10月20日から放送されている木村拓哉主演のドラマ『グランメゾン東京』(TBS系)が好評だ。
「かつてパリで二つ星レストランに勤務し、将来を期待されていた主人公がトラブルを起こし料理界を追放されます。3年後に、料理人の鈴木京香さんと出会い、かつての仲間を誘ってお店を開き、三ツ星獲得を目指す物語です。共演者には、及川光博さんや沢村一樹さん、Kis‐My‐Ft2の玉森裕太さんなど、豪華なメンバーがそろっていますよ」(スポーツ紙記者)
そんな話題作にいま“ある疑惑”が浮上している。
「設定やストーリーが、‘15年に公開されたアメリカの映画『二ツ星の料理人』に酷似しているんです。『グランメゾン』に原作はなく、フジ系のドラマ『世にも奇妙な物語』などでおなじみの脚本家の黒岩勉さんによるオリジナル作品。しかし、2作品が非常に似ていることから、ネット上では《パクリではないか?》という声もあがっていますよ」(映画配給会社関係者)
多すぎるストーリーの共通点
いったいどのあたりが似ているのだろうか。
「『二ツ星の料理人』は、一流の腕を持ちながらトラブルを起こして店を追われた元二つ星レストランのシェフが、三ツ星獲得を目指して奮闘する物語です。『グランメゾン』同様、主人公が3年後にかつての同僚や女性の料理人をヘッドハンティングするのですが、元同僚からは次々に断られて店を立ち上げるのは非常に難航します。主人公の経歴やかつての同僚を誘っても断られる展開など、2作品には共通点が多いんです」(同・映画配給会社関係者)
『グランメゾン』の第1話では、木村が日仏首脳会談の昼食会でフランスの大臣にアレルギー食材を提供してしまったことで職を失うシーンがある。『二ツ星の料理人』でも似たような場面があって……。
「仲間に裏切られ、レストランに現れたミシュランの調査員の料理のソースに大量の唐辛子を入れられます。その結果、三ツ星を得るチャンスを逃してしまうんです。大まかなストーリーだけでなく、こうした細かい部分でも似ているところがあっては盗作を疑われても無理ないですよ」(同・映画配給会社関係者)
盗作か、オマージュか
確かに似ている部分が多いような気もするが、それだけで盗作だと決めつけることはできない。映画パーソナリティのコトブキツカサ氏は、今回のようにストーリーが似るケースは多いと指摘する。
「あるテーマを扱って、かぶる部分があるのは当たり前です。『スターウォーズ』シリーズは、‘58年に公開された黒澤明さんが監督を務めた映画『隠し砦の三悪人』がモチーフだと言われていますし、三谷幸喜さんが脚本を手がけたフジ系のドラマ『古畑任三郎』は、‘68年から’03年まで放送されたアメリカのサスペンス・テレビ映画『刑事コロンボ』と似ていると言われていました。
ただ、三谷さんは『古畑』が『刑事コロンボ』のオマージュであることはほぼ認めています。彼は『刑事コロンボ』が大好きで、その作品をモチーフにどう変化させるかを考えたそうです」
ただ、昔はそうした類似性を咎めることは少なかったという。
「まだSNSやネットが発達していなかったので、作品が似ていると思っても、仲間内で話す程度でした。しかし、いまは似ている作品を見つけると、ネットで粗を探したり、重箱の隅をつつくような言い方をします。
私も日本の映画を見て、“ここはハリウッド映画のあの部分と似ているな”と思うことはありますが、それをネガティブにとらえるのではなく、“この部分はあの映画のオマージュなんだ”と考えます。よいエッセンスを取りあげて作品を作るのはよいことですから、楽しんで見たほうがいいと思いますよ」(コトブキ氏)
『グランメゾン』も、海外映画をモチーフにして作っているのだろうか。TBSに問い合わせたところ、
「さまざまな取材や資料をもとに制作しております。今後の展開もどうぞご期待ください」(広報部)
ストーリーが似ているのは、単なる偶然なのか、よい部分を参考にしたのか、それとも……。