※写真はイメージです

 におわせ=彼氏である芸能人がテレビ出演の際に身につけているものを自分も身につけたり、彼氏を連想させるようなものをSNSに投稿したりする女。におわせは芸能人だけではなく、一般人の間にも普及している。実際に“におわせオンナ”に夫を盗られた女性に事の顛末を詳しく語ってもらった。

自撮りがドアップの年賀状で宣戦布告!?

「あのバカ女が浮気の軌跡をSNSにアップしてくれたおかげで有利に離婚できました」

 スッキリとした表情で話すのは三村唯さん(仮名・44)。商社勤務の元夫(50)との間に中学1年生と小学1年生の娘がおり、離婚後は2人とも唯さんが引き取っている。

 唯さんが初めて夫の浮気を疑ったのは、2年前の夏。

「夏休みは必ず家族で過ごしていたのに仕事だというんです。なんかおかしいと思ったけど、今さら浮気を疑うのもね」

 怪しいとは感じながらもやり過ごしたという唯さん。浮気が確信に変わったのは年賀状だった。

“今年はもっともっと一緒に仕事しましょう♪”って書かれていたんです。まだ26、27歳くらいの子ですよ。自撮りの顔がドアップの年賀状で。上司に送る年賀状じゃないですよね。元夫好みの顔だなとすぐにわかりました。目がくりくりっとしていて小動物系で。これは私への挑戦状なんだろうな、と思いましたね

 唯さんはすぐに年賀状の差出人の名前をネットで検索。すると実名でインスタグラム、ツイッターがヒットした。そこで唯さんが見たものはなんと!

「元夫の顔こそ写っていませんでしたけど、腕、足、カバン、時計、元夫の私物が必ずちらっと写り込んでいるんです。怒るとかを通り越してもう笑っちゃいましたよ。この子そんなにこのおじさん(元夫)が欲しいんだ、って」

唯さんは「におわせ女は自分で自分の首をしめている」と指摘。「におわせをしていいことなんてひとつもない。私はにおわせはしない」と断言した
実際にされたにおわせを編集部が再現。タバコを吸わないのに灰皿。元夫の名前を思わせる『純喫茶』

“怖いおばさんにはなりたくないよう”

 ケータイのスクリーンショットでにおわせ投稿をすべて保存した。そのうえで元夫を問い詰めると、

「はぐらかされましたね。“勝手に好意を持たれて困っている”とか苦しい言い訳を展開していました。子どものこともあるし、これで彼女と別れるなら夫婦関係をやり直そうと思ったんですけど、相手もしぶとくて。

 元夫に言われたのか写真でのにおわせはなくなりましたが、今度は私への文句をにおわせてきました。“怖いおばさんにはなりたくないよう”とか年末年始の夫の実家の里帰りには“彼氏が今日キモイおばさんと過ごさなくちゃいけないんだってぇ。かわいそう”などと書いていましたね。ひっぱたいてやろうか、と思いました(笑)」

 バカな女にひっかかる元夫に辟易したという唯さんは証拠を持って弁護士に相談に行った。

「これだけ証拠があれば慰謝料が双方から取れると言われました。ほとんどの場合は元夫側からしか取れないみたいなんですけど、バカなにおわせ女からももらえるということで、即、調停に踏み切りました」

 唯さんと離婚までは考えていなかったという元夫だったが、証拠の数々に観念したのか調停から半年足らずで離婚が成立。におわせ女からも数十万円の慰謝料をもらえた。

「スッキリしましたね。20代で百万近くの出費は相当痛かったんじゃないかな(笑)。元夫からはそれ以上の何百万単位でもらったし、養育費も上限ギリギリの額で合意できました。すべてはにおわせのおかげです」