みちょぱ(池田美優)、ゆきぽよ(木村有希)、朝日奈央……最近、バラエティー番組で彼女たちを見ない日はない、と言っていいほど、その活躍はめざましい。
「若くて明るいキャラでルックスも華やか、それでいて、みんなリアクションもいい。ロケでもひな壇でも、今のバラエティーで欠かせない存在になっていますね」
と、ある芸能記者は言う。
少し前のバラドルの存在
それだけではない。彼女たちが起用される理由はほかにもある、というのはある放送作家だ。
「同じような番組が並ぶ中で、やはり新しくて若い子たちが出ていると、番組自体にフレッシュな雰囲気を出すことができますよね。華があって人気のある彼女たちによって、ちゃんと最新の空気が出せる。若い視聴者層にも共感されることも多いですし、上の世代には新鮮さを感じさせることができる。引っ張りだこの理由は、そういったところではないでしょうか」
少し前までの“バラドル”たちが活躍していた時代は、ただ賑やかに盛り上げればいい、または、ただカワイイだけでいい、という傾向にあったが、いま活躍する子たちは、裏表なく本音で話し、一生懸命さを感じさせてくれる子が人気をつかんでいるという。
面白くてリアクションもよく、しかもルックスもいい。そんな彼女たちの活躍に危機感を持っているのは、女芸人たちの立ち位置だ。そこに、影響は出ないのだろうか。
「ここ最近は、立ち位置が難しいところはありますね。以前は見た目を茶化されることで笑いをとっていたり、それを武器にしていましたが、そういった笑いが時代と合わなくなってしまった。大久保佳代子さんやいとうあさこさんのように、ベテランで存在感のある人はまだまだ需要があると思いますが……」(前出・放送作家)
確かに若手女芸人よりも大久保佳代子やいとうあさこたちが、みちょぱなどのとからむ図のほうがよく見る光景になってきているが、女芸人を職にするする女性はまだまだいる。前出の作家が、彼女たちの“需要”への危機感について話す。
「数年前に放送された『27時間テレビ』で、メインパーソナリティーを女芸人軍団にまかせた年がありましたが、視聴率はかなり低いものでした。また、これまで2回開催された女芸人だけのコンテスト『THE W』も、優勝したのが、ゆりやんレトリィバァと阿佐ヶ谷姉妹という、すでに人気や実力を兼ね備えている面々だったことからも、全体のレベルの低下を感じます」
生き残るために
バラエティーの出演人数は、ある程度、限られている。みちょぱやゆきぽよらの台頭の影響は“新陳代謝”のように番組を活性化させるが、女芸人だけでなく、少し前まで引っ張りだこだった女性タレントにまで、影響がおよんでいる。
「鈴木奈々やダレノガレ明美あたりは、みちょぱらとキャラかぶってしまうのではないでしょうか。岡田結実や小島瑠璃子のように、コメント力が高かったり、藤田ニコルのようにモデルの仕事などに比重を高めつつ、うまくバランスをとっていければいいのでしょうが」(前出・芸能記者)
ということは、みちょぱたちも同じように、今はバラエティーに引っ張りだこだが、いつかは「世代交代」の時期を迎える運命なのである。
「生き残るためには、藤田ニコルさんや小島瑠璃子さんのように、どのぐらい実力を示すことができるか、また、ほかの人と変えがきかない存在になれるかどうか、というところではないでしょうか」(前出放送作家)
常に新しいものが求められるテレビの世界。自分自身の新しい魅力を発見できるかにかかっているようだ。
<取材・文/渋谷恭太郎>