「母方の実家が福岡県なんです。僕自身も福岡で育ったので、親孝行できたのかなと。地元で主演映画を撮れることに、すごくワクワクしました」
福岡県大牟田市を舞台に、若者の挫折と成長を描いた映画『いのちスケッチ』で主演を務める佐藤寛太。劇団EXILEの一員で、今、注目の若手イケメン俳優だ。
隣のおじさんが1本おごってくれたり
「福岡の街のよさって、例えば焼き鳥屋さんとかで飲んでいても、周りの人が普通に話しかけてきたりするんです。高校生のときも、友達と屋台に行くと隣のおじさんが串を1本おごってくれたり。そういうところが、すごく好きですね」
地元の温かさを改めて実感した今回の作品。劇中では、漫画家になる夢をあきらめ、動物園飼育員として働くこととなった主人公の青年を演じている。
「『延命動物園』として出てくる大牟田市動物園は、実際に“動物福祉”に特化していて、世界から注目を集めているところ。撮影期間中もイヌワシが寿命で亡くなってしまったんですが、職員さんはその“死”としっかり向き合われていて。命のスペシャリストだと肌で感じた瞬間でした」
自身にとっての“人生の岐路”
共演には若手からベテランまで、実力派俳優が集結。園長役は、同じく福岡県出身の武田鉄矢が演じており、
「あるシーンで武田さんが僕にアドリブのパスをくれたんです。それを返したときに“よくついてきてくれたね”って言ってもらえたのがうれしかったです」
と撮影を振り返る。少年らしさと大人っぽさ、両方を持ち合わせる23歳。“人生の岐路に立つ若者”を描いた作品ということで、自身にとっての“人生の岐路”について聞いてみると、
「僕が所属している事務所のスクールが全国にあって。その福岡校の全国特待生オーディションに、友達から誘われて受けに行ったことですね。
やんわりとですが、当時はいつか俳優になりたいと思っていたんです。もし合格していなかったら、今の僕はないですから」
俳優になる夢を叶えた今。現在のさらなる夢は?
「海外の作品に出たいです。国内の作品でも、グサッと人の心に刺さる作品に出たい。と、言っていても叶うものじゃないので(笑)。来た仕事をきちんとこなして、求められる役者になれるように頑張ります」
博多弁はかわいい or かわいくない!?
「かわいいとか、考えたこともなかった……! 僕自身、標準語より博多弁のほうが長いので、標準語を話されることくらい何とも思わないです(笑)。今回の作品はセリフも博多弁だったので、すごくセリフが入ってきやすくて。自分の気持ちもいつも以上にストレートに出せたと思います」
夢をあきらめ、故郷・福岡に帰ってきた田中亮太(佐藤寛太)。ひょんなことから動物園飼育員として働くこととなるが、たくさんの人と出会い、動物の命と向き合うことで、気持ちに変化が表れ─。
●PROFILE●
さとう・かんた '96年、福岡県出身。'15年に劇団EXILEに加入。翌年『イタズラなKiss』シリーズで初主演を務めたほか、『HiGH&LOW』シリーズ、『今日も嫌がらせ弁当』など数々の映画やドラマで活躍。来年1月には、劇団EXILE全メンバー出演の舞台『勇者のために鐘は鳴る』が上演。