思います。今作は男女のそれではないですが、獅子雄と若宮との熱い友情や共同生活にはラブストーリーの要素を感じることができるかもしれません」(太田P)
シンガー・ソングライターとしても活躍するディーンは、今作の主題歌『Shelly』も担当している。
◆みんなの“アニキ”蔵之介は“ゆるキャラ”!?
獅子雄が解決した事件の手柄を自分のものにする、ちゃっかり者の江藤警部を演じる佐々木蔵之介について、ディーンいわく、
「“ゆるキャラ”なんですよね。笑わないで真顔でいるとちょっと怖そうじゃないですか。でも、お話しさせていただくと、めっちゃかわいいんですよ。僕が言うのも失礼なんですけれど、癒されるっていうか。先輩ですけれど本当に、チャーミングなんです」
蔵之介は思い当たる節を「記憶にございません!」
そんな蔵之介を太田Pは、「キャスト、スタッフ“みんなのお兄さん”として主柱でいてくださるんです。ディーンさん、岩田さんと佐々木さんは、ベストなトライアングルだと思っています」
『シャーロック アントールドストーリーズ』フジテレビ系 月曜 夜9時〜