《これからもずっとずっと君たちの笑顔は先生の宝物であり、生きがいです》
兵庫・神戸市の教員間いじめ事件の被害教員は発表した手記で、教え子らにそんなメッセージを伝えた。
被害教員の代理人は週刊女性の取材に、
「先生は児童のことばかり話しています。そして教壇に戻りたい、とそればかり。加害者を憎むようなことは話しません。すごく優しい、優しすぎる人かもしれません」
ベテラン先輩教員4人がグルになり、20代のX教員にいじめの限りを尽くした前代未聞の教員間いじめ事件。関係者らの証言でさらに悪質な余罪が浮き彫りになりつつある。
関節技をかける、首を絞める、ビール瓶を口に突っ込ませ飲ませる、衣服を破る、乳首に掃除機を当て吸わせる、など50項目を超える。
X教員のほかにも被害者がいた。同校の20代の教員男女には無理やり性行為を命じ、その証拠写真を送らせたという週刊誌報道も飛び出した。
PTSDのような症状が…
悪質な教員を束ね、いじめの後押しをしていたのは“女帝”と呼ばれるベテラン教員のAだ。X教員に激辛カレーを無理やり食べさせる動画には、満面の笑みを浮かべた、女帝の大笑いが、しかと記録されている。
「10月16日の保護者説明会で4人の謝罪文が公表されました。A先生は『自分の行動が間違っていることに気づかず、彼が苦しんでいる姿を見ることは、かわいがってきただけに本当につらいです』と記していました」(全国紙記者)
と、いまだに反省も自覚もなさそうだ。
授業もうまく、休み時間も児童と遊ぶなど、「保護者からも児童からも人気でした」(保護者)というX教員。
咋年までは女帝との関係も良好だったが、「2人の関係性」は崩壊し、ベテランとして指導するべき若手はいじめのターゲットになった。
X教員の現状について、前出・代理人はこう伝える。
「精神的に不安定な状態が続いています。PTSDのような症状かもしれません。事件がフラッシュバックすることもあるそうです」
しかしX教員は、《いつか、みんなの前でまた元気になった姿を必ず見せに行きます》と手記に寄せているように、つらかった記憶にも立ち向かおうとしている。
事件について、元小学校教員で児童福祉が専門の沖縄大学名誉教授の加藤彰彦氏は、
「自分より劣っている、やっても大丈夫だと認識した先生をストレスのはけ口にした。ただし、1人ではできないので集団で。子どもたちのいじめの構造と同じです。ほかの教員たちも関わらなければ安泰という構造に入っていた」
と指摘。では、なぜX教員は教員を続けたのか。加藤氏は当事者でなければわからないが、と前置きをしたうえで、
「X先生は夢があって教師になったからそれを曲げなかった。耐えながら一生懸命、登校し、先生をやり続けたのでしょう。私は立派だと思います」
前出・保護者も、
「先生が戻ってきたら児童はもちろん、保護者も全力でサポートすると話しています」
この言葉が、被害教員に届くことを願いたい。