吉幾三

《おめだの爺コ婆々 どしてらば? 俺えの爺コだば 去年死んだネ おめだの兄さま どしてらば? 俺えの兄さま知らねじゃ私! 東京さ行ったって聞いだばって 東京のどのどさ行ったがや? さっぱど分がねじゃ! 俺の兄! バカコでバカコで しかだねね!》

 10月30日、吉幾三(66)の新曲『TSUGARU』がリリースされる。同曲は、彼の地元である青森県北津軽群の方言である津軽弁で全歌詞が構成された日本語ラップだ。

「9月12日に配信限定でリリース。You Tubeにミュージックビデオが公開されると、再生数は2週間で200万回以上を突破。ネット上でも、《この曲を紅白で見たい》《笑って聞いていた父が泣いていた》と絶賛する声が続出し、急きょCDで発売されることが決まりました」(スポーツ紙記者)

あの有名曲の“アンサーソング”だった

 難解な津軽弁は、ほとんどの人が聴いても意味を理解できないにもかかわらず、なぜここまで反響があったのだろうか。

「実は、この曲は'84年にリリースされた『俺ら東京さ行ぐだ』の“アンサーソング”でもあるのです。津軽にいる親が、地元を出ていったわが子がなかなか帰ってこないことを嘆く歌詞になっています。津軽出身の人は、この曲を聴いて共感することも多いみたいですよ」(同・スポーツ紙記者)

 冒頭の歌詞も、東京に行った息子がどこにいるのかわからないと、近所の人に愚痴をこぼす場面となっている。

 35年がたったいま、なぜアンサーソングを作ったのか。

「昔から伝わっている津軽の言葉を後世に残したいという思いで、この曲を作ったそうです。ミュージックビデオの撮影も津軽で行ったほど、彼の地元愛は強い。ただ当初、彼はCD化にはあまり乗り気ではなかったそうです」(芸能プロ関係者)

 では、どのような経緯で津軽弁ラップがCDとしても販売されることになったのだろうか。販売元であるレコード会社の『徳間ジャパンコミュニケーションズ』に話を聞いた。

「本人は、当初CD化には賛成しませんでしたが、インターネットをあまりご覧にならない方々にも楽しんでいただきたいという話に賛同し、決定しました。 CD化の音源は『オリジナルバージョン』として、ネットで配信されている曲とは少し異なる編集をしており、CDでしか聴けない音源となっております」(制作宣伝本部、以下同)

新曲『TSUGARU』(c)(株)徳間ジャパンコミュニケーションズ

 CD発売においても、さっそく反響が出ているという。

「全国のレコード店から想定以上のオーダーをいただいております。青森県内では、道の駅やお土産店など、CDショップ以外でも販売する予定です。また、有線チャートも上昇しており、より多くの方に楽しんでいただけると思います」

『TSUGARU』が出だっきゃ大ヒットも間違いねェ!?